食堂つばめ 2 明日へのピクニック (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 229
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758437882

作品紹介・あらすじ

「食堂つばめ」は、どんなメニューでも作ってくれる、ちょっと不思議な料理店。生と死の境目にある街にやってきた人たちのために、料理人ノエは今日も腕をふるっています。料理を食べた人が大切な誰かのもとに戻れるよう、願いをこめながら…。妻オリジナルレシピ・つゆだく肉じゃが、老舗洋食屋のマカロニグラタン、おばあちゃんが毎年作ってくれたかき餅などなど、大切な人と味わったあの味が思い出とともにじんわりと心に沁みてくる、大好評「食堂つばめ」シリーズ、待望の第二弾!

感想・レビュー・書評

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  • 「 死ぬことは逃げ場ではないのよ」
    ノエさんのこの言葉にドキッとした。
    強くて厳しい言葉だと思った。
    こう言い切るノエさんの目を見つめ返すことが私に出来るだろうか?

    2巻の食堂つばめもやっぱり優しかった。
    死ぬ気で生きるなんて、言うほど簡単じゃないよ。
    でも心から望んでいることは、それがどんなに困難なことでも、そうしようと決めた時に力がわいてくるものなんだ。
    それを基準にしたらもっと迷いがなくなるかも、なんて思う。

    いつも自信を持って生きていられるわけじゃない。
    逃げたくなった時には逃げるんじゃなくて進め!
    ノエさんのそんな言葉が聞こえてくる。
    力強く踏み出せる方向があなたの心の向いている方向だよ、と。

  • 「食堂つばめ」のシリーズ2作目。
    好評のようですね。

    何でも食べたい料理を作って出してくれる、不思議な「食堂つばめ」。
    実は、この世とあの世の境目にある。
    亡くなった人は見知らぬ町に来ていて、ある方向へ引き寄せられていくのですが‥
    料理人のノエは、思い出のある美味しい食べ物を食べることで、生きたい気持ちを取り戻して欲しいと願っているのです。

    1冊目もいくつかエピソードはあったのですが、主人公と食堂とノエの謎の物語でもありました。
    もっと一つ一つが短編になっている印象で、それぞれの話はわかりやすいです。

    夫が我家の肉じゃがと思っていたジャガイモとひき肉のそぼろ煮。
    老舗レストランのマカロニ・グラタン。
    おばあちゃんが作ってくれた、かき餅。
    美味しい物を詰めたピクニック・バスケット‥

    そうそう、最近マカロニ・グラタンが食べたいのはこのせいだったんだ~と納得。
    お餅も食べたい‥!

    美味しい物を食べるとき、思い出す懐かしい人。
    ノエの願いかなって、この世に戻っていく若い人たちも‥
    1作だけ、老いた夫が、妻の待っている方向に進むことを決めるのも、何か納得できる描き方で、心に残りました。
    母が入院したときの父を思い出しました。

  • 生と死の境目の街にある食堂つばめシリーズ第二巻。
    料理人ノエは訪れた人が大切な人の元に戻れるよう今日も腕をふるう。

    ぶたぶたシリーズとともにお腹が空くお話。
    こんな食堂があったら行って見たいようなちょっと怖いような。
    1巻から続けて読まないとノエの存在がよくわからないかもしれない。
    ぜひとも順番に、そして空腹時を避けてお読みください。

  • いい話。一気に読んだ。
    前作の、謎に満ちた雰囲気はないけれども。

    納得して、戻らないことを選ぶ『最後の待ち合わせ』が良かったです。

  • 前は秀晴さんの話だけだったけど、今回は短編集というような感じ。相変わらず全部がおいしそう。

    ノエさんがいつかりょうさんのことを思い出してくれたらいいなあ。

  • シリーズ2作目。
    1作目よりこちらの方が良かった。
    特に第3話「最後の待ち合わせ」が好き。とても素敵な夫婦。
    さくっと短時間で読め、ほんわかできる一冊。マカロニグラタン、食べたくなった。

  • 「生きる」ということと「食べる」ということがセットになった、心温まる短編集です。

    【内容情報】(「BOOK」データベースより)
    「食堂つばめ」は、どんなメニューでも作ってくれる、ちょっと不思議な料理店。生と死の境目にある街にやってきた人たちのために、料理人ノエは今日も腕をふるっています。料理を食べた人が大切な誰かのもとに戻れるよう、願いをこめながら…。妻オリジナルレシピ・つゆだく肉じゃが、老舗洋食屋のマカロニグラタン、おばあちゃんが毎年作ってくれたかき餅などなど、大切な人と味わったあの味が思い出とともにじんわりと心に沁みてくる、大好評「食堂つばめ」シリーズ、待望の第二弾!


