紙の月 (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.63
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本棚登録 : 4197
レビュー : 586
  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758438452

感想・レビュー・書評

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  • まあまあー面白かったかな!?

    ってか梨花以外の3人の話しいるかな???

  • 自分にもこういう性があるのかもしれない。描写がリアルで、胃の腑をぐいぐいと握られるような不快感と不安感が湧き上げてきて読み進めるのが怖かった。
    こんな誘惑はきっと誰しも傍に転がっている。こうやって女は地獄へ落ちていくのか。くわばらくわばら

  • 私はなんだってできる。
    「万能感」…それが主人公、梨花を動かしたもの。

    年下の恋人は確かに横領の大きな要因だが、
    「日常に潤いを与えてくれた若い男に夢中になった」という安易な動機はない。
    日々無意識に叩き込まれていく、自分は平凡で小さな人間だ、という小さな絶望感。
    それこそ梨花を破滅的な道へ突き動かした背景だ。
    だからこそ、梨花の知人たちも梨花のゴシップを聞いてどこか羨望を覚えている。

    心理描写が巧みで共感を感じずにはいられない。

  • もくもくとあっという間に、読み終わった。
    なんというスピード感と、薄気味悪さ。

    そこは越えない、と
    当たり前に思う一線は
    こんなにするっと越えてしまって
    そのままずずずっと
    あり得ないことに、なり得るという怖さが…

    なんかもう本当にどこのホラー小説ですかというほどリアル。

    宮部みゆきの火車を思い出した。

    ちゃんと最後に踏みとどまれるか、
    するっと越えてしまうか

    その違いはどこにあったんだろう。


    最終の、
    今までして来た選択の全てが、自分を作って来たのだ
    っていうのが、説得力があり過ぎた。
    もしあの時ああしてなければ、こうしてなければ
    果たして本当にこんなことにはなってなかっただろうか?
    それでもわたしはここにいる気がする。

    それを強く意識して生きて行けば
    今日のあたしは明日のあたしに恥じない選択をするように決意して
    今日のあたしは昨日のあたしの選択を引き受ける覚悟をしていれば

    きっと、するっと越えてしまったり
    しない、はず。

  • 最後、かなりの急ピッチで話が進んで、はてこんな事が実際にあるのだろうか?と思ったが、きっとそう思えることはまだ地に足がついているんだと思う。
    お金の使い込みはよくわからないが、気持ちが自分で制御出来なくなる一方で、思考の片隅で冷静に自分を見ている自分がいることは、なんとなく理解できる。

  • 面白かった。
    主人公の年齢が自分に近い所為なのか?表紙が宮沢りえの本だったからか?頭の中がこの本の続きでいっぱいになっていた。

    女がみんなこんな生き物だとは思わないけど、ひょっとしたら自分の中にもそんな一部が潜んでいるのかもしれないと思った。

    スリリングな展開で、チキンな私は読み進めるのに勇気が必要だった。
    ハッピーエンドではないけれど、これでもかという落胆もない。
    こんな話の展開で、痛みがないわけないのに、優しい終わり方だった。

    久々、面白い本だった。映画も気になるな。

  • まったく主人公に共感はもてない。しかし、お金を持ちすぎると人は変わる。良い意味でも悪い意味でも…。本当に鳥肌がたつくらいコワイ。映画が楽しみ。宮沢りえの演技も楽しみ。久々に後味が重い作品でした。

  • 読んでる最中も、読み終わってからも怖いとしか思えない。ただ、共感は出来ないけど、主人公の気持ちの変化とか堕ちていく様子には引き込まれた。
    角田さんの文章は好きかな。

  • 2018.8

  • 横領の手口が幼稚でこれで1億円に気づかないのは銀行にも落ち度があるようで、一気に読む気を失った。完読を諦めお蔵入り

  • これはありそうで怖い。年齢設定も同じだし。

  • 2015年44冊目

    時代は80年終わりから90年半ばにかけて
    当時はまだ女性が専業主婦になるケースが多かった時代。
    家庭にはいって夫のために食事の準備をし、日々節約に努め、
    郊外に小さな家を買う生活。

    それがちょっとしたことでお金に対する感覚が変わってしまう。
    毎日におかずを買うにも節約していた主婦が百貨店で何万円もする
    洋服や香水を買ってしまう。
    たまの居酒屋での外食でも喜びを感じていたのに、高級なレストランでワインをあけてしまう。
    その時の高揚感のために自分を抑えられない女性たち。
    その結果入ってくるお金より使ってしまい、借金や犯罪にいってしまう。

    なんでそんな風になってしまうのか?
    その気持ちを見事に描いている小説でした。

    読んでいてあー怖い、あー辛いと思いながらもついつい引き込まれてしまいました。
    うちは大丈夫だろうか?

