- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758437882
作品紹介・あらすじ
「食堂つばめ」は、どんなメニューでも作ってくれる、ちょっと不思議な料理店。生と死の境目にある街にやってきた人たちのために、料理人ノエは今日も腕をふるっています。料理を食べた人が大切な誰かのもとに戻れるよう、願いをこめながら…。妻オリジナルレシピ・つゆだく肉じゃが、老舗洋食屋のマカロニグラタン、おばあちゃんが毎年作ってくれたかき餅などなど、大切な人と味わったあの味が思い出とともにじんわりと心に沁みてくる、大好評「食堂つばめ」シリーズ、待望の第二弾!
感想・レビュー・書評
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「 死ぬことは逃げ場ではないのよ」
ノエさんのこの言葉にドキッとした。
強くて厳しい言葉だと思った。
こう言い切るノエさんの目を見つめ返すことが私に出来るだろうか?
2巻の食堂つばめもやっぱり優しかった。
死ぬ気で生きるなんて、言うほど簡単じゃないよ。
でも心から望んでいることは、それがどんなに困難なことでも、そうしようと決めた時に力がわいてくるものなんだ。
それを基準にしたらもっと迷いがなくなるかも、なんて思う。
いつも自信を持って生きていられるわけじゃない。
逃げたくなった時には逃げるんじゃなくて進め!
ノエさんのそんな言葉が聞こえてくる。
力強く踏み出せる方向があなたの心の向いている方向だよ、と。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「食堂つばめ」のシリーズ2作目。
好評のようですね。
何でも食べたい料理を作って出してくれる、不思議な「食堂つばめ」。
実は、この世とあの世の境目にある。
亡くなった人は見知らぬ町に来ていて、ある方向へ引き寄せられていくのですが‥
料理人のノエは、思い出のある美味しい食べ物を食べることで、生きたい気持ちを取り戻して欲しいと願っているのです。
1冊目もいくつかエピソードはあったのですが、主人公と食堂とノエの謎の物語でもありました。
もっと一つ一つが短編になっている印象で、それぞれの話はわかりやすいです。
夫が我家の肉じゃがと思っていたジャガイモとひき肉のそぼろ煮。
老舗レストランのマカロニ・グラタン。
おばあちゃんが作ってくれた、かき餅。
美味しい物を詰めたピクニック・バスケット‥
そうそう、最近マカロニ・グラタンが食べたいのはこのせいだったんだ~と納得。
お餅も食べたい‥!
美味しい物を食べるとき、思い出す懐かしい人。
ノエの願いかなって、この世に戻っていく若い人たちも‥
1作だけ、老いた夫が、妻の待っている方向に進むことを決めるのも、何か納得できる描き方で、心に残りました。
母が入院したときの父を思い出しました。 -
生と死の境目の街にある食堂つばめシリーズ第二巻。
料理人ノエは訪れた人が大切な人の元に戻れるよう今日も腕をふるう。
ぶたぶたシリーズとともにお腹が空くお話。
こんな食堂があったら行って見たいようなちょっと怖いような。
1巻から続けて読まないとノエの存在がよくわからないかもしれない。
ぜひとも順番に、そして空腹時を避けてお読みください。 -
生と死の間にきた人達を生き返すため、思い出の場所・思い出の味をふるまう「食堂つばめ」
事故や病気でこの世界に来た人は生き返り、天寿をまっとうした人はこの世界で約束を果たし、自ら死を選んだ人はやり直すために少し時間を戻し生き返る。
どの話もよかったと思える終わり方だった。
次巻も楽しみ。 -
いい話。一気に読んだ。
前作の、謎に満ちた雰囲気はないけれども。
納得して、戻らないことを選ぶ『最後の待ち合わせ』が良かったです。 -
前は秀晴さんの話だけだったけど、今回は短編集というような感じ。相変わらず全部がおいしそう。
ノエさんがいつかりょうさんのことを思い出してくれたらいいなあ。 -
シリーズ2作目。
1作目よりこちらの方が良かった。
特に第3話「最後の待ち合わせ」が好き。とても素敵な夫婦。
さくっと短時間で読め、ほんわかできる一冊。マカロニグラタン、食べたくなった。 -
「生きる」ということと「食べる」ということがセットになった、心温まる短編集です。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
「食堂つばめ」は、どんなメニューでも作ってくれる、ちょっと不思議な料理店。生と死の境目にある街にやってきた人たちのために、料理人ノエは今日も腕をふるっています。料理を食べた人が大切な誰かのもとに戻れるよう、願いをこめながら…。妻オリジナルレシピ・つゆだく肉じゃが、老舗洋食屋のマカロニグラタン、おばあちゃんが毎年作ってくれたかき餅などなど、大切な人と味わったあの味が思い出とともにじんわりと心に沁みてくる、大好評「食堂つばめ」シリーズ、待望の第二弾!
矢崎ありみさんの小説では「ぶたぶたシリーズ」が一番好きですが、今回読んだ「食堂つばめ」は、「ぶたぶたシリーズ」にも通じる温かさがあります。
前作では、臨死体験をした男性が主人公で、“食堂つばめ”で料理を作る美しい女性料理人ノエさんを巡るやりとりが綴られていました。続編は食堂つばめにやってくる人々が主人公。それぞれの事情を抱えながら「生きる」ということを考えます。
人々が迷い込む不思議な町は、あの世とこの世をつなぐ町。迷いこんだ人々は、何かに突き動かされるように「ある方向」へ進んで行きますが、そこで食堂つばめを知り、食事を味わうことによって「生きる」ということを考えていきます。
4つの物語それぞれ独立して語られていますが、どの物語も優しさに包まれていて、読み終わった時に心がとても温かくなる物語ばかりです。
「休日にゆっくりと心安らぐ物語を読みたいな」と思っている方にもオススメですし、「生きる」ということをきちんと考えて欲しい中高生にもぜひ読んでもらいたい一冊です。
矢崎ありみさんの書かれる物語には思わず食べたくなる食事が出てきますが、今回の「食堂つばめ2」もそういう食事がたくさん出てきました。美味しい物は心を温かくしてくれますし、生きる気力を与えてくれるんだなと改めてそう思いました。 -
生と死の狭間の世界にある食堂つばめ。
美人な若いお姉さんノエは実は60歳を超えたお婆さん。狭間の世界に迷い込んでくる人を思い出の料理でもてなし生きる力をくれる。
たまに生き返った人のその後が気になって現世に顔を出してしまうノエさんが微笑ましい。
本巻では第4話目の紬の話がお気に入り。
-死ぬ気で生きる。