BAR追分 (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.63
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本棚登録 : 737
レビュー : 140
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439176

感想・レビュー・書評

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  • 伊吹有喜さん、はじめましてです。
    ずっと読みたかった作家さんでした。

    商店街、路地裏、猫ちゃん、銭湯、カフェ、
    癒しのアイテムそろい踏みです。
    舞台は新宿三丁目、伊勢丹近く「ねこみち横丁」
    昼はカフェ、夜はバーになる「バール追分」
    主人公・宇藤がホームページ制作を請け負ったことから、
    振興会のHPと横丁の管理人をすることになり───。

    その管理人の条件が、なんともオイシイのです。
    事務所に住み込み、加盟店の優待特典付き。
    おまけに「バール追分」のまかないまで付いてきて。

    この「バール追分」のカフェメニューがとても気になる。
    豚の生姜焼きがおいしそう!
    そしてカレーライスのトッピングが~!
    カツか、エビフライか、コロッケか、ハンバーグか?
    それとも目玉焼きもつけちゃう?悩みます(笑)。

    特に心にしみたのは#父の手土産。
    長年、ここのサンドウイッチをおみやげにするのが楽しみだった父親が、
    もうすぐ嫁ぐ娘を初めて店に連れて来た──。
    ハンバーグサンド、エッグサンド…
    男手一つで娘を育てた父親の願いがそこにありました。

    続編が楽しみです。
    猫好きからすると、デビィちゃんがもっと登場してくれると嬉しいんですけどね。

  • 「追分。道が右と左に分かれる場。きっと今が人生の分岐点。どちらに行こうと、追われるのではなく、自分の意思で選びたい。」

    BAR追分 昼間はバールで、夜はバー。
    迷った事がある時は、新宿ねこみち横丁、BAR追分へー。美味しい料理と気のいい人たち、可愛い猫ちゃんから元気を貰おう!優しい気持ちになれる本、頑張ろうと思える本、そしてカレーライスが食べたくなる本。

    「プロローグ」海外転勤を受けるか、断るか。家族との繋がり。
    「スープの時間」ねこみち横丁、呑むか呑まれるか。どうする宇藤ちゃん。
    「父の手土産」娘の結婚。その時父は、娘は…。
    「幸せのカレーライス」カレーライスのトッピングに込められた男たちの思い。
    「ボンボンショコラの唄」1番好きな話。何かを得たら、何かを失う。そうだとわかっていても人は何かを求めるのだろうか。梵ちゃんのように…。凄いな。

  • 昼間はバールで夜はバーをやっているお店の話。バールと言っても喫茶店の様な感じ。全話通しての主人公はいるのですが、毎話ゲスト主人公が出てくる。
    グルメ小説は好きなのですが、食の方に偏ってしまって物語がイマイチかな〜と思ってしまう小説もある中、食も物語もとても良かったです!
    夏バテで食欲が落ちている時などに食欲増進小説になると思います♪逆に食欲が抑えられなくなる危険があるので夜中に読む時などは注意しないと…

  • 新宿の路地「ねこみち横丁」の奥にある「BAR追分」。
    昼はバールで夜はバー。
    今宵も黒猫デビイが店までお客達を案内してくれる。

    店に集まる人達の温かいエピソードに心がほっこりした。
    モモちゃん特製のコンソメスープや、大人のポテトサラダ、豚の生姜焼き等、読んでいるだけでお腹が減った。

    「追分」とは道が二手に分かれる場所、分岐点のことをいう。
    店に立ち寄ったお客達はここで一休みして、渇いた喉とお腹と心を充分満たしてから、自分の意思で行くべき片方の道を選んでいく。
    モモちゃん特製の牛スジカレー温玉のせが是非食べたい。

  • 最近、喫茶店を舞台にした人情話をよく見かけます。これもその一つ。
    新宿のねこみち横丁と呼ばれる路地のどん詰まりにあるBAR追分。夜はベテランバーテンダーが居るちょっと懐かしい感じのバー。昼間は若い女性が一人でバール(軽食喫茶店)として営業する店。そんな店で繰り広げられる人情話です。
    極端なキャラも多く出てきます。でもキャラで話を組み立てるような進め方では無く、それは一つの背景としてあっさりと描かれます。
    柔らかな軽さ、それは伊吹さんの持ち味なのかもしれません。

  • 宇藤くんが羨ましい!(>_<)給料五万円とはいえ、「バール追分」の美味しいまかないに「バー追分」の酒、「地下の湯」の温泉に、「ねこみち横丁」の暖かい人々(*´∀`)♪あぁ代われるものなら代わって、ねこみち横丁の管理人になりたい!(^o^;)

