あきない世傳 金と銀 源流篇 (ハルキ文庫 た 19-15 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439817

感想・レビュー・書評

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  • 学者の父、優しい兄を相次いで亡くし、母と妹と別れて大阪の呉服商五鈴屋に奉公に上がる事になった幸。
    一生下働きの女衆として働く立場に置かれながら、持ち前の明るさと知識欲で、自らの運命を切り開いていく。


    「みをつくし料理帖」の澪と同じく、きっとこの先、幸にはこれでもかこれでもかと事件が降りかかり、その度に知恵と工夫で乗り切っていくんだろうなー、と思いつつ…
    うむむ、澪と違って見た目も美形なので、この先男にも苦労させられそう。

  • 学者だった父と勤勉で優しかった兄を亡くし、天満の呉服屋「五鈴屋」へ女衆として奉公にあがることになった幸(さち)。「商いは詐(いつわ)りなり」と商人を嫌っていた父のことばとは裏腹に、幸は商いとは何かを考えている。番頭の治兵衛はそんな幸に遠回りではあるが丁稚奉公の男児たちと同様に商いの心得を説いていく。

    4代目徳兵衛・二つ名は阿呆ぼん。何故にそんなに阿呆ぅなのか。顔と精力だけしか取り柄なし。お棚潰れるわ! 阿呆ぼんのお嫁様・菊栄の人柄にホッとする。幸にしてみれば姉のような心持ちだっただろう。
    次男・惣次の仕事は出来るがギャンギャンした性格にイラっとさせられるが、そこに意味があることを知るのは次の巻で。
    本ばかり読んでいる三男智蔵に、亡き兄の姿を映しつつ、仄かな想いを持つ幸。
    治兵衛の父のような優しさと厳しさが染みます。

  • 書店にて、急ぎながらもサクッと楽しんで読めるものを探していて、アッ高田郁さんの新刊だ♪と手にして読みはじめてからこれはみをつくし料理帳に次ぐ新シリーズ!と気付きました。(遅い)
    主人公の幸が、多難そうな先行きをどう乗り越えて何を目指すのか、みをつくしシリーズと同様に、いや、幸の年齢が幼い分まだ見えないからそれ以上に生き様を応援しつつ、自分も励まされながら読んで行くんだろうなと思うと嬉しくなった。
    期待大♪

  • 高田さんの待望の新作……
    ちょっと、『花燃ゆ~吉田松陰編~』と『あさが来た』を掠めるけど、
    この作家さんは、作品出すまでに、めっちゃ調べて調べて、練って練って書くひとやから、「あれ……既視感……」とか言うたあかん

    ほんで、やっぱり、主人公は、一旦どん底まで墜ちるけど、大丈夫、最後は幸せになるから


    という、ダメ出しをしても、ぐいぐい先を読ませる。
    面白い!
    ただ、☆ひとつ減らしたのは、最期が雲行き怪しい感じで終わったから。
    友蔵心の俳句……違う(ちびまる子のじいちゃん違う)、智蔵さん……がな
    まあ、彼と離ればなれにはならなあかんのやけど、
    ほら、江戸時代って、女子供に主張なんて許されへん時代に、なんて終わり方を……!
    と、そこだけ。それだけ。

    いっぺん読んでみて!関西弁も堪能して!!

  • 兵庫県に今津の近くに生まれた幸という女の子が天満の呉服屋に奉公に出て、御寮人さんが実家に帰ってしまうまで。
    突然の不幸に見舞われた少女が立ち上がって頑張っていく物語になっていくんだろうなあと想像がつく。けど、これからも読んでしまうんだろうと思う。
    花登筺さんの再来かもしれない。

  • 面白かった!
    主人公の幸が、津門村の生まれで、隣の(少し遠いけど)鳴尾の私は単純に喜んだ。あと、当時の枝川太い!津門川も存在感ある!
    幸、小さいのに可哀想すぎる。数えで9つってまだ8歳やん…。お父さんもお兄さんも亡くして家族とも離れ離れで売られてしまうとは…と早くもここらへんで涙腺決壊した。
    賢いのに、女性だというだけで勉強も出来ないし将来決められてるのが切ない。
    あと、食事が貧しすぎて、というか粗食過ぎてびっくりした。おかずが少なすぎる!何か汁物も出てたみたいだけど、読んでる限りではたくあんの記憶しかない(笑)菊栄が来てから月に2回は魚を食べれるようになったけど。もうこんなん脚気待ったなしやん。
    最後、菊栄と徳兵衛が離縁して、どうなるんやって時に、治兵衛が幸のことをじっと見てるのマジで嫌な予感しかしない。おい、あのアホぼんとくっつけようとか思てへんよな!?アカンで!!

  • 大切な家族を失ったのち、商人の家に奉公に出された幸。

    まずは、大まかな人物紹介といったところ。

    「知恵」は身につけておいて損はない。

  • 2024.01.25 ★3.6


    ↓↓↓内容↓↓↓

    物がさっぱり売れない享保期に、摂津の津門村に学者の子として生を受けた幸。父から「商は詐なり」と教えられて育ったはずが、享保の大飢饉や家族との別離を経て、齢九つで大坂天満にある呉服商「五鈴屋」に奉公へ出されることになる。慣れない商家で「一生、鍋の底を磨いて過ごす」女衆でありながら、番頭・治兵衛に才を認められ、徐々に商いに心を惹かれていく。果たして、商いは詐なのか。あるいは、ひとが生涯を賭けて歩むべき道か―大ベストセラー「みをつくし料理帖」の著者が贈る、商道を見据える新シリーズ、ついに開幕!

  • 時代小説は初めて読んだが、読みやすく主人公の幸の今後の成長が楽しみになった。
    登場人物のキャラ設定も際立ち、昔の古き良き習慣や他人を思いやる気持ちなど、心温まる気持ちになった。

  • 大阪、天満の呉服商五十鈴やに女子衆として預けられた「幸」成長物語。

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著者プロフィール

髙田 郁(たかだ かおる)
1959年生まれ、兵庫県宝塚市出身。日本の小説家、時代小説作家。元々は漫画原作者で、その時のペンネームは川富士立夏(かわふじ りっか)。
中央大学法学部卒業後、1993年集英社の女性向け漫画雑誌『YOU』で漫画原作者としてデビュー。その後山本周五郎の「なんの花か薫る」に衝撃を受けて、時代小説の執筆に至る。2006年「志乃の桜」で第4回北区内田康夫ミステリー文学賞区長賞(特別賞)を受賞。2007年「出世花」で第2回小説NON短編時代小説賞奨励賞を受賞。そして2008年に同作を含む短編集『出世花』で小説家デビューを果たした。
代表作に、全10巻で300万部を超える大ヒット『みをつくし料理帖』シリーズ。同作は2012年にテレビドラマ化。2013年に『銀二貫』が大阪の書店員らが大阪ゆかりの小説の中から「ほんまに読んでほしい」本を選ぶ「Osaka Book One Project」の第1回受賞作品に選出、2014年にNHK木曜時代劇にて林遣都主演によりテレビドラマ化された。

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