BAR追分 (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.59
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本棚登録 : 600
レビュー : 123
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439176

感想・レビュー・書評

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  • 伊吹有喜さん、はじめましてです。
    ずっと読みたかった作家さんでした。

    商店街、路地裏、猫ちゃん、銭湯、カフェ、
    癒しのアイテムそろい踏みです。
    舞台は新宿三丁目、伊勢丹近く「ねこみち横丁」
    昼はカフェ、夜はバーになる「バール追分」
    主人公・宇藤がホームページ制作を請け負ったことから、
    振興会のHPと横丁の管理人をすることになり───。

    その管理人の条件が、なんともオイシイのです。
    事務所に住み込み、加盟店の優待特典付き。
    おまけに「バール追分」のまかないまで付いてきて。

    この「バール追分」のカフェメニューがとても気になる。
    豚の生姜焼きがおいしそう!
    そしてカレーライスのトッピングが~!
    カツか、エビフライか、コロッケか、ハンバーグか?
    それとも目玉焼きもつけちゃう?悩みます(笑)。

    特に心にしみたのは#父の手土産。
    長年、ここのサンドウイッチをおみやげにするのが楽しみだった父親が、
    もうすぐ嫁ぐ娘を初めて店に連れて来た──。
    ハンバーグサンド、エッグサンド…
    男手一つで娘を育てた父親の願いがそこにありました。

    続編が楽しみです。
    猫好きからすると、デビィちゃんがもっと登場してくれると嬉しいんですけどね。

  • 「追分。道が右と左に分かれる場。きっと今が人生の分岐点。どちらに行こうと、追われるのではなく、自分の意思で選びたい。」

    BAR追分 昼間はバールで、夜はバー。
    迷った事がある時は、新宿ねこみち横丁、BAR追分へー。美味しい料理と気のいい人たち、可愛い猫ちゃんから元気を貰おう!優しい気持ちになれる本、頑張ろうと思える本、そしてカレーライスが食べたくなる本。

    「プロローグ」海外転勤を受けるか、断るか。家族との繋がり。
    「スープの時間」ねこみち横丁、呑むか呑まれるか。どうする宇藤ちゃん。
    「父の手土産」娘の結婚。その時父は、娘は…。
    「幸せのカレーライス」カレーライスのトッピングに込められた男たちの思い。
    「ボンボンショコラの唄」1番好きな話。何かを得たら、何かを失う。そうだとわかっていても人は何かを求めるのだろうか。梵ちゃんのように…。凄いな。

  • 昼間はバールで夜はバーをやっているお店の話。バールと言っても喫茶店の様な感じ。全話通しての主人公はいるのですが、毎話ゲスト主人公が出てくる。
    グルメ小説は好きなのですが、食の方に偏ってしまって物語がイマイチかな〜と思ってしまう小説もある中、食も物語もとても良かったです!
    夏バテで食欲が落ちている時などに食欲増進小説になると思います♪逆に食欲が抑えられなくなる危険があるので夜中に読む時などは注意しないと…

  • 新宿の路地「ねこみち横丁」の奥にある「BAR追分」。
    昼はバールで夜はバー。
    今宵も黒猫デビイが店までお客達を案内してくれる。

    店に集まる人達の温かいエピソードに心がほっこりした。
    モモちゃん特製のコンソメスープや、大人のポテトサラダ、豚の生姜焼き等、読んでいるだけでお腹が減った。

    「追分」とは道が二手に分かれる場所、分岐点のことをいう。
    店に立ち寄ったお客達はここで一休みして、渇いた喉とお腹と心を充分満たしてから、自分の意思で行くべき片方の道を選んでいく。
    モモちゃん特製の牛スジカレー温玉のせが是非食べたい。

  • 宇藤くんが羨ましい!(>_<)給料五万円とはいえ、「バール追分」の美味しいまかないに「バー追分」の酒、「地下の湯」の温泉に、「ねこみち横丁」の暖かい人々(*´∀`)♪あぁ代われるものなら代わって、ねこみち横丁の管理人になりたい!(^o^;)

  • 読み始め…16.4.15
    読み終わり…16.4.17

    新宿三丁目の交差点付近、古くは新宿追分と呼ばれた街の細い道に入って曲がった先。ねこみち横丁という路地の奥にその店はある。「BAR追分」。BARとはバーともバール(バル)とも読み、夜はバーテンダーのいるバーが昼はアルバイトのモモちゃんこと佐々木桃子がまかないを兼ねてランチを出すバール(バル)になる。近隣の常連さんたちからはヤドカリカフェとか、やどかり食堂とも呼ばれているらしい...。

    そんな「BAR追分」に人生に迷った人が一人、また一人と四つの連作に綴られながら訪れます。しんみりと和めるお話のなかに温かなスープやカレーライスが登場すれば、読むだけで心も身体も気持ちがいいほどほぐれます。

