スリープ (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.55
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  • (30)
  • (3)
本棚登録 : 1090
レビュー : 125
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758436588

作品紹介・あらすじ

テレビ番組の人気リポーター・羽鳥亜里沙は、中学卒業を間近にした二月、冷凍睡眠装置の研究をする〈未来科学研究所〉を取材するために、つくば市に向かうことになった。撮影の休憩中に、ふと悪戯心から立ち入り禁止の地下五階に迷い込んだ亜里沙は、見てはいけないものを見てしまうのだが・・・・・・。
どんでん返しの魔術師が放つ傑作ミステリー、待望の文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • 『死という絶対的な恐怖は、人は死んだらそこで終わりだという直観に基づいている。世の中の宗教がいくら死後の世界や輪廻転生をといたところでか、それがまやかしにしか過ぎないということは、誰しもが心の奥底で気づいている。

    自分が死んだ後に世界はない。時間さえもない。永遠の無が続くだけなのだ。その絶対的な死というものを前にして、人は無力だった。』

    クライオニクスを題材にしたSFなんだけど、乾くるみならではの仕掛け付き。最後まで気付けなかったくやしさは、良く出来ていると思うが、《自然主義・生命の樹協会》についてはもう少し深掘って欲しかった。

  • 面白かったです。
    乾さんの本は、これが4冊目。
    1冊目は、イニシエーションラブ、2冊目は、塔の断章、3冊目は、嫉妬事件、で、4冊目がこのスリープです。


    前の3冊がSF要素を含んでなかったので、読み始めから、「前の3冊と毛色が違うな・・」と思いながら、ページを捲っていました。

    何も考えずに読んでいたので、9章を読み始めた時、「え?あれ?」と軽くパニック。タイトルを考えて、あ、こういうオチかな・・、いやこっちが・・?なんて思いながら読んでいたら、自分の予想を、そのどちらも外していました。

    話は面白かったし、でも、「行き過ぎた科学」というのもにも考えさせられました。

    それにしても、嫉妬事件もそうだけど、タイトルまでトリックだなんて・・そんな乾さんが大好きです。

  • 久しぶりの乾さん。
    「イニシエーション・ラブ」でみごとに騙されて以来の2冊目。

    2006年、天才美少女“ひらめきの天使”こと中学生の羽鳥亜里沙は、TV番組の取材でつくばの未来科学研究所を訪れる。
    ひょんな事から、そこで見た冷凍睡眠装置の試作機に関する秘密を知ってしまい、かわりに所長の八田から高解像度スキャナーの試し撮りを依願され、装置に付随した寝台に横たわり、一瞬ののち目覚めると、そこは2036年の世界だった…。

    科学の分野が苦手で、SF小説も得意ではない私でも、意外にスムーズに読めた。

    スケールの大きな物語の中、乾さんお得意のどんでん返し(サプライズ)がきちんと用意されていて、安心した(笑)

    結末も、高いIQを持って生まれた子供達4人のそれぞれの行く末が、しっかり描かれていて、恋愛要素も含んだスピード感溢れるミステリー(^^)

  • とあるアイドルさんが読んでいて、そのレビューを見て読んだ
    スリープと言う意味は途中で気が付いたが、今流行りの低温生体保存が本当に良いものなのか?を考えさせられる
    作中はなりたくてなった訳じゃないがなりたくてなってもタイムワープみたいな状態になるって事がすごくおそろしい
    やっぱこのまま生きていく事が一番だなぁと感じました

  • いやー、そうきたか!
    イニシエーションラブの衝撃
    セカンドラブの随所に隠された驚き
    程ではなかったけれど面白かった。
    しかし、これぞ究極の愛!・・・になるのかな?

  • 今回もありました。しかも今回はSFならではの究極の方法で。

    コールドスリープではないけど、『目が覚めたら突然知らない場所で点滴を受けていた。』のような記憶がある人は多いのではないでしょうか?自分も交通事故でその経験をしました。そのときの混乱は結構なもので、手術室に寝かされ血まみれになったTシャツを裁断している一瞬しか覚えていませんでした、、目が覚ますのが、もし30年後だったらと考えるとちょっとぞっとします。

    本題の「スリープ」の主人公、亜里沙はコールスリープされているので、その間の成長はストップしているので30年後にタイムスリップした形となる。そこででてくるのがなぜコールドスリープされてしまったのか?その30年間になぜ社会的に抹殺されてしまったのか?いろいろな疑問が発生しては原因が明かされていく。
    そんな中で、もう一人の亜里沙がヒッピー村で生活していた。コールドスリープされていた亜里沙はカタカナ表記のアリサになっている。もしやこれは!!しかし記憶は両方とも亜里沙の物。混乱のまま最終章へ。そこですべてが明らかに。

    近未来世界もよく描けていて、技術的観点から読んでも抜群に面白いです。
    コールドスリープ 第1号が誰なのかわわからなかったのが心残りですが・・・

  • はまる!まじで(⌒‐⌒)
    めっちゃ面白いです。最初の書き出しから何故だか気になるし、ストーリーの着眼もいいです。
    ワクワクしましたです。エスエフミステリーなんでしょうか?

    ラストも納得性の高いストーリー展開なんですけど。自分としてはdreamな感じに仕上げていただけてもよかったかなぁとも思いました。

    是非おすすめです!

  • 面白い。
    イニシエーション・ラブ、リピートに続く傑作と思う。乾くるみが嫌いじゃないなら読むべし!

    (以下ネタバレ有り)


    読了後にパラパラと読み返してみたけど、戸松が復活アリサに現状の説明をする場面は本当によく練られていて、感心する。
    ここが「引っ掛け」の山場になるので当然といえば当然だけど、読み返してみると戸松が真実を巧みに織り混ぜながら嘘の説明をしていることが分かり、結果アリサの実家訪問などのイレギュラーな事態にも対応できている見事な説明となっている。戸松くんにはノーベル説明賞をあげたい。
    また、戸松くんはアリサ復活時に備えて、恐らく科学のちからの女の子用の制服をコスプレショップかなんかで作成して、かつ30年前にアリサ宅に侵入して盗み出した下着を大事に持っていたと思われる。ノーベル変態賞もあげたい。

    復活アリサが山根所長が襲われるときの「お前は戸松に命を与えられた」発言、所長を倒した変態が何か言っていなかったかとしつこく聞く場面、何か違和感があったが、これも最後まで読めば納得だった。ということはあの違和感は作者が意図して植え付けたに違いないわけで、作家っていうのは本当に凄い。

    随所に登場する理論の妥当性は正直よく分からないが、恐らく調べあげて矛盾や破綻は無いようにしてあるのだろう。
    ただ、人体再構築にも原子レベルの材料があればよいのなら、豚でもなんでも良さそうなもんで、わざわざ8番カプセルの女性を使う必要はないように思うんだけど、どうなんだろう?

    徒然なるままに気が付いたことを書き連ねたけど、最後にもう一度まとめると、全体としてはとても良くできていて完成度の高い、オススメエンタメ作です!

  • やっぱり、乾さんだな!と思わせる終わりでした。

    途中、文系の私には理解に苦しむ所があり
    その辺りは、全く頭に入ってませんが・・・(笑)
    でも、それでもストーリー展開は予想しながら読んでいても
    予想を裏切られました。

    乾さんの頭の中ってどうなっているんだろう。

  • 悲しいなあ。登場人物のうち誰に共感するかで感想が変わるかもしれない。最初、自我と時間が交錯するので新井素子の小説を思い出した。たぶんこの方向に話が収斂するだろう、と思ってそれは予想通りだった。でも、悲しいー。

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