BAR追分 (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 743
レビュー : 144
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439176

感想・レビュー・書評

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  • 伊吹有喜さん、はじめましてです。
    ずっと読みたかった作家さんでした。

    商店街、路地裏、猫ちゃん、銭湯、カフェ、
    癒しのアイテムそろい踏みです。
    舞台は新宿三丁目、伊勢丹近く「ねこみち横丁」
    昼はカフェ、夜はバーになる「バール追分」
    主人公・宇藤がホームページ制作を請け負ったことから、
    振興会のHPと横丁の管理人をすることになり───。

    その管理人の条件が、なんともオイシイのです。
    事務所に住み込み、加盟店の優待特典付き。
    おまけに「バール追分」のまかないまで付いてきて。

    この「バール追分」のカフェメニューがとても気になる。
    豚の生姜焼きがおいしそう!
    そしてカレーライスのトッピングが~!
    カツか、エビフライか、コロッケか、ハンバーグか?
    それとも目玉焼きもつけちゃう?悩みます(笑)。

    特に心にしみたのは#父の手土産。
    長年、ここのサンドウイッチをおみやげにするのが楽しみだった父親が、
    もうすぐ嫁ぐ娘を初めて店に連れて来た──。
    ハンバーグサンド、エッグサンド…
    男手一つで娘を育てた父親の願いがそこにありました。

    続編が楽しみです。
    猫好きからすると、デビィちゃんがもっと登場してくれると嬉しいんですけどね。

  • 最近、喫茶店を舞台にした人情話をよく見かけます。これもその一つ。
    新宿のねこみち横丁と呼ばれる路地のどん詰まりにあるBAR追分。夜はベテランバーテンダーが居るちょっと懐かしい感じのバー。昼間は若い女性が一人でバール(軽食喫茶店)として営業する店。そんな店で繰り広げられる人情話です。
    極端なキャラも多く出てきます。でもキャラで話を組み立てるような進め方では無く、それは一つの背景としてあっさりと描かれます。
    柔らかな軽さ、それは伊吹さんの持ち味なのかもしれません。

  • 宇藤くんが羨ましい!(>_<)給料五万円とはいえ、「バール追分」の美味しいまかないに「バー追分」の酒、「地下の湯」の温泉に、「ねこみち横丁」の暖かい人々(*´∀`)♪あぁ代われるものなら代わって、ねこみち横丁の管理人になりたい!(^o^;)

  • 美味しくて優しい人との繋がりは心を温かくする。
    手に入れなくていいとは思っていないけど、動き出す方が怖い。
    だけど自分はじゃあ今を何を持っているんだという不安がある。
    それでも何か持っていると信じてそれを失うのは怖い。
    誰かと一緒に年を重ねられる関係性は理想。
    美味しいものを食べたくなる。

  • 新宿三丁目の交差点付近、細い道に入って曲がった先。
    ねこみち横丁という路地の奥。
    昼はカフェ、夜はバー「追分」。
    迷い込んだり、偶然たどり着いたり、ご近所さんや常連さんたちも立ち寄って、ほっこりと温かい気持ちになるお話。

    単身赴任中に更なる転勤を打診されたサラリーマン。
    ねこみち横丁のHP作成を依頼された宇藤くん。
    結婚式を目前に、父親に誘われて追分にやってきた娘。
    週末はアイドルグループに入れあげる、自販機のルートマン。
    常連さんのボンボンバエと綺里花。
    手焼き煎餅の香りに誘われ、カレーの匂いに引きつけられて。
    コンソメスープ、オールドファッションド、すごくいい玉ネギと豚の生姜焼き、大人のポテトサラダ、ハンバーグのサンドイッチ、自家製ジンジャエール、牛スジカレー、魚肉ソーセージとアボカドのマヨネーズ和え。
    美味しい食事と人情に、ささくれだっていた気持ちが溶け出していくよう。

