オムライス日和 BAR追分 (ハルキ文庫 い 20-2)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.78
  • (63)
  • (177)
  • (126)
  • (5)
  • (3)
本棚登録 : 1271
感想 : 157
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439732

作品紹介・あらすじ

有名電機メーカーに勤める菊池沙里は、大学時代にゼミで同期だった宇藤輝良と再会する。卒業して五年、宇藤は「ねこみち横丁振興会」の管理人をしながら、脚本家になる夢を追い続けているという。数日後、友人の結婚式の二次会後に、宇藤がよくいるというねこみち横丁のBAR追分に顔を出した沙里だったが…(「オムライス日和」より)。昼はバールで夜はバー-二つの顔を持つBAR追分で繰り広げられる人間ドラマが温かく胸に沁みる人気シリーズ、書き下ろしで贈る待望の第二弾。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • あなたは、『オムライス』が好きですか?

    『オムライス』という料理に、どこか心惹かれるものがありませんか?一見、『子どもっぽい』と言う人もいそうな料理ですが、実は『帝国海軍ゆかりの料理』でもあると説明されると、さもありなんと感じるから不思議です。では、そんな『オムライス』にかけるとしたらどんなソースが似合うでしょうか?そんな質問に『うちのオムライスにはケチャップとデミグラスソースの二種類を用意して、お客様に選んでもらうんです』という女性が料理人を務めるお店があります。そんなお店の名前は『BAR追分』。新宿の『ねこみち横丁』の行き止まりにあるというそのお店。その料理人の女性は『たまにそこへクリームシチューを入れて三種類にすると、皆さん、すごく悩むんです』と続けます。『オムライスと玉子を焼いたバターと、ホワイトソースのバターの香りが共鳴して、心にグッとくるのではないか』というその食の体験。しかし、そんなお店が架空のものである限り、私たちは食への欲求を満たすことはできません。しかし、そんな架空のお店が、架空のお店で出される料理が、文字の表現を超え、嗅覚、味覚に届いてきたとしたら、私たちはそこに読書をしながらお腹が満たされる、そんな体験ができるかもしれません。そう、この作品はそんな体験を読者に約束してくれる物語。『昼間はバールで、夜はバー』というそのお店。この作品は、そんなお店があなたの嗅覚と味覚をリアルに刺激する美味しい物語です。

    『黄色いリボンを首にまいた茶色の猫がのんびりと歩いて』いくあとを『ピンクのリボンを巻いた三毛猫が』続いていくのを見るのは主人公の宇藤輝良(うどう てるよし)。『ねこみち横丁という愛称』のこの町で『振興会専従職員、町の人からは管理人とも呼ばれている』宇藤は、そんな町でさまざまな問題に対応するのを仕事としています。そんな時横にいた『「ねこみち横丁振興会」会長の遠藤』が『通りかかった黒猫に声をかけ』ました。『バール追分の桃子が世話をしている猫「デビイ」』です。『最近、ムクムクと太ってきたんだ』と言う遠藤は、『その理由がモモちゃんによると、よそでエサをもらっているよう』で、『猫が太るのは健康に悪い』と桃子が心配していると続けます。そんな遠藤に『僕は何をしたら?』と訊く宇藤。『デビイにエサをやっている人を見かけたら、事情を話して今後は少し控えるようにしてもらいたい』、『方法はまかせる』と言い残すと遠藤はその場を立ち去りました。そして、『それから三日間』『デビイのあとをつけ』た宇藤は、『三日続けて同じところで』猫を見失い埒があきません。『いつも同じところで消えるから、世話になっている家の見当はつく』と話すと、『私、手紙を書いてみたらどうかと思ったんだけど、どうかな?』とアイデアを語る桃子。『首輪代わりに』『お店の名前と電話番号が書いてある』リボンに、『エサをやらないでください』というリボンをもう一本つけるというそのアイデア。早速翌日二本のリボンをつけたデビイですが、夕方帰ってくると、『白いリボンが消えて、代わりに灰色がかったリボン』がついていました。そこには、『えさのことは承知いたしました、気が付かずにいて、ごめんなさい』と書いてあります。『ねこみち横丁で世話をしている猫なので、よかったら遊びにきてください』と再び書いてつけるも今度は返事はなく、『気を悪くしたのかと』気を揉む桃子。そして、三日後『珍しくデビイが店の外でしきりと鳴いている』のを意識した宇藤はデビイのリボンに『薄紙が結んである』のに気づきます。そんな薄紙には『赤い文字で「たすけて」』と記されていました…一体誰が書いたのか、そして、その人に何が起こったのか、美味しそうな食の数々が登場する物語に、ほっこりとした物語が描かれる最初の短編〈猫の恩返し〉。なるほどね、と短編タイトルにも思わず納得する好編でした。

