藍の糸―着物始末暦2 (ハルキ文庫 な 10-2 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758437585

作品紹介・あらすじ

呉服太物問屋の若旦那・綾太郎は、着物の染み抜きなどをなんでもこなす着物始末屋・余一のもとへ打掛の始末を頼んだ。毛嫌いする余一を困らせようと、生地が弱りすり切れた打掛を渡したのだが、その仕上がりは非の打ちどころのない出来栄えだった。余一に対して、何としても一泡吹かせたいと願う綾太郎。そんなある日、彼は古着屋の六助を伴い、余一に想いを寄せるお糸の飯屋を訪れた。血の気が多い職人や人足などの男達を前に、てきぱきと働くお糸を見て、綾太郎は彼女に惹かれはじめるが-(「藍の糸」より)。大好評、連作短篇時代小説。待望の第二弾!!

感想・レビュー・書評

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  • 着物始末暦 シリーズ2

    着物始末屋の、余一は、いつも、顰めっ面をして、他人と関わりたがらない。けれど、一旦関われば、損得抜きで、とことん手を貸す。

    そんな余一に、心を寄せる「一膳飯屋・だるま」の一人娘のお糸。
    そんなお糸の心を知りながら、幼馴染のおみつも、余一の事が、気になり出して。
    あらまあ、ややこしい事。

  • 着物始末暦の第二弾。

    主要人物について、いやな部分も見えるように描くのがこのシリーズの特徴のひとつ。それが、ただ単にいやな味わいになるのか、普通は描かれない何かに繋がっていくのかは、これからかな?

    着物を通じて、格差や立場で、見方・考え方が変わってしまう時代背景に思いをはせます。とりわけ女・子どもは立場で何もかも違ってしまう時代。「あきない世傳金と銀」の最終巻を読んだ直後だったので、余計にそんなことを思うのでしょうか。

  • 名探偵余一 人が良すぎるでしょ.
    なんだかんだで六助も人が良い.

  • 中島要二冊目(一巻目は印象が悪かった)
    主人公が何を考えているのかだんだん見えて
    来ると物語も楽しくなる
    周囲の登場人物も増えてきて長いシリーズに
    なりそうな予感です(良い付き合いが出来そう)

  • 着物の始末を生業とする余市の周りでおきる出来事を描いた短編集、二弾。
    呉服屋の跡取り綾太郎と許嫁お玉の話、余市を想う飯屋の娘お糸が活躍する話など。
    前作よりも余市の活躍が少ないが、ストーリーは面白い。

  • 着物始末暦の二巻。
    着物をめぐり、余一をめぐり益々面白く絡み合ってきた。
    着物は着てやってこそ価値がある、着物自体の価値より着物を切る人の気持ちが大切、という余一の思いが貫いていて心地よい。
    余一に惹かれている女達、絡んでいる男たちがどうなっていくのか楽しみ。

  • 「着物始末屋」シリーズの二作目。

    着物に寄せる人の想いが起こす、
    さまざまな難事、些事を、余一が解き明かし、
    始末していく物語。

    余一は、始末の腕は立つが、相変わらず、
    女の気持ちはわからない。

    その頓着のなさで、すったもんだが起こるのも事実。

    お糸の幼馴染、おみつも、どうやら、
    余一に魅かれ始めたようで…。

    女の気持ちは分からないが、人の情の機微が
    わからないのではない。

    ぶっきらぼうの影に、温かさがにじみ出る。

    綾太郎は、相変わらずのアホぶりを発揮し、
    余一に対抗心を燃やして、お糸にちょっかいをかける。

    登場人物の中で、唯一、お玉が、結構冷静沈着で、
    聡明。

    彼女が、もう少し、話の中心近くで、
    暴れてくれると、面白いんだけど…。

  • ええ話。
    着物始末屋の余一と、飯屋の娘お糸。
    古着屋六助、友人おみつ、奉公先の娘お玉。
    どれも愛おしく感じられて、応援したくなる。
    着物が好きになる。
    着物は人の思いの依代。
    次も早く読みたい。

  • 2021.10.01

  • 202104~5/全10巻まとめて。着物始末職人と彼をとりまく人々との物語。良く言えば人間らしいんだけど、性格の嫌な部分が目につきすぎて登場人物達があまり好きになれなかったのと、恋愛話ターンにあまり魅力を感じずハマるまではいかなかった。奉公人おみつが一番苦手。六助の特殊能力設定も必要に思えなかった。話によってメインになる登場人物が変わるタイプの短編なので、別話・別視点だけど同じエピソードが再三出てきたり、時系列でみるとわかりにくい時も。とはいえ、巻を重ねるごとにキャラ達への多少の愛着もわき笑、若旦那綾太郎達の成長もみてとれ、全巻面白く読めた。巻末に着物柄説明が入っている趣向も良い。

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著者プロフィール

早稲田大学教育学部(講談社文庫初期の傑作『古典落語』を編んだ興津要のゼミ)卒業。横浜在住。2007年、第2回小説NON短編時代小説賞で「寝姿指南」が最終候補になり、08年、「素見」で小説宝石新人賞を受賞。若き町医者を描いた初長編『刀圭』と、受賞作を含む短編集『ひやかし』が好評を集める。祥伝社文庫既刊に『江戸の茶碗』『酒が仇と思えども』。著書に「着物始末暦」「大江戸少女カゲキ団」シリーズ、『うき世櫛』『御徒の女』『神奈川宿 雷屋』などがある。

「2022年 『吉原と外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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