紙の月 (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.63
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本棚登録 : 4193
レビュー : 586
  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758438452

感想・レビュー・書評

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  • やはり角田さんの本はおもしろい。これも良かった。

    主人公がだんだんと横領にはまっていくところがスリリングだったが、ただなぜそんなにはまっていくのか、貢いでいる男はそんなに魅力的なのか、といったところはいまいちリアリティーがなかったが、まあそれでもおもしろかった。

  • 悪い人間が計画を立てて犯罪を行うのではなく、この小説のように普通の人が、だんだんと深みにはまっていくのは、読んでいてつらくなってしまうので読むスピードが遅くなってしまう。3.5

  • 本当におもしろいほどのスピードと自然さで非現実に足を突っ込んでいくのを感じた。
    ある意味爽快?

  • 角田光代初読。読みやすく、面白かった。
    銀行で横領を働いた契約社員、梅澤梨花の話がメインストーリー。それと平行して梨花の元彼、山田和貴の話、中高時代のクラスメイト、岡崎木綿子の話、料理教室で知り合った友人、中條亜紀の話が語られる。
    普通の人が、日常のありがちなストレスが下地にあって、ふとしたことをきっかけに、とんでもない非日常の世界に落ちていくという怖い話。

  • 多分、ささいなきっかけ、、
    多分、誰にでもありうる狂気、、

    視点を変えつつ語られる犯罪。
    変えるタイミングが絶妙で、ダラダラせず飽きさせない。
    一気読み。

  • 夫との不和から若い男との不倫、横領・・・転落していく日常の中で、巨額の金をつぎ込んでも心は癒されない渇望感が妙にリアルに感じられた。幸せと金はむしろ正反対の関係なのかも。

  • 銀行や保険会社等、大きな金額が動く職場にいる人は
    「お金」の感覚が麻痺するものですか?
    「円」と言う「紙幣」は「日本銀行券」…券。
    紙。
    欲望を刺激する紙。
    その紙には、日本国民全員で作って来た信用が刷り込まれているのです。

    テレビのニュースで、オリンピックや年金や贈収賄や何かで
    大きな金額が表示されますが、何億・何千億なんて金額は
    大き過ぎて実存観がない…一般庶民。ふふ。

    大きなお金の事よりも、日常の配分でいっぱいいっぱいですよー。
    大きなお金を扱う人は(政治家とか?)庶民感覚を忘れずに。

    宮沢りえさんの、映画化の表紙がオマケについていた。
    りえさんは好きだ。ご活躍応援致します。

  • お金があればなんでも買える。お金を作る費用は数円だが信頼の証として、存在する物。この主人公の女性は決して貧しくなく、物欲が強い訳でもない、むしろ周りから見れば勝ち組の主婦。そんな主婦が何故、横領に手を染めたのか。主人公以外にも異なる弱さを持った人物達が『お金』を持つ事で、自信や尊厳を得ていくが、お金が無くなる事で存在意義を失う悲しい代償。出てくる人物達の悩みが、とにかくリアルで主人公の旦那の男ならではのプライドは、あるある過ぎて少し笑ってしまった。誰もが抱える現実を見事に描いていて、決して他人事ではない作品。

  • 誰の人生にも梨花は潜むという怖い話。梨花の一人称なのに彼女の感情を掴みあぐねるモヤモヤした表現が見事。

  • 登場人物誰もが、「本当の自分」をお金で買おうとしているような印象。
    もちろん、そんなことは出来ないのだけど。
    それは、お金じゃ買えないものがあるから、というほの甘い理由ではなく、「本当の自分」なんてよそにはない、常に今の自分=本当の自分だという当たり前でシビアな理由から。
    最後、多分登場人物の一部はそれを受け止められたのだろうと思う。
    そこには光を感じた。

  • 1億円を横領した女性の話で、
    シリアスな話なのに
    どこか夢の中のようなふわふわした空気で語られてるのが
    けっこう好きな感じ。
    この作者さんにしては少し他と雰囲気が違うでしょうか・・・。

    とはいえ薄氷の上を歩いてるように何もかもが危なげで、
    読んでてどきどきします。
    焦りのような恐怖のようなそれは後半に向かうにつれ、
    どんどん増大していき息苦しいほど。

    感覚は麻痺し、夢も現実も善悪の区別も
    ぼんやりとよくわからなくなっていく主人公。

    どこで道を間違えたのか、
    それともどの道を選んでも結局ここへ辿り着くようになっていたのか。
    犯罪を起こすきっかけなんて、
    驚くほど些細な事だったりほんの偶然だったり・・・。
    そこでするりとあっち側へ踏み込んでしまう人と、
    踏みとどまれる人との差はどこにあるのでしょうね。

    最初からなんとなく結果がわかっているような話で、
    馬鹿な女の転落話と言ってしまえばそれまでだけど、
    私は最後までどきどき読めて面白かったです。

  • 面白かったです。主人公と同世代なので、感情移入しました。現実には起こりえないけれど、誰でもこの主人公のようになるかもしれないと思わされました。映画版も是非見てみたいです^^*

