捜査組曲: 東京湾臨海署安積班 (ハルキ文庫 こ 3-41)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 288
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758440158

感想・レビュー・書評

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  • 題名の「組曲」通り、安積班のメンバー各人がそれぞれの視点で事件に対応する様を描いた短編集。
    「カデンツァ=無伴奏の即興曲」「ラプソディー=狂詩曲」「オブリガート=対旋律」「セレナーデ=小夜曲」等、各短編の題名も音楽用語を付し、さながら輪舞曲(ロンド)の様相を呈している。
    今回は班員だけでなく、「シンフォニー」では、鑑識係の石倉が主役となり、係への待遇の不満を爆発させる。
    「ディスコード=不協和音」では、チョイ役でしか顔を出さない榊原刑事課長がなんと主役となって、強行班の二つの係への対応で苦慮する様が描かれる。
    「アンサンブル」では、安積に対抗心を燃やす相楽がが、安積のプライベートを考慮するという男気を発揮し、相楽の思いがけない一面が見られる。
    どの短編も、さして大きな事件は起こらず、登場人物たちの人物像を浮き上がらせる話となっていて、彼らの人となりをより理解でき、このシリーズにより深入りしてしまいそう。

  • 今回も安定のおもしろさです。
    いろんな人からみた目線で話が進んでます。
    カデンツァ→安積さん
    ラプソディー→安積さん
    オブリガード→相楽さん
    セレナーデ→水野さん
    ゴーダ→黒木さん
    リタルダント→桜井さん
    ダ・カーポ→村雨さん
    シンフォニー→石倉さん
    ディスコード→榊原課長
    アンサンブル→安積さん
    須田さんバージョンは無かったですね。

  • 自分がミュージシャンなので、タイトル買いしたんだけど、予想を裏切らない内容だった。音楽用語の各章のタイトルが内容とうまくリンクしていて、うーんやるなぁと思った。

  •  湾岸署安積班物語。安定安心の品質。それだけでなんら付け加えることはないし、わかる人にはわかる。ただしさすがにマンネリではある。短篇集なので事件は底が浅く通り一遍、というよりそれが主テーマではない。各篇にひとりずつ主人公を配して人間模様を浮き彫りにするという常套手段だけではもはや新味がない。もうそれぞれの人物月旦は十分読んだので、ここいらでひとつ難事件をひとつ中心テーマに据え、安積班が活躍する本来の警察小説を読みたいところだ。

  • あいかわらずの安積班で、安心して読むことができる。
    メンバーそれぞれの語りなのも面白い。
    ドラマの再放送を見ているので、ついあのキャストで
    読んでしまうw

  • 安積班シリーズの短編集。
    1タイトルずつ音楽用語をつけていてその用語の意味と登場人物を照らし合わせている。
    シリーズの登場人物たちを一人ひとり丁寧に描いていて安積班長以外の登場人物が生き生きとしてて安積さんの視点だけではないところが新鮮だったり。
    余り性格が分からない人たちのちょっとしたエピソードで実はそんなに悪い人じゃないのだと知れて味のある1冊でした。

  • ランティエ連載を2014年7月に角川春樹事務所刊。2016年7月ハルキ文庫化。東京湾臨海署安積班シリーズ10作目。東京湾臨海署の人々の関係と活躍を10の連作短編で描く手腕は秀逸。臨海署内の連携は、それは見事で、拍手喝采ものです。

  • 安定の面白さ。
    短編。

  • 短編集。これは良い。安積班をはじめ、臨海署のお馴染みの面々の事がわかり良かった。解説にあったが、『人を信じるという気持ちの大切さと尊さをいつも思い知らされる。』全くその通りです。

  • このところ多忙につき、読感を書いている時間がない。
    とりあえず、読みましたということで、読了日と評価のみ記載。

  •  今野敏さんの警察小説の中でも、最も息が長いシリーズであり、連続ドラマ化もされた安積班シリーズ。本作は、その安積班シリーズの最新刊である。

     安積班シリーズは、長編も面白いが、本作のような連作短編集にこそ魅力が詰まっていると考える。1編当たりは短いが、きちんと物語があり、人間模様がある。本作では、安積班の面々の視点に加え、安積をライバル視する相楽や、鑑識の石倉など、臨海署の様々な面々の視点で描かれているのが興味深い。

     「カデンツァ」。現実にも聞く、呆れた犯罪。察知したのは…。「ラプソディー」。船上で遺体発見。警察と海保のせめぎ合いは、意外な結末に。「オブリガート」。安積班と相楽班の事案が絡み合う。素直に感謝できない相楽であった。しかし、やるべきことはやる。

     「セレナーデ」。これまた実際にありそうな話。今回のお手柄は…。「コーダ」。先入観で判断する危険性とは。これは読者への戒めでもある。「リタルダント」。忙しいときほど、ゆっくり考えろ。至言だが、なかなかできることではない。

     「ダ・カーポ」。またこのパターンかよ。紆余曲折はしたが、警察は見抜く。「シンオフォニー」。常に忙殺されている鑑識。しかも、相楽がいちゃもんを…。彼らこそ、縁の下の力持ち。「ディスコード」。上層部には上層部の苦悩がある。不協和音も悪くはないって?

     最後に「アンサンブル」。相楽班に失態が続いていた。上層部も気を揉んでいる。こんなとき、安積にできることはない。汚名返上は、自らするしかない。

     全10編のタイトルが音楽用語になっており、しかも内容とリンクしているのが芸が細かい。相楽の扱いが少々気の毒だが、味があって憎めないキャラクターだ。安積班と相楽班、臨海署を支える2つの強行犯係には、それぞれの物語がある。

  • 201607/出てくる全員がキャラ立っててしっかり物語も成り立ってて、ほんと良シリーズ。脇キャラの面々の活躍もあり、彼らを主役にした短編形式ってのもいい。そして速水は毎回いいとこもってくな~笑。

  • このシリーズには短編が似合う。これほど多くのキャラが立っている作品もなかなかない

  • 08月-12。3.0点。
    臨海署安積班シリーズ。短編集。
    一編30ページほど。

  • 2021/1/23 楽天ブックスより届く。

  • (収録作品)カデンツァ/ラプソディー/オブリガート/セレナーデ/コーダ/リタルダンド/ダ・カーポ/シンフォニー/ディスコード/アンサンブル

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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