    四つの短編が連作短編の形式をとるこの作品。伊吹有喜さんの人気シリーズ「BAR追分」の二作目となる作品です。『新宿伊勢丹近くの路地に入って、道を曲がると「ねこみち横丁」と呼ばれる小さな通りがある』という横丁の行き止まりにある『BAR追分』。そんなお店は、『昼間はバールで、夜はバー』という営業形態をとるお店です。そんなお店を舞台に日常のほっこりとした、ささやかな”事件”が、たまらなく美味しそうな食の風景を背景に描かれていきます。食の風景を小説に盛り込んだ作品は多々あります。小川糸さん「食堂かたつむり」、古内一絵さん「マカン・マラン」、そして近藤史恵さん「ときどき旅に出るカフェ」と、私が読んだ作品でもあの情景、この情景と美味しそうな食の場面が思い起こされます。視覚を使って小説を読んでいるのに、何故か嗅覚や味覚が刺激されるという不思議感。食を小説に織り交ぜる作品は私の大好きな分野の一つです。そんな中でこの作品は極めて絶妙な食の描写で魅せてくれます。中でも表題作でもある〈オムライス日和〉で取り上げられる『オムライス』は絶品です。『お好きですか?オムライス』と訊く桃子に『大好き』と答えた客の菊地に『オムライス・ファンに贈る素敵オムライスをごちそうします』と言う桃子は早速調理を始めます。『にぎやかな炒め物の音が響いてきた。フライパンでチキンライスを作り始めているようだ』という調理場からは『ふわりと甘く、香ばしい匂いが漂ってき』ます。そして、『あたたまったバターの香りだ。続いてフライパンに溶き卵が入れられる音がした』と進んでいく調理の中で『今日はスペシャルオムソースのご提案ができます』と語る桃子。それは、『手作りトマトソース』、『特製デミグラスソース』、そして『クリームシチュー』から選べるというもの。『どうしよう、悩む』と言う菊地に『そんなときは全部がけをおすすめします』と提案する桃子。『それはうれしい』と返す菊地。そんな中、隣に座る宇藤は『僕は一種類にします』、『一つの味をじっくりと味わいたい』と語ります。『一つの味をまっとうしたい』と続ける宇藤。そんな宇藤を見て『こういう人が運命の恋に落ちたら、一人の相手を生涯、誠実に愛するのだろう』と思う菊地、という感じで食に焦点を当てた物語が自然と登場人物の性格描写に結びつき、結果として物語世界の奥行きを演出していきます。前作以上に磨きのかかった伊吹さんの食の描写、小説の中に意味を持って描き出されるその描写にすっかり魅了されました。

    そんなこの作品の主人公が宇藤輝良です。『ねこみち横丁振興会』の『専従職員』という肩書きを持つ宇藤ですが、『月給は五万円』、ただし『横丁で商売を営む人々が現金の代わりに「現物支給」』してくれ、かつ『BAR追分』の二階に住居を提供されるというその待遇は少し微妙です。そして、その仕事内容は『こうしたことも僕の仕事の範囲なので』と、猫が太った原因を探るなど多種多様です。なんともパリッとしない微妙な立ち位置の主人公、それが宇藤の描かれ方です。思えば上記で例に挙げた食を題材にした小説群の主人公は女性です。男性が主人公となることは他の食を題材にしたものでも少ないように思います。そんな中ではこの宇藤という存在はとても貴重です。『ねこみち横丁』という今の時代にしては、なんとも時間の流れがゆったりとした、一見、夢を見ているかのように穏やかな時間の流れる世界観の物語には、こういったキャラクターがよく似合う、二作を読んできて改めてそう思いました。

