あきない世傳 金と銀 源流篇 (ハルキ文庫 た 19-15 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439817

感想・レビュー・書評

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  • 「みをつくし料理帖」の二番煎じ・エピゴーネンかと、今まで手にしないでいた。
    ところが、いざ読み始めてみると、舞台設定、人物造型、物語の展開、どれをとっても「みをつくし…」とは全く趣を異にした作品、それに「みをつくし…」に勝るとも劣らない傑作に、大いに恥じることになった。
    父と敬愛する兄に続けて世を去られ、母と妹とも別れ、大阪の商家に下働きに出た主人公の幸が、今後どういう運命をたどるのか。
    「知恵は、生きる力になる」との兄の言葉を胸に、健気に力強く生きる幸、彼女の人生から目が離せなくなってしまった。

  • 新シリーズの第1巻。まだ物語が開幕したばかりなのだが、『みをつくし料理帖』のように、様々な困難に立ち向かう女性の成長を描いた物語のようだ。

    主人公は齢9つで大阪の呉服商に奉公へ出された、幸。幸の奉公先の呉服商に訪れた危機、持ち前の才能を生かし、商売の知識を貪欲に吸収していくのだが…

    高田郁の小説は女性がなかなか活躍出来ない時代を舞台に様々な困難に健気に立ち向かい、幾多の苦難を乗り越えて成長を遂げる女性を描いた小説が多い。パターンは解っていても、いずれの小説も舞台設定が異なり、ストーリーも面白く、読みやすいので、夢中になってしまう。

    • 林檎飴甘さん
      ことぶきジローさんのレビューで私も読んでみたくなりました。
      まだ1巻だけど面白い!良い物語との出会いになりました。
      ことぶきジローさんのレビューで私も読んでみたくなりました。
      まだ1巻だけど面白い!良い物語との出会いになりました。
      2017/04/17
    • ことぶきジローさん
      高田郁さんの作品はほぼ読んでいます。幾多の苦難を知恵と勇気で乗り越える女性の姿を描いた時代小説が多いのですが、『ふるさと銀河線』という現代小...
      高田郁さんの作品はほぼ読んでいます。幾多の苦難を知恵と勇気で乗り越える女性の姿を描いた時代小説が多いのですが、『ふるさと銀河線』という現代小説もあります。こちらも面白いですよ。
      2017/04/17
  • 満を持して読みました。
    ずっと積読山のてっぺんに置いて、いつ読もうかなっ♪と楽しみにしていて。

    『みをつくし料理帖』の時もそうだったんですが、
    読んでいると姿勢を正したくなるというか、
    まじめに懸命に生きようと思わせてくれるんですよね。

    「学びたい」それが許されない、この時代の女性の哀れ。
    自分がどれほど恵まれた時代に生まれたのか、
    与えられているものの大きさに、いまさらながら気づかされます。
    智蔵、そして菊栄までも…、幸の心のよりどころだったのに…。

    これからどんな”いばらの道”が、幸の行く手に待ち受けているんでしょう。
    父の教えである「商いは詐」それは真なのか…。
    この先にきっとその答えはあるはず。

    そして治兵衛さん、なにやら思いついたご様子で…。
    それが現実にならないことを願いながら、
    次回を楽しみに待ちたいと思います。

  • ハマりました!ドラマもよかったけれどやはり原作はもっといい!続きが楽しみです。
    一気に読みたいようなじわじわと楽しみたいような…

  • 2024年第一冊目。これからが楽しみなスタート。第二巻へすぐに向かいます。

  • 大好きな江戸グルメ小説「みおつくし」シリーズの高田郁先生の次作シリーズ。
    こちらも商売物ですが、食ではなく、着物でした。
    舞台は大阪、江戸時代の商売の本場は江戸街でなくて大阪なんですよね。大阪を舞台にした商売ものは江戸よりシビアというか、縛りも厳しくて途中でのし上がるのは大変なイメージです。
    天保の飢饉で親兄弟を亡くし、9歳で大阪の呉服問屋、五十鈴屋の女衆として奉公にあがった幸。
    女に学問、女に金勘定を任せるなんて認められなかった頃に、只ならぬ才を魅せる。
    父親が学者という遺伝なのか、頭も良く、のちに番頭候補となるべく丁稚奉公している男の子よりも飲み込みが早い。それでも奥の女衆としてしか働く事ができないのが可哀想。
    でも、そこは高田先生の作品ですから、これから幸がのし上がっていくのでしょう。
    五十鈴屋の若旦那が放蕩者なのが、いかにも取って代わるイメージしかないです(笑)
    あいも変わらず、女性が逞しく頼もしく、強い高田作品は読んでいて元気になるし引き込まれます。
    1巻ずつ読むよりも、まとめ読みしたくなります。

