BAR追分 (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 737
レビュー : 141
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439176

感想・レビュー・書評

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  • 心の休息にぴったりな本だった。
    BAR追分の昼、夜に集まる人々。
    ねこみち横丁の住人たち。
    普通の日々を過ごす人の何気ない会話に心が癒される。桃子ちゃんの作るご飯と、田辺さんが作るカクテルを味わってみたい。
    2018.7

  • *かつて新宿追分と呼ばれた街の「ねこみち横丁」の奥に、その店はある。BAR追分。昼は「バール追分」でコーヒーやカレーなどの定食を、夜は「バー追分」で本格的なカクテルや、ハンバーグサンドなど魅惑的なおつまみを供する。人生の分岐点で、人々が立ち止まる場所。昼は笑顔かかわいらしい女店主が、夜は白髪のバーテンダーがもてなす新店、二つの名前と顔でいよいよオープン! *

    優しい空気感が漂う作品です。それぞれ少し訳アリな人々が、触れ合いながらゆるゆると前に進んでいく、と言った感じでしょうか。「ボンボンショコラの唄」は少しだけひねってあるのが楽しい。タッチも軽く、さらっと読める短編集です。

  • ねこみち横丁」の奥まったところにある、夜は「バー追分」、昼は「バール追分」となる店を訪れる人々を描いた物語。横丁の人々が皆、個性的で魅力的。とても人情味に溢れた横丁。そんな横丁にあり、そんな人々が通う「BAR追分」は、きっと心地よい空間なのだろう。登場する料理もどれも美味しそうで、読んでいるだけでも食欲が刺激される。地下にある温泉も行ってみたい。人々の交流が温かく、読んでいて心地よい作品。

  • ひとつひとつの話しが短く、読みやすかった。

    ねこみち横丁の管理人として雇われた、宇藤目線で書かれている事が多く、まだバールの桃子がそこにいる理由や振興会の会長の遠藤や煎餅屋の仙石の話しは語られていない。続編で語られるのか、それとも謎のままなのか。

    食べ物の表現がとても美味しそうだし、出てくる人も良い人ばっかりで、一気に好きな作品になった。続編もすぐ読もう!


    2017.4.26…13

  • 初めて読む作家さんでしたが、文章の雰囲気がとても好み。

    新宿三丁目、昔は新宿追分と呼ばれていたあたりの、「ねこみち横丁」と呼ばれる路地のつきあたりにあるお店のお話。
    名前は「BAR追分」
    昼は「バール」と読む食堂で、夜は「バー」と読んで飲み屋さん。
    「追分」は分かれ道。
    大きかったりささやかだったり(でも、本人にとっては大問題)の人生の岐路に立った人たちの来し方行く末を見つめるお店。
    シリーズ化しているので、この一作目は導入部として、「ねこみち横丁振興会」の管理人さんが決まるお話など、設定が描かれます。
    ご飯が美味しそう。


    『プロローグ』
    単身赴任から単身赴任へ…
    サラリーマンの相沢さん。
    どうしてプロローグなんだろう?
    何か特別な伏線なのだろうか??

    第1話 『スープの時間』
    脚本家を目指す、宇藤青年。
    夢を求め続けるべきか、田舎に帰るか…

    第2話 『父の手土産』
    佐原さんと、その娘で、もうすぐ結婚する真奈さんのお話。
    父のささやかな心づくしの積み重ね。

    第3話 『幸せのカレーライス』
    アイドルを応援する江口くんは、しっかり者の妹にも心配されている。
    カレーのトッピング、何がいい?

    第4話 『ボンボンショコラの唄』
    フィギュア作家の梵さんと、クラブのママ。
    「ボボボボン バエ~」
    私もなんとなく気付いていましたよ。でも、梵さんの「気付いた理由」がとても良い。

  • 読みやすかったので一気読み。お腹が空く一冊ではある。
    あらすじ(背表紙より)
    新宿三丁目交差点近く―かつて新宿追分と呼ばれた街の「ねこみち横丁」の奥に、その店はある。そこは、道が左右に分かれる、まさに追分だ。BAR追分。昼は「バール追分」でコーヒーやカレーなどの定食を、夜は「バー追分」で本格的なカクテルや、ハンバーグサンドなど魅惑的なおつまみを供する。人生の分岐点で、人々が立ち止まる場所。昼は笑顔かかわいらしい女店主が、夜は白髪のバーテンダーがもてなす新店、二つの名前と顔でいよいよオープン!