  • 読み始め…16.4.15
    読み終わり…16.4.17

    新宿三丁目の交差点付近、古くは新宿追分と呼ばれた街の細い道に入って曲がった先。ねこみち横丁という路地の奥にその店はある。「BAR追分」。BARとはバーともバール(バル)とも読み、夜はバーテンダーのいるバーが昼はアルバイトのモモちゃんこと佐々木桃子がまかないを兼ねてランチを出すバール(バル)になる。近隣の常連さんたちからはヤドカリカフェとか、やどかり食堂とも呼ばれているらしい...。

    そんな「BAR追分」に人生に迷った人が一人、また一人と四つの連作に綴られながら訪れます。しんみりと和めるお話のなかに温かなスープやカレーライスが登場すれば、読むだけで心も身体も気持ちがいいほどほぐれます。

    なかでもボンボンショコラの唄の梵さんは....
    もしかして梵さんてそっちなの?!と思ったのですけどそうじゃなかった。なぁ~んだ。。
    うふっ..と思わず頬が緩みかけたかと思いきや、、あらま。そっちはこっちか!?
    笑っちゃいました。笑えるお話ではないのにね。当たらずとも遠からずだったのがおかしくて。(笑)

    「追分」とは道が二つに分かれる場所をさす言葉で、日本橋から来る大通りが新宿三丁目付近で甲州街道と青梅街道の二手に分かれている分岐地点を新宿追分といって、今でも地名が残っているそうです。

    いちばん気になる存在なのはウドウ君。どうなるのかなぁ...。

  • 美味しくて優しい人との繋がりは心を温かくする。
    手に入れなくていいとは思っていないけど、動き出す方が怖い。
    だけど自分はじゃあ今を何を持っているんだという不安がある。
    それでも何か持っていると信じてそれを失うのは怖い。
    誰かと一緒に年を重ねられる関係性は理想。
    美味しいものを食べたくなる。

  • さらさらーっと読んだけど、登場人物が、いなさそうで実在してそうだったり、シチュエーション的にはありえなさそうなのに成り行きとか結構自然だったり。
    これは、うん、機会があったらシリーズも読みたい。

  • とても普通な本です。今はやりの食べ物屋さん系で、店をめぐる人々の人情話です。はっきり言って仕掛けが有るわけでもなんでも無いのですが、こういう本は一定期間経つと妙に読みたくなります。刺激的な本や悲哀に満ち溢れた本の合間に読むのにとてもぴったりです。
    バーで供されるまかないが美味しそうです。牛スジカレー食べたい。

  • 心の休息にぴったりな本だった。
    BAR追分の昼、夜に集まる人々。
    ねこみち横丁の住人たち。
    普通の日々を過ごす人の何気ない会話に心が癒される。桃子ちゃんの作るご飯と、田辺さんが作るカクテルを味わってみたい。
    2018.7

  • *かつて新宿追分と呼ばれた街の「ねこみち横丁」の奥に、その店はある。BAR追分。昼は「バール追分」でコーヒーやカレーなどの定食を、夜は「バー追分」で本格的なカクテルや、ハンバーグサンドなど魅惑的なおつまみを供する。人生の分岐点で、人々が立ち止まる場所。昼は笑顔かかわいらしい女店主が、夜は白髪のバーテンダーがもてなす新店、二つの名前と顔でいよいよオープン! *

    優しい空気感が漂う作品です。それぞれ少し訳アリな人々が、触れ合いながらゆるゆると前に進んでいく、と言った感じでしょうか。「ボンボンショコラの唄」は少しだけひねってあるのが楽しい。タッチも軽く、さらっと読める短編集です。

  • ねこみち横丁」の奥まったところにある、夜は「バー追分」、昼は「バール追分」となる店を訪れる人々を描いた物語。横丁の人々が皆、個性的で魅力的。とても人情味に溢れた横丁。そんな横丁にあり、そんな人々が通う「BAR追分」は、きっと心地よい空間なのだろう。登場する料理もどれも美味しそうで、読んでいるだけでも食欲が刺激される。地下にある温泉も行ってみたい。人々の交流が温かく、読んでいて心地よい作品。

  • ひとつひとつの話しが短く、読みやすかった。

    ねこみち横丁の管理人として雇われた、宇藤目線で書かれている事が多く、まだバールの桃子がそこにいる理由や振興会の会長の遠藤や煎餅屋の仙石の話しは語られていない。続編で語られるのか、それとも謎のままなのか。

    食べ物の表現がとても美味しそうだし、出てくる人も良い人ばっかりで、一気に好きな作品になった。続編もすぐ読もう!