  • 大飢饉や家族との別離を経て
    齢九つで大坂天満にある呉服商「五鈴屋」に奉公へ出されることになる
    慣れない商家で「一生、鍋の底を磨いて過ごす」女衆でありながら、
    番頭・治兵衛に才を認められ、徐々に商いに心を惹かれていく。
    「BOOK」データベースより

    ほんでな、ほんで、この呉服屋の3人息子が絵に描いたようなアホなんですわ。
    ということで
    とうとうこのシリーズに手を出してしまった。
    たくさんの読友さんがレビューをあげていて
    面白いことはわかっていた。

    そして読んで幸の故郷はなんとご近所ということがわかる。

    巻頭の地図みたらさ、
    甲山も廣田神社も西宮神社もあるしさぁ、
    俄然身近!

    そうなんだぁ、
    ここから天満まで行ったんかぁ、
    それは遠いなぁ。まだ子どもやのに。

    と、私、宮っ子、幸を応援する所存です。

  • おもしろーい!女衆として呉服屋に行くことになった幸。その呉服屋の主人3人息子が、お互いに息が噛み合っておらず呉服屋は資金繰りに右往左往することに…。幸が商いとは何かを学んでいく主なストーリーと、江戸時代の文化・風習が垣間見えるサブストーリー。思わず続刊を買いました。

  • もう読む手が止まんない、止まんない。時代小説なのに、こんなに登場人物が目の前に生きているように感じられるのは何故だろう。

    『神仏には頼らないけれど笑うことには頼ってみよう』
    幸の生き様を遅ればせながら応援していきたい。

  • みおつくしに通じる新シリーズ。若い主人公が、これから大嵐に会いそう。三男との結婚を望むが、そうはうまく行かなそう。

    • shukawabestさん
      shukawabestです。
      あけましておめでとうございます。
      高田郁さんの本、沢山読まれてますね。僕は昨秋、友人に「銀ニ貫」を紹介され、そ...
      shukawabestです。
      あけましておめでとうございます。
      高田郁さんの本、沢山読まれてますね。僕は昨秋、友人に「銀ニ貫」を紹介され、それで好きになりました。「あきない世傳 金と銀」で11、12月は頭の中を一杯にして過ごし、「契り橋」は購入しましたが敢えて春頃まで焦らそうかなと思っています。これからゆっくり浩太さんを追いかけていくことになると思います。
      今年も宜しくお願いします。
      2024/01/03
    • 浩太さん
      おめでとうございます。いつも有難うございます。
      高田郁さんは「みをつくし料理帖」でハマり、読み続けています。半年に一作と寡作なのが残念ですね...
      おめでとうございます。いつも有難うございます。
      高田郁さんは「みをつくし料理帖」でハマり、読み続けています。半年に一作と寡作なのが残念ですね。
      このシリーズは出だしが暗く、初婚、再婚の辺りはメロドラマのようでウンザリするのですが、そこを通り抜けると、どこまでも登って行く感じで面白くなってきます。付録の一冊が終わり、最後の一冊で終わりが残念です。
      纏めて一気に読めるのも羨ましいです。ぜひ頑張って下さい。
      2024/01/03
    • shukawabestさん
      頑張ります。
      未読の「みをつくし料理帖」も今年のうちに読み切ってしまうだろう、と思います。
      頑張ります。
      未読の「みをつくし料理帖」も今年のうちに読み切ってしまうだろう、と思います。
      2024/01/03
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著者プロフィール

髙田 郁(たかだ かおる)
1959年生まれ、兵庫県宝塚市出身。日本の小説家、時代小説作家。元々は漫画原作者で、その時のペンネームは川富士立夏(かわふじ りっか)。
中央大学法学部卒業後、1993年集英社の女性向け漫画雑誌『YOU』で漫画原作者としてデビュー。その後山本周五郎の「なんの花か薫る」に衝撃を受けて、時代小説の執筆に至る。2006年「志乃の桜」で第4回北区内田康夫ミステリー文学賞区長賞(特別賞)を受賞。2007年「出世花」で第2回小説NON短編時代小説賞奨励賞を受賞。そして2008年に同作を含む短編集『出世花』で小説家デビューを果たした。
代表作に、全10巻で300万部を超える大ヒット『みをつくし料理帖』シリーズ。同作は2012年にテレビドラマ化。2013年に『銀二貫』が大阪の書店員らが大阪ゆかりの小説の中から「ほんまに読んでほしい」本を選ぶ「Osaka Book One Project」の第1回受賞作品に選出、2014年にNHK木曜時代劇にて林遣都主演によりテレビドラマ化された。

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