  • 新宿の裏路地にあるねこみち横丁。その横丁の行き止まりにある店「BAR追分」昼は絶品の料理で心と体を満たし、夜はお酒で渇いた心を潤してくれる。横丁管理人の宇藤と店に通う人々が繰り広げる数々のヒューマンドラマは読む者を温かい気持ちにさせてくれる。男手一つで育てた娘が嫁ぐ前の父親の心境を描いた話では、娘の幸せを願う気持ちと寂しさが入り混じる複雑な感情を抱える父親に感情移入してしまい、思わず泣きそうに。人形作家の梵さんの話では「夜が来たら光を失うが、光を失うから新しい朝が来る」という素敵な言葉に感動。続編も期待!

  • 「ねこみち横丁」って名前がステキ。
    伊勢丹があるあの一角が追分という古風な名前もいい。(追分だんごってありますよね。)

    そこの昼間はバール、夜はバーを中心に、「ねこみち横丁振興会」の方たちの心あたたまるお話。
    こういうほんわかする本、最近多いですね。

  • よかったー!紗ヨリちゃんにいただいた本です。わたしが飲むの好きだからこういうお話を薦めてくれたけど、そのとおり、ストライクでした。

    飲むのは大好きなんですが、アルコールを摂取したいというよりはそれに伴って誰かとおいしいものを食べるのが大好きなので、ほんとにこういうお店が理想。

    ここまでではなかったけど、わたしにも1人暮らしのとき散々通った、似た存在のお店があった。大袈裟ではなくほんとそのお店に救われたから、BAR追分に集まるひとたちの気持ち、とてもよくわかる。仕事がしんどすぎて、フードのラストオーダー過ぎてるのを覚悟で人と話したいがために駆け込んだら、お茶漬けを出してくれたり、娘みたいにかわいがってくれる常連さんたちと出会ったり、彼氏が変わってお店に連れて行ったり。実家に戻ったいまでも、そこで飲む時間がなくてもたまに顔を出したり。

    江里華さんのお話が大好きだったなー!!
    お酒を飲める年齢ということは、大人ということで、かっこわるい経験だってそれなりにして、何歳になっても小さい頃描いてたような大人じゃなくて、でも平気な顔してほかの大人の中に混じって、内心大変な思いをしていたりする。それを表に出すことは「大人げない」と言われてしまう。

    べつにアルコールでなくてもいいんですが、やっぱり、家族でも恋人でも職場でもない、できればすこし距離のある、知らぬ間に救いの場になるところって人間には必要だなあ。

  • おいしそうなメニューが出てくると、無意識のうちに顔をページに近付けてたりする。紙の匂いしかしないのが悲しいっす…。
    宇藤君がねこみち横丁で暮らすことを決意するまでは、なんだか慣らし運転してる感じ。第2話から俄然おもしろくなった。
    第4話「ボンボンショコラの唄」のモチーフになったのは、Freddie Mercury と David Bowie が歌った『Under Pressure』。梵さんが抱えた葛藤は、この歌詞と通じ合ってるなぁ。
    シリーズ第2弾『オムライス日和』が楽しみ!

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著者プロフィール

伊吹有喜(いぶき・ゆき)
1969年三重県生まれ。三重県立四日市高等学校、中央大学法学部法律学科卒業。四日市市観光大使。1991年に出版社に入社。雑誌主催のイベント関連業務、着物雑誌編集部、ファッション誌編集部を経て、フリーライターになる。2008年に永島順子(ながしま・じゅんこ)名義で応募した『風待ちのひと』(応募時のタイトルは「夏の終わりのトラヴィアータ」)で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞。2009年に筆名とタイトルを改め同作で小説家デビュー。2014年『ミッドナイト・バス』で第27回山本周五郎賞候補、第151回直木賞候補。2017年『彼方の友へ』(実業之日本社)本作で第158回直木賞候補。

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