BAR追分 (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.60
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本棚登録 : 611
レビュー : 124
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439176

感想・レビュー・書評

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  • 伊吹有喜さん、はじめましてです。
    ずっと読みたかった作家さんでした。

    商店街、路地裏、猫ちゃん、銭湯、カフェ、
    癒しのアイテムそろい踏みです。
    舞台は新宿三丁目、伊勢丹近く「ねこみち横丁」
    昼はカフェ、夜はバーになる「バール追分」
    主人公・宇藤がホームページ制作を請け負ったことから、
    振興会のHPと横丁の管理人をすることになり───。

    その管理人の条件が、なんともオイシイのです。
    事務所に住み込み、加盟店の優待特典付き。
    おまけに「バール追分」のまかないまで付いてきて。

    この「バール追分」のカフェメニューがとても気になる。
    豚の生姜焼きがおいしそう!
    そしてカレーライスのトッピングが~!
    カツか、エビフライか、コロッケか、ハンバーグか?
    それとも目玉焼きもつけちゃう?悩みます(笑)。

    特に心にしみたのは#父の手土産。
    長年、ここのサンドウイッチをおみやげにするのが楽しみだった父親が、
    もうすぐ嫁ぐ娘を初めて店に連れて来た──。
    ハンバーグサンド、エッグサンド…
    男手一つで娘を育てた父親の願いがそこにありました。

    続編が楽しみです。
    猫好きからすると、デビィちゃんがもっと登場してくれると嬉しいんですけどね。

  • 「追分。道が右と左に分かれる場。きっと今が人生の分岐点。どちらに行こうと、追われるのではなく、自分の意思で選びたい。」

    BAR追分 昼間はバールで、夜はバー。
    迷った事がある時は、新宿ねこみち横丁、BAR追分へー。美味しい料理と気のいい人たち、可愛い猫ちゃんから元気を貰おう!優しい気持ちになれる本、頑張ろうと思える本、そしてカレーライスが食べたくなる本。

    「プロローグ」海外転勤を受けるか、断るか。家族との繋がり。
    「スープの時間」ねこみち横丁、呑むか呑まれるか。どうする宇藤ちゃん。
    「父の手土産」娘の結婚。その時父は、娘は…。
    「幸せのカレーライス」カレーライスのトッピングに込められた男たちの思い。
    「ボンボンショコラの唄」1番好きな話。何かを得たら、何かを失う。そうだとわかっていても人は何かを求めるのだろうか。梵ちゃんのように…。凄いな。

  • 昼間はバールで夜はバーをやっているお店の話。バールと言っても喫茶店の様な感じ。全話通しての主人公はいるのですが、毎話ゲスト主人公が出てくる。
    グルメ小説は好きなのですが、食の方に偏ってしまって物語がイマイチかな〜と思ってしまう小説もある中、食も物語もとても良かったです!
    夏バテで食欲が落ちている時などに食欲増進小説になると思います♪逆に食欲が抑えられなくなる危険があるので夜中に読む時などは注意しないと…

  • 新宿の路地「ねこみち横丁」の奥にある「BAR追分」。
    昼はバールで夜はバー。
    今宵も黒猫デビイが店までお客達を案内してくれる。

    店に集まる人達の温かいエピソードに心がほっこりした。
    モモちゃん特製のコンソメスープや、大人のポテトサラダ、豚の生姜焼き等、読んでいるだけでお腹が減った。

    「追分」とは道が二手に分かれる場所、分岐点のことをいう。
    店に立ち寄ったお客達はここで一休みして、渇いた喉とお腹と心を充分満たしてから、自分の意思で行くべき片方の道を選んでいく。
    モモちゃん特製の牛スジカレー温玉のせが是非食べたい。

  • 最近、喫茶店を舞台にした人情話をよく見かけます。これもその一つ。
    新宿のねこみち横丁と呼ばれる路地のどん詰まりにあるBAR追分。夜はベテランバーテンダーが居るちょっと懐かしい感じのバー。昼間は若い女性が一人でバール(軽食喫茶店)として営業する店。そんな店で繰り広げられる人情話です。
    極端なキャラも多く出てきます。でもキャラで話を組み立てるような進め方では無く、それは一つの背景としてあっさりと描かれます。
    柔らかな軽さ、それは伊吹さんの持ち味なのかもしれません。

