銭の戦争 (第10巻) (ハルキ文庫 は 11-11)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439466

感想・レビュー・書評

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  • 10巻でついに完結。
    最初は“怜悧”そのままの少年、実王寺狂介が飛び込んだ相場の世界で百戦錬磨の相場師達を相手に丁々発止する話かと思っていました。
    ところが話が進むうちに舞台はロシアからヨーロッパ、アメリカへと拡がり2度の世界大戦が絡む戦争経済へと話が変わっていきます。登場人物も実在する哲学者、九鬼周造が主人公の親友で出てきたかと思えばロシアの怪僧ラスプーチンやヒトラー、心理学者のユングや哲学者ハイデガー、各国の時の政治家達まで出てきたりと思わぬ拡がりを見せつつ、大冒険活劇へと展開するではありませんか。
    合間に出てくる、経済や哲学のくだりもいいスパイスになっています。
    一巻一巻が薄いこともあり、1日2日で読みきってしまうぐらい夢中になりました。
    ただ残念だったのは、物語が大いに盛り上がって迎えた最終巻の10巻目でした。時系列がおかしかったり、登場人物たちがなんとも浅はかな行動に及びだし、広げた風呂敷を慌てて仕舞い込むような終わり方がとても残念でした。なんか事情でもあったのでしょうか…?

  • 頭を拳銃で打たれ昏睡状態に陥った相場師・実王寺狂介が十年に亘る長い眠りからついに覚醒した。
    その間、欧州ではラスプーチンの後継者・ウスシーロフ、アジアでは日本の闇の支配者・結城次郎、アメリカでは怪物・ホルムズ、それぞれに世界支配と滅亡を目論み虎視耽々と軍事力と経済力を強めていた。
    狂介はヒトラーが掌握したドイツ軍の動きと、そこから全世界へ広がるであろう地獄絵図を予測して、まずはヒトラー制圧の戦術を企むが……

  • 読み終わりたくなかった!最終巻です。主人公無双により次々と伏線が回収されていきますが、この巻全て使うので急いでいる感じはしません。
    シリーズ通しての感想です。キャラが良くて楽しく読めました。近代史が好きな人にもオススメできます。自分の中でも思い出に残るシリーズになりました。ありがとうございました。

  • ついに最終章。
    でも第1巻に感じた面白さとは、だいぶ違った感じになってしまった。
    第10巻に内容を詰め込み過ぎて、大味になってしまったと思う。何巻も続く作品の内容を維持していく事は中々、難しい。評価が星3つになってしまった辺りがターニングポイントだったと思う。大正から昭和にかけての経済的な小説であったらと言うのが希望だった。

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著者プロフィール

一九五九年、大阪府生まれ。一橋大学法学部卒業後、農林中央金庫、野村投資顧問、クレディ・スイス投資顧問、日興アセットマネジメントなど国内外の金融機関でファンド・マネージャーとして活躍する。著書に「銭の戦争」シリーズ、『ダブルエージェント 明智光秀』『ディープフィクサー 千利休』『能楽師の娘』『黄金の稲とヘッジファンド』などがある。

「2021年 『メガバンク全面降伏 常務・二瓶正平』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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