    電車で読んでいて、思わず鼻がツンとなる。
    「今日の京浜東北はやけに辛子がきくなあ」と心で呟いてみた。

  • さらさらーっと読んだけど、登場人物が、いなさそうで実在してそうだったり、シチュエーション的にはありえなさそうなのに成り行きとか結構自然だったり。
    これは、うん、機会があったらシリーズも読みたい。

  • ねこみち横丁」の奥まったところにある、夜は「バー追分」、昼は「バール追分」となる店を訪れる人々を描いた物語。横丁の人々が皆、個性的で魅力的。とても人情味に溢れた横丁。そんな横丁にあり、そんな人々が通う「BAR追分」は、きっと心地よい空間なのだろう。登場する料理もどれも美味しそうで、読んでいるだけでも食欲が刺激される。地下にある温泉も行ってみたい。人々の交流が温かく、読んでいて心地よい作品。

  • ひとつひとつの話しが短く、読みやすかった。

    ねこみち横丁の管理人として雇われた、宇藤目線で書かれている事が多く、まだバールの桃子がそこにいる理由や振興会の会長の遠藤や煎餅屋の仙石の話しは語られていない。続編で語られるのか、それとも謎のままなのか。

    食べ物の表現がとても美味しそうだし、出てくる人も良い人ばっかりで、一気に好きな作品になった。続編もすぐ読もう!


    2017.4.26…13

  • 初めて読む作家さんでしたが、文章の雰囲気がとても好み。

    新宿三丁目、昔は新宿追分と呼ばれていたあたりの、「ねこみち横丁」と呼ばれる路地のつきあたりにあるお店のお話。
    名前は「BAR追分」
    昼は「バール」と読む食堂で、夜は「バー」と読んで飲み屋さん。
    「追分」は分かれ道。
    大きかったりささやかだったり(でも、本人にとっては大問題)の人生の岐路に立った人たちの来し方行く末を見つめるお店。
    シリーズ化しているので、この一作目は導入部として、「ねこみち横丁振興会」の管理人さんが決まるお話など、設定が描かれます。
    ご飯が美味しそう。


    『プロローグ』
    単身赴任から単身赴任へ…
    サラリーマンの相沢さん。
    どうしてプロローグなんだろう?
    何か特別な伏線なのだろうか??

    第1話 『スープの時間』
    脚本家を目指す、宇藤青年。
    夢を求め続けるべきか、田舎に帰るか…

    第2話 『父の手土産』
    佐原さんと、その娘で、もうすぐ結婚する真奈さんのお話。
    父のささやかな心づくしの積み重ね。

    第3話 『幸せのカレーライス』
    アイドルを応援する江口くんは、しっかり者の妹にも心配されている。
    カレーのトッピング、何がいい?

    第4話 『ボンボンショコラの唄』
    フィギュア作家の梵さんと、クラブのママ。
    「ボボボボン バエ~」
    私もなんとなく気付いていましたよ。でも、梵さんの「気付いた理由」がとても良い。

  • 「ねこみち横丁」って名前がステキ。
    伊勢丹があるあの一角が追分という古風な名前もいい。(追分だんごってありますよね。)

    そこの昼間はバール、夜はバーを中心に、「ねこみち横丁振興会」の方たちの心あたたまるお話。
    こういうほんわかする本、最近多いですね。

著者プロフィール

伊吹有喜(いぶき・ゆき)
1969年三重県生まれ。三重県立四日市高等学校、中央大学法学部法律学科卒業。四日市市観光大使。1991年に出版社に入社。雑誌主催のイベント関連業務、着物雑誌編集部、ファッション誌編集部を経て、フリーライターになる。2008年に永島順子(ながしま・じゅんこ)名義で応募した『風待ちのひと』(応募時のタイトルは「夏の終わりのトラヴィアータ」)で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞。2009年に筆名とタイトルを改め同作で小説家デビュー。2014年『ミッドナイト・バス』で第27回山本周五郎賞候補、第151回直木賞候補。2017年『彼方の友へ』(実業之日本社)本作で第158回直木賞候補。

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