  • 映画の方がずっと面白かった。
    一方で、そのことよりも、偉大な原作だと、ずっと深く思った。

  • すごく丁寧な心理描写だったが、やっぱり、共感できないなぁ。

  • 最初はほのぼのした空気感がいいなと思い「これがなぜそんなことに?」と思いながら読んだ。途中狂いはじめてからは一気に読み進め、あれよあれよと読了。これからりかはどうなるのだろう。

  • この人の文章が苦手なのでしばらく避けていたのだけど、
    これなら大丈夫そうかと思い読んでみる事に。

    自分には縁遠い話なのに、序盤は妙にリアリティがあって、
    あぁこうやって人は犯罪に手を染めていくんだと感じさせるのは流石。
    ただ中盤からは、さすがにそこまでしないでしょーとなり、
    最後はクラスメイト達の話が、リアリティありすぎて辛かった。

    自分は、娯楽として、一種の現実逃避として本を読んでいるに、現実を突きつけられるようなドロドロ感があるから苦手なんだよなぁ、この人の本。

  • 【あらすじ】
    わかば銀行契約社員・梅澤梨花(41歳)が約1億円を横領した。梨花は発覚する前に、海外へ逃亡する。梨花は、果たして逃げ切れるのか? 自分にあまり興味を抱かない会社員の夫と安定した生活を送っていた、正義感の強い平凡な主婦。年下の大学生・光太と出会ったことから、金銭感覚と日常が少しずつ歪んでいき、「私には、ほしいものは、みな手に入る」と思いはじめる。夫とつましい生活をしながら、一方光太とはホテルのスイートに連泊し、高級寿司店で食事をし、高価な買い物をし……。そしてついには顧客のお金にてをつけてゆく。あまりにもスリリングで狂おしいまでに切実な、角田光代の傑作長編小説!! 各紙誌でも絶賛された第25回柴田錬三郎賞受賞作。NHKでTVドラマ化の他、映画も公開。

    【感想】

  • 少しずつ人生の歯車が狂っていき、やがては取り返しのつかないことになってしまう…お金で全てを手に入れようとした報いだろうと思った。恐ろしい世界だけど、怖いもの見たさもありあっという間に読み終わった。

  • 真面目な女性行員が横領した大金で歪んだ恋と自己肯定感を買う物語。

    若い男に溺れたバカな女の話、と一蹴できないのは身に覚えのある描写がときおり混ぜ込まれているからだ。
    「金で何かを変えられると思っている」人々に、自分もなってしまっていないか。

    試着した服を「買います」というときの高揚感、会計中に湧き上がる後悔、店を出るときには「この服の欠点は別の服で補おう」と次なる消費への衝動を抱える工程は、まるで自分の日常的な思考を覗かれているようだった。

    お金で得られる満足感が、人生で唯一の喜びとならないようにしたい。

  • お金は怖い。
    自分は絶対にこんなことしないって、みんな思ってるんだろうな。

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著者プロフィール

角田光代(かくた みつよ)
1967年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
1990年、「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞し、小説家としてデビュー。受賞歴として、1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞を皮切りに、2005年『対岸の彼女』で第132回直木三十五賞、2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、2011年『ツリーハウス』で第22回伊藤整文学賞、2012年『紙の月』で第25回柴田錬三郎賞、同年『かなたの子』で第40回泉鏡花文学賞、2014年『私のなかの彼女』で第2回河合隼雄物語賞をそれぞれ受賞している。
現在、小説現代長編新人賞、すばる文学賞、山本周五郎賞、川端康成文学賞、松本清張賞の選考委員を務める。
代表作に『キッドナップ・ツアー』、『対岸の彼女』、『八日目の蝉』、『紙の月』がある。メディア化作も数多い。西原理恵子の自宅で生まれた猫、「トト」との日記ブログ、「トトほほ日記」が人気。

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