    2017.4.26…13

  • 初めて読む作家さんでしたが、文章の雰囲気がとても好み。

    新宿三丁目、昔は新宿追分と呼ばれていたあたりの、「ねこみち横丁」と呼ばれる路地のつきあたりにあるお店のお話。
    名前は「BAR追分」
    昼は「バール」と読む食堂で、夜は「バー」と読んで飲み屋さん。
    「追分」は分かれ道。
    大きかったりささやかだったり(でも、本人にとっては大問題)の人生の岐路に立った人たちの来し方行く末を見つめるお店。
    シリーズ化しているので、この一作目は導入部として、「ねこみち横丁振興会」の管理人さんが決まるお話など、設定が描かれます。
    ご飯が美味しそう。


    『プロローグ』
    単身赴任から単身赴任へ…
    サラリーマンの相沢さん。
    どうしてプロローグなんだろう?
    何か特別な伏線なのだろうか??

    第1話 『スープの時間』
    脚本家を目指す、宇藤青年。
    夢を求め続けるべきか、田舎に帰るか…

    第2話 『父の手土産』
    佐原さんと、その娘で、もうすぐ結婚する真奈さんのお話。
    父のささやかな心づくしの積み重ね。

    第3話 『幸せのカレーライス』
    アイドルを応援する江口くんは、しっかり者の妹にも心配されている。
    カレーのトッピング、何がいい?

    第4話 『ボンボンショコラの唄』
    フィギュア作家の梵さんと、クラブのママ。
    「ボボボボン バエ~」
    私もなんとなく気付いていましたよ。でも、梵さんの「気付いた理由」がとても良い。

  • 読みやすかったので一気読み。お腹が空く一冊ではある。
    あらすじ(背表紙より)
    新宿三丁目交差点近く―かつて新宿追分と呼ばれた街の「ねこみち横丁」の奥に、その店はある。そこは、道が左右に分かれる、まさに追分だ。BAR追分。昼は「バール追分」でコーヒーやカレーなどの定食を、夜は「バー追分」で本格的なカクテルや、ハンバーグサンドなど魅惑的なおつまみを供する。人生の分岐点で、人々が立ち止まる場所。昼は笑顔かかわいらしい女店主が、夜は白髪のバーテンダーがもてなす新店、二つの名前と顔でいよいよオープン!

  • 新宿の裏路地にあるねこみち横丁。その横丁の行き止まりにある店「BAR追分」昼は絶品の料理で心と体を満たし、夜はお酒で渇いた心を潤してくれる。横丁管理人の宇藤と店に通う人々が繰り広げる数々のヒューマンドラマは読む者を温かい気持ちにさせてくれる。男手一つで育てた娘が嫁ぐ前の父親の心境を描いた話では、娘の幸せを願う気持ちと寂しさが入り混じる複雑な感情を抱える父親に感情移入してしまい、思わず泣きそうに。人形作家の梵さんの話では「夜が来たら光を失うが、光を失うから新しい朝が来る」という素敵な言葉に感動。続編も期待!

  • 「ねこみち横丁」って名前がステキ。
    伊勢丹があるあの一角が追分という古風な名前もいい。(追分だんごってありますよね。)

    そこの昼間はバール、夜はバーを中心に、「ねこみち横丁振興会」の方たちの心あたたまるお話。
    こういうほんわかする本、最近多いですね。

  • よかったー!紗ヨリちゃんにいただいた本です。わたしが飲むの好きだからこういうお話を薦めてくれたけど、そのとおり、ストライクでした。

    飲むのは大好きなんですが、アルコールを摂取したいというよりはそれに伴って誰かとおいしいものを食べるのが大好きなので、ほんとにこういうお店が理想。

    ここまでではなかったけど、わたしにも1人暮らしのとき散々通った、似た存在のお店があった。大袈裟ではなくほんとそのお店に救われたから、BAR追分に集まるひとたちの気持ち、とてもよくわかる。仕事がしんどすぎて、フードのラストオーダー過ぎてるのを覚悟で人と話したいがために駆け込んだら、お茶漬けを出してくれたり、娘みたいにかわいがってくれる常連さんたちと出会ったり、彼氏が変わってお店に連れて行ったり。実家に戻ったいまでも、そこで飲む時間がなくてもたまに顔を出したり。