  • 宇藤くんが羨ましい!(>_<)給料五万円とはいえ、「バール追分」の美味しいまかないに「バー追分」の酒、「地下の湯」の温泉に、「ねこみち横丁」の暖かい人々(*´∀`)♪あぁ代われるものなら代わって、ねこみち横丁の管理人になりたい!(^o^;)

  • 読み始め…16.4.15
    読み終わり…16.4.17

    新宿三丁目の交差点付近、古くは新宿追分と呼ばれた街の細い道に入って曲がった先。ねこみち横丁という路地の奥にその店はある。「BAR追分」。BARとはバーともバール(バル)とも読み、夜はバーテンダーのいるバーが昼はアルバイトのモモちゃんこと佐々木桃子がまかないを兼ねてランチを出すバール(バル)になる。近隣の常連さんたちからはヤドカリカフェとか、やどかり食堂とも呼ばれているらしい...。

    そんな「BAR追分」に人生に迷った人が一人、また一人と四つの連作に綴られながら訪れます。しんみりと和めるお話のなかに温かなスープやカレーライスが登場すれば、読むだけで心も身体も気持ちがいいほどほぐれます。

    なかでもボンボンショコラの唄の梵さんは....
    もしかして梵さんてそっちなの?!と思ったのですけどそうじゃなかった。なぁ~んだ。。
    うふっ..と思わず頬が緩みかけたかと思いきや、、あらま。そっちはこっちか!?
    笑っちゃいました。笑えるお話ではないのにね。当たらずとも遠からずだったのがおかしくて。(笑)

    「追分」とは道が二つに分かれる場所をさす言葉で、日本橋から来る大通りが新宿三丁目付近で甲州街道と青梅街道の二手に分かれている分岐地点を新宿追分といって、今でも地名が残っているそうです。

    いちばん気になる存在なのはウドウ君。どうなるのかなぁ...。

  • 美味しくて優しい人との繋がりは心を温かくする。
    手に入れなくていいとは思っていないけど、動き出す方が怖い。
    だけど自分はじゃあ今を何を持っているんだという不安がある。
    それでも何か持っていると信じてそれを失うのは怖い。
    誰かと一緒に年を重ねられる関係性は理想。
    美味しいものを食べたくなる。

  • 心の休息にぴったりな本だった。
    BAR追分の昼、夜に集まる人々。
    ねこみち横丁の住人たち。
    普通の日々を過ごす人の何気ない会話に心が癒される。桃子ちゃんの作るご飯と、田辺さんが作るカクテルを味わってみたい。
    2018.7

  • *かつて新宿追分と呼ばれた街の「ねこみち横丁」の奥に、その店はある。BAR追分。昼は「バール追分」でコーヒーやカレーなどの定食を、夜は「バー追分」で本格的なカクテルや、ハンバーグサンドなど魅惑的なおつまみを供する。人生の分岐点で、人々が立ち止まる場所。昼は笑顔かかわいらしい女店主が、夜は白髪のバーテンダーがもてなす新店、二つの名前と顔でいよいよオープン! *

    優しい空気感が漂う作品です。それぞれ少し訳アリな人々が、触れ合いながらゆるゆると前に進んでいく、と言った感じでしょうか。「ボンボンショコラの唄」は少しだけひねってあるのが楽しい。タッチも軽く、さらっと読める短編集です。

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著者プロフィール

伊吹有喜(いぶき・ゆき)
1969年三重県生まれ。三重県立四日市高等学校、中央大学法学部法律学科卒業。四日市市観光大使。1991年に出版社に入社。雑誌主催のイベント関連業務、着物雑誌編集部、ファッション誌編集部を経て、フリーライターになる。2008年に永島順子(ながしま・じゅんこ)名義で応募した『風待ちのひと』(応募時のタイトルは「夏の終わりのトラヴィアータ」)で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞。2009年に筆名とタイトルを改め同作で小説家デビュー。2014年『ミッドナイト・バス』で第27回山本周五郎賞候補、第151回直木賞候補。2017年『彼方の友へ』(実業之日本社)本作で第158回直木賞候補。

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