破天の剣 (時代小説文庫)

著者 : 天野純希
  • 角川春樹事務所 (2015年10月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439497

作品紹介

群雄割拠の戦国時代、九州は薩摩の戦国大名・島津貴久の四男として生まれた家久は、若年の頃より「軍法戦術に妙を得たり」と評されるほどの戦巧者であった。だが兄弟の中で家久だけが母親の違う出自の為に深い懊脳を抱えていた。家久はその思いを払拭するかのように大友宗麟、龍造寺隆信といった九州の名だたる大名と奮戦を繰り広げ、島津の九州統一の夢に奔命する。しかし、天下人・豊臣秀吉とその弟・秀長が率いる大軍が島津家の前に立ちはだかる-。島津家の知将・島津家久の波乱に満ちた生涯を描く、第十九回中山義秀文学賞受賞作、待望の文庫化!!

破天の剣 (時代小説文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 北方謙三の激アツな文章に慣らされてしまっているので、これだけ静かな筆致でこれだけ熱く表現できる作者の才能を感じます。
    他のも読んでみたい。

  • 戦国時代、九州で覇権争いをした、島津家を描く。秀吉による天下統一の陰で戦った者たちの生きざまが描かれていて、読み応えがある。九州での具体的な経緯は知らないことが多く、興味深い。
    軸となる家久が魅力的。日常のピントがずれた感じと、戦での神がかった姿のギャップが面白い。天才なだけでなく、並外れた努力もある。島津4兄弟の関係性も、面白かった。

  • 島津四兄弟の末弟・家久が主人公。
    4人兄弟の中でたった一人だけ母親が違う、そして実は父親は貴久ではないのでは?などという噂まであった家久。
    家久自身、戦でしか居場所がない。と思い続け、兄たちや周囲の人に認めて貰いたい一心で「軍神」といわれる立場まで登りつめる。
    本当に求めたものって?
    居場所は戦場ではなかった。
    最後に気付いたけれどそれを掴み取る事が出来なかった家久。
    戦いのシーンと家久の内面との差が悲しい。
    長兄・義久は弟たちに劣等感を持ちつつ当主として、兄として毅然と立とうとしている。
    次兄・義弘は初め家久に対抗心を持っていた。
    三兄・歳久はなんだかんだと家久の面倒を見ている。
    この本の中では1番家久を「弟」として見てたのは歳久だと思う。
    最後は本当に切ない。

  • 島津の夢、軍神の夢、、儚くも散る。しかし、秀吉でも打ち破れなかった兄弟・親子・妻子との"絆"♪。

  • 読み出してすぐ面白いと感じた。そのような書評をよく見るが、実際に読むとそうでも無くかなり我慢をする小説は多い。人にもよるのかと思うが、確かにこれはすぐ引き込まれる。技量かプロットか、とにかく今まだ50ページほどでもう完全に引き込まれていることに気がついた。

    前回何だったかの小説は、100ページまで我慢して200ページで腹が立った。広告宣伝に騙され、読みながらも自分の感覚を犠牲にして時間を無駄にした。そのことを思い出して積ん読を恐れない為に記入する。

    読了。しばらく積ん読にした。理由は不明。面白いのに勢いが削がれると積ん読になるのかも。

    良い小説は自分の内面との対話であることを思い出して読了。良い小説であった。

  • 父親から勧められ読む。天野さんの小説は初めて手に取った。ライトテイストな部分もありながら、味わい深い戦国時代の雰囲気を十分に感じられる。司馬さんなどの大御所はこうは描かなかったのではないか、というような解釈に感じた。
    そもそも歴史背景として戦国末期の島津が4兄弟ということもしらなかった。島津奔る、や、関ケ原で出てくる以前の九州を切り取っていく時代を知れたのは面白かった。とはいえ、上記二小説で目にしていた「義家」は、本小説では最後まで「義珍(よしたか)」のままだったが。できれば、家久亡き後の島津家も天野さんの筆で読ませてもらいたかった。

  • 薩摩の戦国武将・島津の四兄弟の物語。本書の中心は末っ子の家久だが、家久の詳細な情報収集、それに基づく緻密な戦略立案は今の仕事にも繋がると思った。自分の足で現場を見て、感じる。とても大切なことだ。戦場の様はとても臨場感があり、思わず本を握りしめてしまった。家久が軍神のように周りには思われるが、実は戦が好きではないということが徐々に紐解かれていく話の展開はとても感慨深い。

  • 島津家久の生涯。出生の怪しさに悩む天賦の軍才。得意な戦いで周りから褒められたいと願い、命を削る努力を重ね、奇跡的な勝利をもたらす。戦いから解放された時、毒殺される。釣り野伏せの天才。耳川の戦い、沖田畷の戦い、戸次川の戦いで九州の勢力図を変える大勝利を上げる。島津四兄弟の末弟で唯一、母親が違うのでこういうこと設定のキャラになるのだろう。

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  • 本作は、島津家久を主人公に据えている。戦国時代の終わり頃の島津四兄弟の末弟である。この島津家久は、島津義久、島津義弘、島津歳久という3人の兄が居る。本作の主人公は末弟の家久ではあるのだが、本作全般を通じてみると、何処と無く「四兄弟の物語」という雰囲気も在る。

    本作の家久…変わり者で型破りであるが、天才的な戦術家で、「不敗の名将」というようになって行く…そういうように歩んだ家久の底流に在ったモノが何なのか?それが全編の奥底に在る…

    そして…数々の合戦の様子が活写されるが…これが凄い!

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