    江里華さんのお話が大好きだったなー!!
    お酒を飲める年齢ということは、大人ということで、かっこわるい経験だってそれなりにして、何歳になっても小さい頃描いてたような大人じゃなくて、でも平気な顔してほかの大人の中に混じって、内心大変な思いをしていたりする。それを表に出すことは「大人げない」と言われてしまう。

    べつにアルコールでなくてもいいんですが、やっぱり、家族でも恋人でも職場でもない、できればすこし距離のある、知らぬ間に救いの場になるところって人間には必要だなあ。

  • おいしそうなメニューが出てくると、無意識のうちに顔をページに近付けてたりする。紙の匂いしかしないのが悲しいっす…。
    宇藤君がねこみち横丁で暮らすことを決意するまでは、なんだか慣らし運転してる感じ。第2話から俄然おもしろくなった。
    第4話「ボンボンショコラの唄」のモチーフになったのは、Freddie Mercury と David Bowie が歌った『Under Pressure』。梵さんが抱えた葛藤は、この歌詞と通じ合ってるなぁ。
    シリーズ第2弾『オムライス日和』が楽しみ!

  • どの人もこの店の中じゃ幸せな雰囲気に包まれている、そんな感じがとても心地よい。ここに出てくる人のこれからの幸せを願いたい。

  • 新宿三丁目にある《ねこみち横丁》の中の《BAR追分》を舞台に、様々な人々が癒されたり前向きになったりする話。

    ありがちな設定ながら全体的には心地よく読めた。
    ただ読み終えてもボンヤリした印象で、それぞれの話は良かったのだが、例えば《BAR追分》のオーナーの人物像とか、宇藤がこれからどう成長していくのかとか、いろいろ消化不良なままのところもあった。

    もしかしたら更なる続編を書かれるつもりでこのような終わり方にしたのかもしれない。
    お酒のことはよく分からなかったが、カレーやショコラは美味しそうだった。

  • 新宿の裏通りにある小さな「ねこみち横丁」、そのどん詰まりにあるのが「BAR追分」だ。夜は「バー追分」として、昼は「バール追分」としてカフェ営業をしている。
    その店と横丁を舞台に織りなす人間模様を描いた連作短編集だ。
    語り手の視点が突然変わったりしてちょっと混乱したけれど、全体的に優しく気持ちのいい物語が詰まっている。
    謎のオーナーの素性もわからないままだったし、この先続編がありそうな予感。

  • おもしろいからこそ
    もっと
    深く書いてほしかったなー。

    こんな素敵な場所があれば
    また
    違う視点で
    いろいろな世界が
    見えるんだろーなぁ。


    2015.8.19

  • 昼間のバールの食事がおいしそう。

  • 新宿「ねこみち横丁」にある、昼はカフェ、夜はバーになるBAR追分。ここを訪れる様々な人たちのお話。短編形式で読みやすかった。いろんなタイプの人たちが訪れる都会なんだけど、下町感あふれる舞台設定がいい。ちょっと切なかったりほっこりしたり、読後感も良かった。特に「幸せのカレーライス」が好きかな。カレー美味しそうだった。

  • 2019/6/6
    薄いのが惜しいくらいおもしろかった。
    もっと読みたいよ。
    最近多いおいしい食事の出てくるじんわりいい話の小説。
    優しい人しか出てきません。
    世知辛い世の中だから、あるなら行きたいよね。
    ねこみち横丁。

  • 読みやすい

  • 昼間はバルで夜はバーをやっているお店。
    古い昭和一色な『ねこみち横丁』の管理人になんとなくなってしまった宇藤くん。
    バルやバーを訪れる人々の話。
    うっかりすると涙が出てくる。
    とても軽い調子なのに心に響くお話でした。

  • 追分って、そんな意味だったのですか。

    伊吹さんが描く再出発はいいですね。

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著者プロフィール

伊吹有喜(いぶき・ゆき)
1969年三重県生まれ。三重県立四日市高等学校、中央大学法学部法律学科卒業。四日市市観光大使。1991年に出版社に入社。雑誌主催のイベント関連業務、着物雑誌編集部、ファッション誌編集部を経て、フリーライターになる。2008年に永島順子(ながしま・じゅんこ)名義で応募した『風待ちのひと』(応募時のタイトルは「夏の終わりのトラヴィアータ」)で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞。2009年に筆名とタイトルを改め同作で小説家デビュー。2014年『ミッドナイト・バス』で第27回山本周五郎賞候補、第151回直木賞候補。2017年『彼方の友へ』(実業之日本社)本作で第158回直木賞候補。

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