紙の月 (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 4159
レビュー : 583
  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758438452

感想・レビュー・書評

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  • お金って怖いなと思いました。

  • 描かれるのは主にドロボー女の狂騒の顛末だが、主人公梨花のような転落(罪悪感に苛まれつつそれに麻痺もする)までには至らずとも、彼女を知る他の登場人物たちの置かれているような(危機的)状況にあるヒトは少なくないだろう。自分の似姿をそこに重ね見て苦々しい思いになるのでは(敷衍して言えば借金大国に暮らす自分たちは理不尽に思うかもしれないが立場的に梨花とそう大差ないのかも・・嗤えない。デフォルトの日は近い?)。自分のしていることを忘れ、若い愛人光太のふるまい(例えばパラソルの移動を促す場面)をとやかく言う資格なし。

  • 以前にドラマで見た記憶があり、なんとなく内容は覚えていた。一億円を横領してしまう主婦の話。
    お金って怖いなぁと思いました。ごく普通の主婦だった梨花。銀行で働き始めて自分で少しずつお金を稼ぐことができるようになるが、夫に金銭的な意味で下に見られていても読んでいてももやもや。それがだんだん・・・
    色んなことがふとしたきっかけなんだよね。魔がさすというのか。でも本人にそんなに悪いことをしている感覚がなくて。すぐに返す、すぐに戻せると思っていたのがずるずると引き返せないところまでいってしまう。金銭感覚もだんだん麻痺して。一億円の横領なんて縁のない話だけど、だれでも一線を越えてしまう可能性があるということか。でも、私は梨花に共感はできなかったし、理解できない。

  • おもしろかった!

    若い愛人のために止まらなくなる横領。
    「お金なんて関係ない」ってまっすぐな目で言われても、
    それが一回り以上も年下の男の子だったら、
    お金でつなぎとめておきたくなるのかもしれないな。
    不安で不安で。

    決して目立つわけじゃないけど美人で、年下BOYにおぼれる梨花役が宮沢りえ、
    しょうもないけど愛くるしくて憎めない光太が池松壮亮、これぴったり。

    映画も見たいな。

  • 角田光代さんは小豆島の島民にとって特別な作家である。八日目の蝉は今の島を変えてしまうくらいの作品だった。

    すごいひとすぎて、なぜか読むことがなかった。

    紙の月の主人公、梨花はごく普通の主婦である。そして実在の女性より存在感があり、フィクション感が全くない。

    とんでもなくそのままの人間を書く角田光代さんに圧倒される。

    読み終わって充実感にぐったり。

  • パート銀行員の梨花。自分と他人の金の区別がどんどん曖昧になっていき孤独と男に振り回され、金に狂っていく。
    嫌みな旦那にひとつも言い返せず、金という名の服で自分を飾りながらもその虚空に気付かない。
    躊躇なくバンバン買い物する描写が怖くて読みながらしんどかった。

  • 何度目かの挑戦でやっと読破。

    あまり感想が無い。
    共感が出来なかったからかなぁ。
    好きな人に会いたい、という気持ちはわかる。
    でもいきすぎだろう

  • 結局は梨花って誰からも愛されてはいなくて、その心の隙間を埋めるかのように…

    行動がエスカレートして行き、壊れていく梨花を見てるのが辛く苦しかった。
    切なさが残る…

  • 読んでて怖かった〜
    好きな人には自分のかっこいいとこだけ見てほしいとか、試着したらついつい買っちゃうとか共感するところが多いからこそ怖かった。

    お金の力ってすごいけど、お金に取り憑かれたら大事なものを見落とす。人のお金に手をつけたら終わりだと思った。

    お金のある生活には憧れるけど、身の丈に合った生活が1番幸せなんだろな。

  • NHKドラマ版、映画版と両方視聴済みです。原作に近いのはNHKドラマ版かな。映画は別物と考えた方がいいかもと思いました。
    ドラマや映画をみた女友だちの間では、なぜ梨花がちっとも魅力的に見えない光太に、横領して貢ぐほどのめりこんだのか理解できないと言うのが、ほぼ全員に共通する感想でした。
    その答えが原作を読んだらわかったかも。梨花は光太にのめりこんだ訳じゃない。梨花が夢中になったのは、もっと別の感情。
    万能感。
    「満足感というよりは万能感に近かった。いこうと思った場所へどこへでもいくことができる、やろうと思ったことをどのようにでもやることができる。自由というものをはじめて手にしたかのような気分だった。(文庫版154ページ)」
    この万能感に梨花は夢中になる。
    服を買い、化粧品を買い、エステに通い、高級レストランで食事をし、ホテルのスイートルームに泊まり、車を買い、マンションを買い、そこに光太を住まわせる。
    やがて現実と夢が入れ替わる。この夢のような生活の方が現実ではないのか。
    明日戻る場所が、夫や、パートの仕事や、カードの返済の方が悪い夢ではないのか。
    そして梨花は現実にとどまるために横領を繰り返す。

    この「万能感」、ちょっと想像できちゃう自分が怖い。
    想像するだけにしておきましょw
    (元銀行員だったお友だちに聞いたところ「あんな横領、ムリムリ、できる訳ない」と言っておりましたので、たぶん心配ないでしょうw)

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著者プロフィール

角田光代(かくた みつよ)
1967年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
1990年、「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞し、小説家としてデビュー。受賞歴として、1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞を皮切りに、2005年『対岸の彼女』で第132回直木三十五賞、2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、2011年『ツリーハウス』で第22回伊藤整文学賞、2012年『紙の月』で第25回柴田錬三郎賞、同年『かなたの子』で第40回泉鏡花文学賞、2014年『私のなかの彼女』で第2回河合隼雄物語賞をそれぞれ受賞している。
現在、小説現代長編新人賞、すばる文学賞、山本周五郎賞、川端康成文学賞、松本清張賞の選考委員を務める。
代表作に『キッドナップ・ツアー』、『対岸の彼女』、『八日目の蝉』、『紙の月』がある。メディア化作も数多い。西原理恵子の自宅で生まれた猫、「トト」との日記ブログ、「トトほほ日記」が人気。

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