    なかでもボンボンショコラの唄の梵さんは....
    もしかして梵さんてそっちなの?!と思ったのですけどそうじゃなかった。なぁ~んだ。。
    うふっ..と思わず頬が緩みかけたかと思いきや、、あらま。そっちはこっちか!?
    笑っちゃいました。笑えるお話ではないのにね。当たらずとも遠からずだったのがおかしくて。(笑)

    「追分」とは道が二つに分かれる場所をさす言葉で、日本橋から来る大通りが新宿三丁目付近で甲州街道と青梅街道の二手に分かれている分岐地点を新宿追分といって、今でも地名が残っているそうです。

    いちばん気になる存在なのはウドウ君。どうなるのかなぁ...。

  • *かつて新宿追分と呼ばれた街の「ねこみち横丁」の奥に、その店はある。BAR追分。昼は「バール追分」でコーヒーやカレーなどの定食を、夜は「バー追分」で本格的なカクテルや、ハンバーグサンドなど魅惑的なおつまみを供する。人生の分岐点で、人々が立ち止まる場所。昼は笑顔かかわいらしい女店主が、夜は白髪のバーテンダーがもてなす新店、二つの名前と顔でいよいよオープン! *

    優しい空気感が漂う作品です。それぞれ少し訳アリな人々が、触れ合いながらゆるゆると前に進んでいく、と言った感じでしょうか。「ボンボンショコラの唄」は少しだけひねってあるのが楽しい。タッチも軽く、さらっと読める短編集です。

  • ねこみち横丁」の奥まったところにある、夜は「バー追分」、昼は「バール追分」となる店を訪れる人々を描いた物語。横丁の人々が皆、個性的で魅力的。とても人情味に溢れた横丁。そんな横丁にあり、そんな人々が通う「BAR追分」は、きっと心地よい空間なのだろう。登場する料理もどれも美味しそうで、読んでいるだけでも食欲が刺激される。地下にある温泉も行ってみたい。人々の交流が温かく、読んでいて心地よい作品。

  • ひとつひとつの話しが短く、読みやすかった。

    ねこみち横丁の管理人として雇われた、宇藤目線で書かれている事が多く、まだバールの桃子がそこにいる理由や振興会の会長の遠藤や煎餅屋の仙石の話しは語られていない。続編で語られるのか、それとも謎のままなのか。

    食べ物の表現がとても美味しそうだし、出てくる人も良い人ばっかりで、一気に好きな作品になった。続編もすぐ読もう!


    2017.4.26…13

  • 初めて読む作家さんでしたが、文章の雰囲気がとても好み。

    新宿三丁目、昔は新宿追分と呼ばれていたあたりの、「ねこみち横丁」と呼ばれる路地のつきあたりにあるお店のお話。
    名前は「BAR追分」
    昼は「バール」と読む食堂で、夜は「バー」と読んで飲み屋さん。
    「追分」は分かれ道。
    大きかったりささやかだったり(でも、本人にとっては大問題)の人生の岐路に立った人たちの来し方行く末を見つめるお店。
    シリーズ化しているので、この一作目は導入部として、「ねこみち横丁振興会」の管理人さんが決まるお話など、設定が描かれます。
    ご飯が美味しそう。


    『プロローグ』
    単身赴任から単身赴任へ…
    サラリーマンの相沢さん。
    どうしてプロローグなんだろう?
    何か特別な伏線なのだろうか??

    第1話 『スープの時間』
    脚本家を目指す、宇藤青年。
    夢を求め続けるべきか、田舎に帰るか…

    第2話 『父の手土産』
    佐原さんと、その娘で、もうすぐ結婚する真奈さんのお話。
    父のささやかな心づくしの積み重ね。

    第3話 『幸せのカレーライス』
    アイドルを応援する江口くんは、しっかり者の妹にも心配されている。
    カレーのトッピング、何がいい?

    第4話 『ボンボンショコラの唄』
    フィギュア作家の梵さんと、クラブのママ。
    「ボボボボン バエ~」
    私もなんとなく気付いていましたよ。でも、梵さんの「気付いた理由」がとても良い。

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プロフィール

伊吹有喜(いぶき・ゆき)
1969年三重県生まれ。三重県立四日市高等学校、中央大学法学部法律学科卒業。四日市市観光大使。1991年に出版社に入社。雑誌主催のイベント関連業務、着物雑誌編集部、ファッション誌編集部を経て、フリーライターになる。2008年に永島順子(ながしま・じゅんこ)名義で応募した『風待ちのひと』(応募時のタイトルは「夏の終わりのトラヴィアータ」)で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞。2009年に筆名とタイトルを改め同作で小説家デビュー。2014年『ミッドナイト・バス』で第27回山本周五郎賞候補、第151回直木賞候補。2017年『彼方の友へ』(実業之日本社)本作で第158回直木賞候補。

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