     矢崎ありみさんの小説では「ぶたぶたシリーズ」が一番好きですが、今回読んだ「食堂つばめ」は、「ぶたぶたシリーズ」にも通じる温かさがあります。
     前作では、臨死体験をした男性が主人公で、“食堂つばめ”で料理を作る美しい女性料理人ノエさんを巡るやりとりが綴られていました。続編は食堂つばめにやってくる人々が主人公。それぞれの事情を抱えながら「生きる」ということを考えます。

     人々が迷い込む不思議な町は、あの世とこの世をつなぐ町。迷いこんだ人々は、何かに突き動かされるように「ある方向」へ進んで行きますが、そこで食堂つばめを知り、食事を味わうことによって「生きる」ということを考えていきます。

     4つの物語それぞれ独立して語られていますが、どの物語も優しさに包まれていて、読み終わった時に心がとても温かくなる物語ばかりです。

     「休日にゆっくりと心安らぐ物語を読みたいな」と思っている方にもオススメですし、「生きる」ということをきちんと考えて欲しい中高生にもぜひ読んでもらいたい一冊です。

     矢崎ありみさんの書かれる物語には思わず食べたくなる食事が出てきますが、今回の「食堂つばめ2」もそういう食事がたくさん出てきました。美味しい物は心を温かくしてくれますし、生きる気力を与えてくれるんだなと改めてそう思いました。

  • 今回もサクサク読めた!

    最後の紬ちゃんの話しだけ自殺する1時間前に戻ってたけど、そういうパターンもあるんだね(笑)

    続きを早く読まなくては!

    2017.9.14 読了

  • 1を読んでからかなり経ってしまったので、細部は忘れてるんやけど(・・・)、でも前作よりグッと面白かった!
    もちろん前作も面白かったけど、
    「えっ? こういう世界観の話?」
    と、ややソワソワしつつ読んだ前作に比べ、今回はこの「つかみどころのなさ」も、ひっくるめて、楽しめた!

    でも、キクちゃんって誰やったかな・・・? とか、秀晴と柊子さんって結婚してたっけ? とか、ちょいちょい疑問点はあった。

    秀晴さんもすっかり食堂つばめに慣れちゃって、第三者が語る秀晴さんの食べっぷりは、ほんま見てて清々しいわー。
    食べることが好き、っていうのは、ほんまにいいよね。
    食堂つばめへやってくる人は、食べるという幸せを忘れるくらい、気持ちがどこかへ置き去りになっている人ばかり。

    今回は、敢えて「門」をくぐって「死」を選ぶ人もいたし、生を選ぶ人もいた。
    「死ぬ気で生きる」
    って、どうなんやろう。

    そこまでして生きたくない・・・。いやそれは「生きる」ということを否定するのではなくて、そこまで切羽詰まらなくても、緩く生きていたい・・・。とか、いうたらあかんのかな。

    ずっと強くなくてもいい、「強くあるべきとき」だけ、強くなれたらいい。
    紬ちゃんのその決意はすばらしいなと思った。

    常に強い人も、またどこかで道を違える。
    弱さを知っているから強くなれるし、その強さは自分のためであって、自分のためだけではない。

    きれいごとかもしれへんけれども、自分を傷付けるということは、自分を愛してくれるだれかも傷付けているということで。
    愛してくれる人と、愛している人を傷付けないための強さは、尊いとも思うのだ。


    前述の通り、今、私はありえないぐらい悩んで、後悔して、不安な日々を過ごしている。
    大丈夫、大丈夫って唱えながら、朝起きた瞬間が一番つらい。

    ああ、また一日が始まったのか・・・って思ってしまって、朝ごはんが喉を通らない。
    空腹も感じない。

    あの瞬間に
    「何が食べたいですか」
    って聞かれても、たぶん何も答えられないだろうな。

    だけど、いただいたお水はきっとおいしいと感じる。

    だから私はまだ、死ぬ気で生きてはいない。

    いつかこんな日が、笑い話ですごせますように。

    (2016.12.19)

  • 豚ひき肉のつゆだく肉じゃが、クリームがかかった珈琲ゼリー、熱々のマカロニグラタン、しょうゆをかけただけの揚げ餅と、おいしそうな食べ物が登場。

    生と死の境目にある食堂つばめは、生き返れるよう、その人にとって懐かしい料理を提供する。
    しかし、年齢的なものもあって、82歳の男性はそのまま・・・
    余りないパターン?!

    今回は連作短編集ですが、プロローグとエピソードがあります。なぜだろう・・・

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著者プロフィール

埼玉県出身。1985年、星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞。’89年に作家デビュー。「ぶたぶた」シリーズなど著作多数。

「2017年 『繕い屋 月のチーズとお菓子の家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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