ゾンビ日記 (ハルキ文庫 お 18-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 73
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439190

作品紹介・あらすじ

運命の日から数年後、男と共存するのは犬や猫の動物ではなく、徘徊するゾンビのみ。人を襲わず、なにも喰らわず、何にも関心がなく、ただ生き続ける"死者"たち。男の他には"生きている"人間はいなかった。残された食料で生き続ける男は、無為な生活から逃れるように、やがて銃を手にする。狙撃手となった男は何を思い日々生き続けるのか?アニメ・映画監督の押井守が描く、新しい小説世界!

感想・レビュー・書評

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  • ゾンビに襲われる日常、サバイバルを想像しているなら手に取らない方がいいでしょう。
    冒頭から狙撃手順が延々と続きます。ゾンビをヘッドショットするためです。
    この小説のゾンビは全く人を襲わず、ただ死んでも動くというだけの標的でしかないです。
    そこで、生き残ったひとりの男(なぜ人類がその男だけになったのかの詳細説明はほぼない)の内省的な、「死」に対する考察や、メシ喰ったり、酒飲んだり、音楽(モーツアルト)聞いたりの日常が続きます。ゾンビも一日50人狙撃することをノルマにしています。
    その日常が無機的に描かれ、衒学的な知識の展開、戦争心理や舞踊までにいたる死の考察、人類はなぜ同属を殺せないのかという疑問を考察したりします。
    とにかく、異様な小説で、小説といっていいのかどうかも躊躇う内容で、ただ面白いか面白くないかでいえば、自分には、ツボに嵌った面白さがありました。
    しかしながら、大多数の人がこれを面白いと思うかどうかと問われると、非常に疑問です。
    軍事、哲学、心理学など興味のある人にはどうぞという感じです。

  • 主人公の生活が羨ましくなってしまう自分がいます。作中に出てくる「のり弁」がおいしそうで真似したくなりました。ラストバトルのアイディアも格好良かったです。思ってたより楽しかった。

  • 今までのゾンビ小説とはちょっと違う感じ。
    著者さんのこだわりがめっちゃ詰まった小説。
    https://ameblo.jp/harayou1223/entry-12793740487.html

  • ふむ

  • 2012年6月角川春樹事務所刊。2015年7月ハルキ文庫で文庫化。シリーズ1作め。ストイックな狙撃手の執拗な描写で、ゾンビが徘徊する世界を語るところが、押井さんらしいです。モラルハザードによって自滅した人類の話が、少し気になりますが、書込が少ないです。次作で、もう少し明らかになるのかな?

  • タイトルから想像するのとは全然違った話。
    どちらかというと、「死」についての哲学的考察って言った方が良いかも。
    まぁ、もちろんのこと、考察してるのは主人公であって、押井がそう考えているってこととは限らないので注意が必要ですが。
    ゾンビ好きとかスナイパー好きとか、あらすじから読み取れるターゲット層には、もしかするとあわないかもしれませんが、ある意味、押井らしくて楽しい本でした。

  • 2016/5/30購入

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著者プロフィール

映画監督、作家。1951年、東京都大田区生まれ。
竜の子プロダクション、スタジオぴえろを経てフリーに。主な監督作品に『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(84)『天使のたまご』(85)『機動警察パトレイバー the Movie』(89)『機動警察パトレイバー2 the Movie』(93)『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(95)。『イノセンス』(04)がカンヌ国際映画祭、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(08)がヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品。実写映画も多数監督し、著書多数。2016年、ウィンザー・マッケイ賞を受賞。

「2024年 『鈴木敏夫×押井守 対談集 されどわれらが日々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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