    しかし、この二作目ではそんな一見影の薄い宇藤の人生の迷いが描かれているのが特徴です。『シナリオライター』を目指す宇藤。しかし、『以前のように着想を得なくなった』、『創作の泉というものがあるならば、自分の泉は涸れてしまったのだろうか』と思い悩む宇藤の姿は、振興会の管理人としてどこか枯れた人生を送る姿とは別物です。『同級生に会うと、みじめな気持ちになる』と言う宇藤。『今、何をしているのかと聞かれて、すぐに答えられない自分が恥ずかしい』と言う宇藤。『中途半端に力があったから、あきらめきれずに書き続けているだけだ』という今を思う宇藤。そんな宇藤が振興会の人たちとの関わり合いを通じて、『心動かされたものに目を向け、注意を払うという意識が大事なのかもしれない』と気付き、『今はあせらず、技術を磨き、力を蓄えていけばいい』と思いを固めていく様が描かれていく物語は、「BAR追分」という作品世界の奥深さを感じさせてくれました。このシリーズはまだ続きます。主人公・宇藤輝良の生き方という側面からも次にとても期待の持てる二作目だと思いました。

    『あたたかな食べものの匂いと、にぎやかな人々の笑い声』というように、『BAR追分』のある『ねこみち横丁』は、提供される美味しそうな料理の数々と、それを囲むほっこりとした人々の笑い声が今にも聞こえてきそうな魅力に溢れていました。そして、『昼間の明るさと夜の静けさ』という二つの顔を持つ『BAR追分』。『昼間はバールで、夜はバー』と、それぞれに魅力のある側面を見せるお店を舞台に活き活きとした人の生き様が描かれるこの作品。一冊の小説を読んだだけなのに、視覚、嗅覚、そして味覚の全てが満たされた、そんなとっても美味しい作品でした。

    伊吹さん、ごちそうさまでした!

    • さてさてさん
      5552さん、こんばんは
      いつもありがとうございます。

      アワードの件ありがとうございます。ニュースにはすぐではなかったのですが気づい...
      5552さん、こんばんは
      いつもありがとうございます。

      アワードの件ありがとうございます。ニュースにはすぐではなかったのですが気づいておりました。実のところ、私、生まれてこの方、何か賞をもらったということが全くない人間でして、それがまだ初めて二年という読書の分野で人生初の賞をいただいてしまって非常に光栄に感じております。
      5552さんには、私のブクロク登録初期からお付き合いいただき改めて御礼申し上げます。ありがとうございます。
      受賞理由は書かれていなかったので、何を評価いただいたのかなあと思っておりますが、長文レビューかもしれない…と思うと、レビューを書く限り文字数は減らせないな(笑)と気を引き締めております。しかし、長いレビューも悪くないなと思ったことがありました。先日仕事で二つ同時に3000字クラスの異なる原稿を短期間で書く必要に迫られたのですが、全く負担に感じず締切内にサラッと提出できてしまいました。う〜ん、我ながらすごいなと、趣味が仕事に役立った瞬間を実感いたしました(笑)。賞をいただいたことに恥じないよう今後とも精進してまいりたいと思います。ありがとうございます。
      5552さん、今後とも引き続きましてよろしくお願いいたします。

      2022/01/28
    • 5552さん
      さてさてさん
      こちらこそ、いつもありがとうございます。

      ご存知だったんですね。
      もしかしたら、ご本人、ご存知ないかもしれない…と、...
      さてさてさん
      こちらこそ、いつもありがとうございます。

      ご存知だったんですね。
      もしかしたら、ご本人、ご存知ないかもしれない…と、謎の焦り笑、を感じて、ものすごく久しぶりにコメントさせていただきました。
      さてさてさん、読書歴二年とは、改めて驚きます。
      人間に例えるなら、まだヨチヨチ歩きのお子さんじゃないですか!
      立ったと思ったらいきなり100メートル9秒台を叩きだし、教えてもいないスワヒリ語をしゃべり出した…みたいな驚きです。
      学生時代に長文の文章を書くことをしていた、とレビューに書かれていた気がしますが、その基礎があるからでしょうか。
      ブクログで鍛えられた能力がお仕事で役に立ったそうですね。
      それだけの文章量を苦もなく…ってもはやセミプロの域ですね。

      こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いします。



      2022/01/29
    • さてさてさん
      5552さん、ありがとうございます。
      例えが非常に分かりやすくてとても納得してしまいました。まあ、そもそも学生時代をNo読書で過ごすのが悪い...
      5552さん、ありがとうございます。
      例えが非常に分かりやすくてとても納得してしまいました。まあ、そもそも学生時代をNo読書で過ごすのが悪いんですけどね。本を読まずに巻末の解説を切り貼りして読書感想文です!って提出していた身からすると隔世の感があります。
      学生時代には文章も書いていませんでした。文章はブクログのレビューを始めて以来です。なので仕事で文章を書く羽目になると辛くて、辛くて。それが、前述の通り今では3000字なんて依頼が来ても、もっと文字数くれないかなとか思ったりして、長文が苦でなくなったのが良かったなと。文字数無制限のブクログさんの太っ腹には感謝ばかりです!
      ただまだまだ冊数がお子ちゃまなので、5552さんの間もなく1000レビューに追いつけるように頑張ってまいりたいと思います。私のように限定読書じゃない多彩なレビュー楽しみにさせていただいております。
      今後ともよろしくお願いいたします。
      2022/01/29
  • 「BAR追分」2冊目。

    アップルパイ、クリームシチュー、オムライスにカルボナーラ…、モモちゃんが作る料理はどれもおいしそうに思えたが、一番食指を動かされたのは、ゴメン、久保田先生の豚の生姜焼きだった。「得月」というお酒も飲んでみたいなあ。

    お話はと言えば、ふんわりした雰囲気で心は和むが、前作からあまり変わり映えしない運びにはやや物足りなさも残る。
    宇藤くんの過去も少し知れたが、今の書けなさ振りや世間知らず感からするとちょっと違和感があった。

  • ☆4

    シリーズ第2弾

    今作も楽しく読ませてもらいました❁⃘*.゚
    桃ちゃんの作るお料理の数々がとっても美味しそうで…読んでいてお腹が鳴りそうでした。
    クリームシチューをかけたオムライスに、いつも種類が変わって魅力的なピンチョス、そして餃子!!(餃子は宇藤くんのお手柄?)どれも今すぐにでもBAR追分に行って食べたいです♡

    今作では純くんの過去を知ることが出来ましたが、桃ちゃんの過去(年齢も)がものすごーく気になります!果たして次作で知ることが出来るのでしょうか…!?

  • ねこみち横丁振興会のメンバーの背景について、前編ではさらっとしか触れられてなかった。続編のこちらでは、少しずつ輪郭がとれるように登場人物の内情がわかってきた。宇藤さんの周囲の人たちへの羨望や自分を過小評価して焦る心情は妙に共感してしまう。エッセイを採用して貰えてこちらまで嬉しい気分。鈍感なところがまた良さでもある。

    出てくる食事がおいしそうで空腹になる。富貴子さん救出に皆の連係プレーが光るデビイの『猫の恩返し』、みんなが片思いで沙里さんその後の恋の行方が気になる『オムライス日和』、フリーマーケットが大盛況、まさか宇藤さんにそんな特技があったとは『ようこそ、餃子パーティへ』、私も体のメンテナンスに行きたい『森の隠れ家』。

    昼間の明るさと夜の静けさ、二つの顔があるけれど、どちらも居心地がいい場所の物語。終盤のページめくりながら物語の終わりを迎えるのがとても名残惜しい。これまた続編のナポリタン編も予約しました。

  • 多くの方が書かれていますが、一作目よりも人物や料理の描写が気持ちいいです。
    前作より、ひと手間かかっていて、もっと美味しくなった気がします。
    ビストロ パ・マル シリーズよりも優しい感じ。
    どちらも違った良さが有って好きですが。
    私にとっては、長編ミステリーの合間の大切な一冊です。
    テレビ東京の深夜帯ドラマになりそうな物語ですね。

