蓮花の契り 出世花 (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 841
レビュー : 115
  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439107

作品紹介・あらすじ

下落合で弔いを専門とする墓寺、青泉寺。お縁は「三味聖」としてその湯潅場に立ち、死者の無念や心残りを取り除くように、優しい手で亡骸を洗い清める。そんな三昧聖の湯灌を望む者は多く、夢中で働くうちに、お縁は二十二歳になっていた。だが、文化三年から翌年にかけて、江戸の街は大きな不幸に見舞われ、それに伴い、お縁にまつわるひとびと、そしてお縁自身の運命の歯車が狂い始める。実母お香との真の和解はあるのか、そして正念との関係に新たな展開はあるのか。お縁にとっての真の幸せとは何か。生きることの意味を問う物語、堂々の完結。

感想・レビュー・書評

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  • 正縁と正念が還俗を望まず、仏に仕える道をこれからも共に進むという選択が清々しく素晴らしいと思うと同時に、もったいないとも感じてしまった私はこの先もこの二人のような崇高な魂を持ちえないんだろうなあと思った。

  • う~む。。。
    まあ、いい話かもしれないけど、正直、お縁や正念の選択にあまり共感できず、次元の違う人たちの話になっていて、ラストも”ふ~ん、よかったね・・・終了。” という感じであまり感動を実感できない。
    かといって、俗世を選択した話になっていても、それはそれで、”え~、今まではなんだったんだろう、、、”という感じもして、すっきりしないかもしれない。
    結局、そもそもの設定が次元が違いすぎて、感情移入できず、話が広がらないのかもしれないな。。。まあ、いい話なのだけどね。

  • みをつくし料理帖シリーズが有名な高田郁さん。
    「出世花」の続編で、こちらはこれで完結。

    お墓だけの寺・青泉寺に行き着いた娘・艶は、「縁」という名を授かります。
    尼ではなく「三昧(さんまい)聖(ひじり)」の正縁として湯灌場に立ち、心をこめて清める日々を送っていました。
    前作から数年後。

    和菓子屋の桜花堂の若い主・仙太郎が、縁を預かりたいと申し出ます。
    縁の実母・お香のいる桜花堂でしばらく暮らして欲しいと。
    住職らは、町での暮らしも経験してみるように勧めます。
    母の本心は、やや無理があると知りつつも、このまま跡を継いで欲しいというもの‥

    町娘として生きるのか、三昧聖を続けるのか、それとも尼になるのか?
    一方、兄弟子にも突然故郷からの連絡が入り‥
    そんなとき、永代橋で大事故が起こり、縁もこれに巻き込まれて、思わぬ余波が‥!?

    この清らかさは高田郁さんならでは。
    複雑に絡み合った事情を抱えて、生きる道を模索する正縁。
    真面目で善良なのにもほどがあるってぐらい、ちょっとストイック過ぎるほどですが‥
    信じる道を、信頼できる人とともに歩む。
    天災に遭遇した人々とその遺族への思いがこれほどになるのは‥
    お気持ちが胸にしみます。

  • 下落合にある墓寺・青泉寺で、亡くなった父が弔われる姿に感銘をうけたお艶は
    「縁」という新しい名前を授かり、「三昧(さんまい)聖(ひじり)」として湯灌場に立っていた。
    ある日、桜花堂の仙太郎から、暫くのあいだ縁を預かりたいとの申し出があった。
    実母お香の居る桜花堂で暮らし、町娘として生きるのか、三昧聖としての人生を全うするのか、
    岐路を迎えて縁は悩む。おりしも文化四年、八月。永代橋で大事故が起こり、縁もこれに巻き込まれる。
    果たして、縁はどんな人生を選ぶのか。複雑に絡まりあった母と子の運命は!?感動の物語が堂々の完結!!

  • 武家の生まれでありながら、不義を働いた母親を討つために放浪した父親に従い、行倒れになりかけて寺に拾われ、三昧聖と呼ばれる湯灌(死者の体を清める仕事)に携わるようになった少女、縁の物語、二作目だ。
    子供からすっかり大人の女性となった縁が、自身の生き方について戸惑い悩む姿が描かれている。
    この人の描く女性は本当に芯が強くて清廉だなと思う。

  • デビュー作『出世花』の続編にして完結編。前作より3年後の文化3年(1806年)から物語は始まり、文化の大火や永代橋崩落事故など歴史上の事件を絡めながら主人公であるお縁の「三昧聖」としての成長を描いていく。全4編。桜花堂が毒殺騒ぎに巻き込まれる「青葉風」がミステリー風で自分好み。新藤とのコンビでもう一シリーズ書けそうな気もするが(笑)。お縁と正念との関係の結末についてはなんだかモヤッとしたものが残るけれど、自分が決めた道を迷わず進むことが本当の幸せということか。ラストのお師匠さまの言葉が心憎い。

  • 出世花の続編です。出世花、あれはあれで完結ともいえますし、続編をとも思える話。
    大好評だって みをつくし、が終わり 惚けていた読者に 喜びを運んでくれた一冊です(⌒▽⌒)
    7年の月日、とありましたが、そんなに経っていたとは思えない内容です。
    相変わらずの高田節には 心がじ〜ん、ときます。
    是非、出世花を改めて読んでからこちらを読んでくださいませ(≧∇≦) あ〜、も一回読み返そ。

  • 前作「出世花」の続編乍ら完結編とは残念。前作に続き墓寺の住職正真、副住職となった正念、毛坊主の市次、仁平、三太、らに囲まれ三昧聖として生きる正縁は、本作ではその誠実で心の籠もった仕事振りから人々の評判になり、定廻り同心の新藤からは高い検死能力を重宝がられる迄に成長。彼女の欲も無く軸のぶれない生き様や、互いを思い遣り倹しい江戸の市井の人々の暮らしが人情味豊かに描かれる世界に、束の間心洗われる。

  • 高田都さん作品はどれも読んでて情景が浮かびやすく、主人公の描写をしていても周りの登場人物も一緒に動いていて毎回不思議な感覚です。
    少しの空き時間も本を開くとスッと入り込みやすく、読んでる期間は日常を忘れ、私は江戸時代で生きています。笑

  • 180717*読了
    高田郁さんの小説に出てくる女性主人公は、どの女性も真っ直ぐで、しっかりと自分の意志を持って生きていて、読んでいて励まされます。どんなに辛いことがあっても、前を向いてひたむきに自分のすべきことを行う、その姿勢に胸を打たれます。
    周りから屍洗いと揶揄されても、三昧聖として誇りを持って、亡くなった人と向き合い、送り出す。お縁のような強さを持っている人が現代にどれだけいるだろうか、と思います。
    泥の中に咲く蓮花。決して汚されることのない志。俗世の幸せとされる、結婚や子を持つことではなく、三昧聖として生きることを望むお縁がただただ眩しい。

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