  • 前半 同級生から見た過去の梨花と同級生のその時の状況の話が何故必要なんだろうと思っていたのだが 後半読んでるうちに これらは必要なんだと思えた。無ければ ただの思い込みの強いネガティブで自分の事しか要は考えてない女の言い訳の話..で終わってしまった気がする。梨花という人間に厚みを持たせる為には必要だったのだろう。誰にでも 魔が刺す瞬間はあるという部分はリアルに書かれていて怖くなる。が やはり 人としてぎりぎりのところで踏ん張れない梨花は好きになれない。こういう弱い人もいるのよというのはわかるが嫌いだ。

  • 物やお金でも満たされない答えのない欲。
    誰しもがはまってしまうかもしれない世界を描いていると思います。
    結末は、読者の解釈で正反対の答えになるかもしれません。

  • これは、本当におもしろかった!
    どんどんハマっちゃう感覚。
    信じられないような内容なのに、自分もそうなっちゃうかもしれない恐怖感。
    のめりこむってこわい。

  • 映画がめっちゃ好きで読んだんだけど、原作とはなり変えてたんだなぁ。あまり親しくもなかった昔の友人やすこし付き合っただけの元彼たちが梨花のニュースに囚われて影響されていくところが面白い。でも映画が好き。

  • 下手なホラー小説よりよっぽど怖かった。私には梨花の心情は理解できないが、怖いと感じるのは、自分にも何か些細なきっかけで起こり得る可能性があることだからなのだろうか。

  • 宮沢りえさん主演で映画化され、話題になった本。

    銀行で働く主婦が大金を横領するに至った経緯。
    夫と理解しあえない寂しさ、子を持てなかった寂しさ、恋人に嘘をつき続けなければならなかった寂しさ。。

    お金に翻弄される小説を立て続けに読んだせいかもう、、お金怖くなってきた。。

  • 指名手配犯の梨花と、かつての彼女を知る3人の人物。著者は彼らの生き様、家族、お金をリンクさせ、読者を淀んだ渦の中へ引きずり込む。怖いぐらいの筆力だった。
    逃亡生活をする梨花が、どこか満ち足りてみえるのが哀しい。著者が彼女の物語を単なる犯罪小説にしなかったところに、救いがあると思った。
    デパートで“マイケル・ジャクソン買い”する場面を読んだだけでも、ストレス解消になった気がする。自分はつくづく小心者…。

  • 今更今年1冊目。

    映画化はしてるけど、キャストをWikipediaで調べたりしないで読んだ。(池松壮亮はピッタリな気がした!)

    横領なんて、男に貢ぐなんて…と思ってたけど、読み進めば進むほど、これ私やらないって言い切れる?って不安になった。
    きっかけなんてあるようでないんだと思う。誰もが梨花になる可能性を潜ませていて、タガが外れたり何かの拍子に陥るのかもしれない。自分もそうなるかもしれないという恐怖。
    梨花以外の主人公も、それぞれ梨花のようにお金に囚われてる人たち。それぞれに共感できたり気付かされるところがある。
    金融機関に勤めている事、お金が確かにすぐそこにある事、今更ながら認識させられた本。

    忘備録でレビューを書いてみる。
    稚拙な文章だけど、読み終わった今の、言葉にならない感想徒然なるままに

    • きーちゃんさん
      レビュー拝見させてもらいました。私はまだ残りのページが1/3ほど残っているのですが、nina2016さんのレビューに共感してつい、コメントし...
      レビュー拝見させてもらいました。私はまだ残りのページが1/3ほど残っているのですが、nina2016さんのレビューに共感してつい、コメントしてしまいました(笑)

      私も読みながら誰しもがちょっとキッカケで梨花になり得るし、横領はないにしても消費者金融でダルマ式に借金とか(亜紀や和貴の嫁の様に)可能性を秘めてるんですよね。

      文中にも、それぞれのキャラクターが買い物をした後の至福感や何とも言えない気持ちよさを感じた。という様な一節もあって、それも私達は体験してるんですよね。だって買い物した後って(お金使った後)気持ちがスッキリー!だとか、やっぱり快感ですもんね。
      でも、お金は無限にある訳でもないし取り返しの付かない事にもいくらでもなるから、その教訓みたいな一冊ですよね。
      2016/01/23
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著者プロフィール

角田光代(かくた みつよ)
1967年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
1990年、「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞し、小説家としてデビュー。受賞歴として、1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞を皮切りに、2005年『対岸の彼女』で第132回直木三十五賞、2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、2011年『ツリーハウス』で第22回伊藤整文学賞、2012年『紙の月』で第25回柴田錬三郎賞、同年『かなたの子』で第40回泉鏡花文学賞、2014年『私のなかの彼女』で第2回河合隼雄物語賞をそれぞれ受賞している。
現在、小説現代長編新人賞、すばる文学賞、山本周五郎賞、川端康成文学賞、松本清張賞の選考委員を務める。
代表作に『キッドナップ・ツアー』、『対岸の彼女』、『八日目の蝉』、『紙の月』がある。メディア化作も数多い。西原理恵子の自宅で生まれた猫、「トト」との日記ブログ、「トトほほ日記」が人気。

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