- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758438605
感想・レビュー・書評
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そうか・・・。この「生と死の間の街」には、他人から愛されてる人しかいけないのかも・・・。
・・・と、いうくらい、今回の迷い込んだ人たちは愛されていた。けれど、愛されるっていうのもその人の生きざまなんやから、それだけ誰かを愛してはるんやろうけどね。
いつのまにか、迷い込んだ人たち視点の話が多くて、客観的に秀晴やノエさんを見るのも面白い。
ほんで、相変わらず秀晴の食に対する情熱はすごいなーと思った。@「昨日も今日も明日も幸せ」
将来、猫と本に囲まれて暮らしたい・・・、と、本気で思った。
早ければ10年後には私はもう独り身ですよね。1Kぐらいのアパートに猫と本棚と住めたら、いいなあ・・・。
いやいや、1Kで本棚とか、無理ですやんね。笑
どの短編も面白くて・・・。
私はブラック企業に勤めたことはないけれど、最初の会社は体制が古すぎて辛いところは多々あった。
「私は使えない人」
っていうふうに刷り込まれたところはあるので(刷り込むつもりはなかったと思うので、単に私の気持ちが弱かったのだと思うけど)、途中で投げ出すこと、無理だということは落伍であり、人間として価値がないものだ、ちゅうような考えは根底にある・・・。
ふとしたときにその考えにさらわれそうにもあるので、意識して
「あくまで、主観で判断していい」
と、言い聞かせるようにしている。他人がどうという評価で自分を作るわけではないのだ、と。
客観的な意見はもちろん大事やけど、それが100パーセントでもあかんという、やつです。
あっ、この短編の主人公、俊太郎さんですやん(今気づいた)。
苗字は山田さんやけど、ええ感じに優しいお兄ちゃんやなあ。(*´▽`*)
フルーツとミントのサラダは、他の話に比べてちょっとつかみどころがなかったのだけど、最後にドーンと。
そうです。私も、
「誰かに幸せにしてもらおう」
と、いう考えは捨てました! いや、捨てている最中か(笑)。
自分で自分を幸せにするのだと考えるのは確かに引け目があるね。寂しいというか、そういうことじゃないやろ・・・、って思う?
でも、欲しいものは自分で手に入れるのだとか、自分のためにおいしいものを作るのだとか、自分が自分のために労力を使うことの、何が悪い!
うるおいもあるわ! ・・・ちゅう具合?
私は仲間意識も強いし、「みんなは一人のために、一人はみんなのために」みたいなところもあるので、つい、何かを共有しようと思ってしまう。
その方が幸せも二倍だよね~、なんて、甘ったれたことを考えてもいるんやけど、だからって一人で一人の幸せを追求したら幸せが二分の一なのかっちゅうたら、そういうことではないねん。
そりゃあ共有できたら幸せやろうけど、できなくても幸せだよ。
そんな気概で、四十代は過ごしたい。
■■■■
■カタラーナ
スペインのカタルーニャ地方のスイーツで、クレームブリュレの原型ともいわれています。
カタラーナは卵や牛乳、生クリーム、砂糖、小麦粉などを使って作られ、冷蔵庫または冷凍庫で冷やし、食べる直前に表面に砂糖をふってバーナーなどで炙っていただきます。
口の中で焦がしカラメルのほろ苦さとクリームの甘さのマリアージュを堪能できる絶品スイーツです。
(2017.05.28) -
今回は最初から生き返りたいと思う人達の話し。
死んだと思ってないというか、生きてる頃に戻りたいと思ってるからすんなり生き返るんだけど、それまでの行程が様々で面白かった。
次はどんな話しかなぁ。
2017.9.15 読了 -
2017年11冊目。
食堂つばめは、生と死の間の街を訪れた人に生き返ってもらうため、想い出の食を提供する。
今回登場する料理も、
ミルク、
旅館の朝食のような和定食(湯気のたつ白飯、味噌汁、アジの開き、だし巻き玉子、納豆、海苔、青菜のおひたし)、
フンギ・ビアンコ(チーズときのこのピザ)、
鯖の味噌煮、鰯の梅干煮、サンマの塩焼きなどの青魚料理、柚子胡椒風味のさつまいもとごぼうの豚汁、
フルーツとミントのサラダ
とバラエティー豊か。
おなかが満たされると、大体の人はもとの世界に戻ってゆく。
ノエの優しさが身にしみる。
一番印象深かったのは、マンゴー、いちご、ブルーベリー、グレープフルーツ、キウイなど一口大に切った果物とミントの葉を一緒に食べるフルーツサラダ。
柑橘類(せとか)といちご(あまおう)でまねしてみました。
確かに、ミントの苦味を感じず、さっぱりと食べられました。
今後もいろいろな果物で試してみたい。 -
ある意味、初心に戻った感じの、落ち着いて読める1冊。
それにしても、一口に『死』…いや、『臨死』と言ってもいろいろな形がある。
ノエさんたちのいる世界も、レギュラーキャラも、シリーズものの読者からしたら、おなじみで落ち着く世界ではあるが、やはり、各章の主人公たちが生き返って(?)、家族や親しい人たちが「よかった!よかった!」と喜び涙する瞬間が一番だ。
その後も気になるから、少し描かれていると嬉しい。
毎回、ノエさんの作る料理は凄く美味しそうなのだが、それを食べた多くの人たちが“明方の夢”程度にしか覚えていないのはほんのり悲しい。