謀殺のチェス・ゲーム (ハルキ文庫 や 2-26)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 83
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758438551

感想・レビュー・書評

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  • ただただ面白い。デビュー作の『神狩り』は本格的なSFで正直よく分からん感じだったのだが、これは傑作エンタメ小説。
    スピード感が半端なく、特に中盤のトレーラートラックvs.ヘリの男と男のぶつかり合いには痺れた。頭脳戦の部分と、肉弾戦(アクション)の部分。そしてそこにアクセントをもたらす二人の若者。ラストも個人的には好みで、もう文句なし。

    解説で西澤保彦さんが「世界で一番優れた小説家」と言っているのが印象的。

  • ゲーム理論によって戦略を考える新戦略専門家、新戦略専門家と敵対する自衛隊内部勢力、ヤクザに追われるカップル、国家機密の兵器を盗んだ犯人。複数の組織の思惑が交差しながら日本全土を舞台に繰り広げられる頭脳戦。70年代の小説だけど今でも通用する面白さ。

  • 解説にある、読んでるときは意識化されないけどあとでよくよく読んでみるとすごい癖のある文章をしている、というのはよくわかる。勢いが素晴らしい。冷静に考えると大したことはしていないんだけど(この時代の発想にしては切れているのかもしれないが)、文章が織り成す緊張感、期待感、カタルシス、それらは全て読んでいる瞬間がもっとも高いように構築されている。上質だが中身のない少年マンガのようでもある。ところどころに散りばめられたカッコいい単語やセリフだけでも引き付けられるのには十分だった。

  • 頭脳戦、肉弾戦、銃撃戦、追いかけ、追い詰め、
    ワナをかけ、出し抜き、はてさてどうなる、
    冷静さを必要としながら血沸くエンターテインメント。
    国鉄のストを利用するなど、時代を感じる場面もあるが
    札幌から鹿児島まで新幹線がつながっている舞台は
    架空の近未来(過去?)なので、今でも十分通用する。
    肉体派も知能派もプレイヤーは、ゲームを十分楽しみ
    すがすがしいのに脇がどす黒く、最後の最後まで
    楽しめる要素。プロローグの若者二人は序盤・中盤と
    影が薄く、どうしたもんかと思っていたが、
    物語の荒波とド派手な最大のアクションシーンに
    うまいこと巻き込まれ(呼び寄せ)て一服の清涼剤。

  • まさに頭脳戦といえる本。
    相手の策にどんな手を打つのか、
    それが気になりページを
    めくる手が止まらなくなる。

  • 帯の「ゲーム理論」に心を惹かれ読む。

    舞台は近未来の設定?学者たちの頭脳戦、企業の陰謀、ヤクザ。これらが複雑に絡み合って最高の展開を迎える。

    ゲーム理論について授業で習ったような内容は出なかったが、分かりやすくおもしろい。
    敵、味方どちらの戦士も魅力的すぎる。
    他の作品もぜひ読みたいな。

  • 国産最新鋭の自衛隊機を巡り、自衛隊内、企業、周辺国が、それぞれの思いを巡らせ騙し合う。中心にはゲーム理論の天才達がシナリオを、次の一手を読み合う。なかなか面白く読めました。他の作品も読んでみたいな。2014/12読了。

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著者プロフィール

1950年生まれ。74年『神狩り』でデビュー。『地球・精神分析記録』『宝石泥棒』などで星雲賞、『最後の敵』で日本SF大賞、『ミステリ・オペラ』で本格ミステリ大賞、日本推理作家協会賞を受賞。SF、本格ミステリ、時代小説など、多ジャンルで活躍。

「2023年 『山田正紀・超絶ミステリコレクション#7 神曲法廷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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