夢かさね 着物始末暦3 (時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758438063

作品紹介・あらすじ

柳原の床店で、六助はいつものように古着を扱っていた。そこへ見るからに様子のおかしい男が、風呂敷を抱えてやって来た。経験上関わらないと決めた六助だったが、隣店の長吉がその男に話しかけてしまう。男は女ものの藍染めの袷を、いくらでもいいから引き取って欲しいというのだ。傷みもなく真新しい袷、そして落ち着きのない男の様子からして、何か後ろ暗い事情があるはずと睨んだ六助。袷の出所を問い詰めると、男は踵を返して駆けだした。残された袷の持ち主を探るべく六助は、着物始末屋・余一の元に向かったが-(「菊とうさぎ」より)。話題沸騰のシリーズ、待望の第三弾!!

感想・レビュー・書評

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  • 着物始末暦 シリーズ3

    お玉と実母お燿との確執がようやく氷解し、祝言の日を迎える。

    血のしがらみや宿命は生まれる前から決まっている。けれども、それに押しつぶされない力を与えられている筈。
    神様は全てを見通して采配をふるっているのだから。

    その神様は、どんな采配を振るおうとしているのか。
    お糸の亡き母の過去の想い人の、修三が、江戸店を出す事になった京呉服屋井筒屋の番頭として現れる。
    しかも、その井筒屋は、お玉の祖母の実家だった。
    なんか、絡れそうな予感。
    井筒屋は、余一とも関わりがあるのかな?

    それにしても、余一って、影がうすい。

    巻末に毎回、着物柄のページがあるが、見たことのない柄があったり、楽しめる。

  • 202104~5/全10巻まとめて。着物始末職人と彼をとりまく人々との物語。良く言えば人間らしいんだけど、性格の嫌な部分が目につきすぎて登場人物達があまり好きになれなかったのと、恋愛話ターンにあまり魅力を感じずハマるまではいかなかった。奉公人おみつが一番苦手。六助の特殊能力設定も必要に思えなかった。話によってメインになる登場人物が変わるタイプの短編なので、別話・別視点だけど同じエピソードが再三出てきたり、時系列でみるとわかりにくい時も。とはいえ、巻を重ねるごとにキャラ達への多少の愛着もわき笑、若旦那綾太郎達の成長もみてとれ、全巻面白く読めた。巻末に着物柄説明が入っている趣向も良い。

  • 着物の始末を通じて人間関係の汚れや
    コワバリを整える職人余一
    お糸の父親とも分かり合える糸口が見えた
    桐屋のお玉と母親との確執も癒えた
    お糸の幼馴染のおみつは、仕えるお玉との
    生涯の誓いをより強固にした
    少しだけ好きな余一との思いでもできた
    お玉の思い込みがただの人間関係のもつれ
    と思いきや、それぞれの身の上に係る深刻
    で口外し辛い内容であり、それを奉公人の
    おみつが承知するという構成が上手い
    登場人物の無駄遣いが無いのは、職人余一
    同様に始末が上手な作者さんだな(´・ω・`)

  • 綾太郎、結婚する前に少しは成長出来たのか…
    「着物始末暦」という題から余一が主人公かと思っていたら、綾太郎、お玉 vs 井筒屋の話に展開していくのかしら?

  • 着物始末屋シリーズ第三弾。
    余一やお糸、他の登場人物のその後が気になって、楽しく読んだ。余一の真っ直ぐな、真っ当な、濁りのない言葉がまた聴けて嬉しい。
    手を動かし、ものを活かし、丁寧に大切に生きていきたいな、と思えるのがありがたい。
    次も楽しみ。

  • 3巻目。悪役登場、そのさわりだけ、かな。

  • おみつがさ…良い子なんだけどなんだかな

  • 2021.10.03

  • 古手屋六助のところに、いくらでもいいからと、可愛い柄の合わせを持ち込んだ男。盗難品じゃ困ると品物を返そうと試みると、そこには悲劇的な事件があった。
    登場人物たちの関係者が絡むと同じ事件の続きが。。。

    着物の扱われ方、持ち主との関わり、それぞれの人生観。
    絡み合う幸、不幸の綾。

  • それぞれに気持ちが良い方に向かってる?

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著者プロフィール

早稲田大学教育学部(講談社文庫初期の傑作『古典落語』を編んだ興津要のゼミ)卒業。横浜在住。2007年、第2回小説NON短編時代小説賞で「寝姿指南」が最終候補になり、08年、「素見」で小説宝石新人賞を受賞。若き町医者を描いた初長編『刀圭』と、受賞作を含む短編集『ひやかし』が好評を集める。祥伝社文庫既刊に『江戸の茶碗』『酒が仇と思えども』。著書に「着物始末暦」「大江戸少女カゲキ団」シリーズ、『うき世櫛』『御徒の女』『神奈川宿 雷屋』などがある。

「2022年 『吉原と外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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