  • 昼間はパールで、夜はバーのBAR追分を中心に、新宿3丁目を舞台にした、ハートフルなシリーズ第2巻。前作よりもすっとストーリーに入り込めて、心温まる素敵な時間を過ごすことが出来ました❗

    オススメは、表題作の『オムライス日和』です♫オムライスに、餃子、豚の生姜焼きと、どれも今直ぐに食べたくなってしまう飯テロ作品です❗

  • ねこみち横丁「BAR追分」再び──。
    期待通りデビィちゃん登場。

    #猫の恩返し
    良かった~
    なぜか急に太ってきたデビィ。どうやら他の場所でご飯をもらっているみたい。
    トイレのドアの外に掃除機を置いてしまった悲劇!(経験あり)
    この救出劇でデビィが大活躍します。

    #オムライス日和
    いやぁ美味しそう。桃子の料理の腕前レベルアップしてます。
    そして、誰にでも優しいけど、誰のものにもならない宇藤…。
    好きになるとたいへんかも…。

    #ようこそ、餃子パーティへ
    ねこみち感謝祭のポスターのくだりが笑えました。
    宇藤が描いたデビィちゃんのイラスト!
    猫といえるのは、ヒゲがあるということだけ…(笑)
    未確認生物、ネッシー、ツチノコ…ユーマとまで言われる絵とは?
    見てみたい。

    #森の隠れ家
    謎のイケメン・純の過去があきらかに。

    露地物トマトの自家製ソースと、オムライス。
    例の”最高級小麦粉”で作ったパスタ。
    食べてみたいです♪

  • シリーズ第二弾。

    美味しそうな料理描写が魅力のこのシリーズですが、前作以上に食べ物描写がより詳細になっています。てか、登場人物達が皆“食レポ”上手すぎでしょ。って感じです。
    さて、今回は第二話で宇藤君の大学時代の同級生が登場し、彼が何気にモテていた事が判明。自己肯定感が低めな宇藤君ですが、結構周りからの評価は高いので、もうちょい自信を持って、同世代女子に接してもよいのでは?と思います。
    そして、美青年バーテンダー・伊藤純君の過去も明らかになり、モモちゃんも含めて若者たちがそれぞれ何かしら抱えて生きている事、そんな彼らをまるっと受け入れている「ねこみち横丁」の懐の深さが良いですね。
    そうそう、“地域猫”のデビィも第一話でご活躍で何よりです。

  • 前作からこれも、ちょっと間を開けてしまった。

    とにかく出てくる桃子さんの料理がどれも美味しそう。
    新鮮なトマトを使ったトマトソースのオムライスもいいし、
    いろんなピンチョスも食べたい。
    餃子も、生姜焼きも。
    ここにいる人達はみんないい人達だな~

  • 「BAR追分」 の続編です。

    桃子さんが際立ってみえました。
    前編では、まかない風、家庭風のふんわりしたイメージの
    温かいスープやカレーだったように感じたのですけれど、なんだか
    プロのご馳走に変わってしまったような...と思ったのは私だけでしょうか。

    このたびはねこみち横丁界隈のご近所さんたちのお話です。

    シチューとオムライスの組み合わせ。
    どんななんでしょうね。思いもよりませんでした。試してみたくないます。

    あぁ....あのジャスミンライスの香りを嗅ぎたい。
    う~~ん食べたい~。。

    宇藤くんの人柄のよさがいいです。
    できればこのまま一人でいてほしい気もするのだけれど.....

全157件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1969年三重県生まれ。中央大学法学部卒。出版社勤務を経て、2008年「風待ちのひと」(「夏の終わりのトラヴィアータ」改題)でポプラ社小説大賞・特別賞を受賞してデビュー。第二作『四十九日のレシピ』が大きな話題となり、テレビドラマ・映画化。『ミッドナイト・バス』が第27回山本周五郎賞、第151回直木三十五賞候補になる。このほかの作品に『なでし子物語』『Bar追分』『今はちょっと、ついてないだけ』『カンパニー』など。あたたかな眼差しと、映像がありありと浮かぶような描写力で多くのファンを持つ。

「2020年 『文庫 彼方の友へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

伊吹有喜の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
坂木 司
恩田 陸
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×