あきない世傳金と銀 (ニ) (ハルキ文庫 た 19-16 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
4.18
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758440271

感想・レビュー・書評

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  • 「ただ金銀が町人の氏系図になるぞかし」

    ずっるいわ〜
    もうずっるいわ〜

    なによこの引き
    いやもう中身も凄いんだけど、とにかく引きが凄い
    マジなにこの終わり方
    ずっるいわ〜

    はい、もう幸!あれやこれや降りかかります
    でもおっさんは安心しています
    幸本人がほんま頑張るええ子なんだけど
    味方もたくさんいます
    だからきっと大丈夫!
    なんの力にもなれんけどこのおっさんも幸の味方やで!

    しかしずっるいわ〜(何回言うねん)

    これほんとさリアルタイムで追っかけてた人たち、どうしてたの?って思います
    第三巻発売されたの半年後だからね
    この引きで半年間も耐え難きを耐え、忍び難きを忍んだわけでしょ?
    もう尊敬しかないわ
    先達たちに敬礼…く(`・ω・´)

    良かったすぐ次読めて

    ずっるいわ〜

  • 来たね。流れとしてそう来ると思ったよ、惣次!
    やっぱりね。...まあ私的には、許そう。

    阿呆ぼんは、どこまでも完璧な阿呆ぼんでしたな。最後はちょっと、富久さんの気持ちを思うと辛かったよぅ...阿呆ぼん(名前は呼んであげない)。

    しっかし、幸はなかなか心が強い!というか、感情的にならないというか論理的というか...あ、これがきっと「聡い」ということなのですね。でももうちょっと大切にしてあげて〜。

    シリーズ2巻目ですが、私の今1番のお気に入りはお竹が「半眼の仏像」と化すところ、かな。
    素敵です、お竹さん!

  • 物語が動き出す。幸が、五鈴屋の女将さんになり、商いに触れ始めた。夫のだらし無さ、不甲斐なさが際立つなか、まさかの展開。中々、すんなりとは、テイクオフせずに、翻弄される幸。大長編、朝ドラになりそうだ。

    それにしても、惜しむらくは番頭さんの退場。一番の幸の理解者だったのに。でも、引き続き物語に登場してくれるようで、ホッとした。
    一巻での、笑う門には福来る。
    この巻での縁と月日。
    大事な言葉をかけてくれる番頭さんは、まさに良きメンターだ。

    縁と月日
    『物事が成るか成らんかは、ひとの想いや働きだけで決まるもんやない。御神仏の手ェが差し伸べられるかどうかだす。それに加えて、起こってしもた難事を解決するためには、短期はあかん。決して諦めんと、歳月をかけてゆっくりと時節を待て、いう意味やないか、て考えるようになりました』

    『時節と場が与えられて、初めて人はその能力を発揮できる。』中国戦国時代の遊説した孔子などの説客も、殆どが地位を得ずに終わったことからも、そのことが示されるという、半藤一利さんの言葉を思い出す。能力だけで何かができるわけではなく、裏を返せば、自分が少しでも何かをできたのは、場と時節を与えられていたからとも言える。自分でどうにかできることは、限られているし、自分でできると思っていることにもお陰様があるということなんだろう。

    これから、場を与えられた幸が、どう動いていくのか、益々楽しみである。

  • 一生鍋の底を磨く女衆として生きるのでなく、商い戦国時代と言われる困難な時代を知恵を武器に思い切り生きてみたいと五鈴屋の後添えに収まる道を選んだ幸

    商い戦国時代の武将として鎧兜の代わりに、まずは、少しずつ呉服の知識を身につけて、五鈴屋のために知恵を絞りたいと懸命に学んでいく様子に、読んでいる私までがびろうどや縮緬・紗綾などの生地の名前を覚え、鬱金や紅鬱金などの色を学んでいた

    呉服屋だけに、呉服屋仲間の寄り合いに出かける際、婚礼の時、商談の時、折につけて幸が身につける着物と帯の取り合わせの描写にも心が躍った

    卒中風で引退した番頭治兵衛が幸に説く話は、まさに人生訓だ
    「知恵は何もないとこからは生まれしまへん。知識、という蓄えがあってこそ、絞り出せるんが知恵だすのや。商いの知恵だけやない、生き抜くためのどんな知恵も、そないして生まれる、と私は思うてます。せやさかい盛大に知識を身につけなはれ」

    「大坂には昔から、『縁と月日』という言い回しがおます。何と優しい、ええ言葉やろか、と近頃つくづく感心するんだす。物事が成るか成らんかは、人の想いや働きだけで決まるもんやない。ご神仏の手えが差し伸べられるかどうかだす。それに加えて、起こってしもた難事を解決するためには、短気はあかん。決して諦めんと、歳月をかけてゆっくりと時節を待て、いう意味やないか、て考えるようになりました」

    夫婦としての実際の関わりを持つことなく、4代目徳兵衛は、逝く
    最後のページで、弟惣次の口から出た5代目徳兵衛を襲名する条件に、ドヒャーと驚いてしまった
    早く、次巻が読みたい!!
    早く幸が知恵を絞り、五鈴屋を立て直す様が見たい
    ページを捲る手が止まらない

  • 第1巻から読み始め、止まらなくなり、気づいたら朝5時過ぎてました。面白いだろうな、とは思っていましたが、期待以上に面白い。
    1巻の感想で、幸は運が良い、と書きましたが、この巻でもそれは発揮され、阿呆ぼんと結婚はしましたが、いたされず(今観ているドラマでこういう表現をしていて、面白いなと思い、使ってみました)ご寮さんとして、店の内情や商売のやり方を教えてもらい、一生鍋の底を磨く生活から自分の才能を生かせる立場になれて、
    結局良い方向に向かっている。そして、口うるさく非情だと思っていた次男の惣次の実は優しい人柄にもふれることができて、そんな時にまさかの阿呆ぼんの事故死、
    この先どんな運に出会い、そしてどう乗り越えていくのか、本当に楽しみです。
    登場人物それぞれをよく描いていて、どの人にも感情移入してしまいます。
    女衆の竹さん、梅さん大好きです♡これからもずっと幸を助けてあげてくださいね〜

  • 2020年9月5日、読み始め。
    2020年9月12日、読了。


    ●人物メモ

    ・幸(さち)---武庫郡津門村(むこぐんつとむら)生まれで、学者の子。第1巻では、7歳の少女として登場。第2巻では、14歳になっている。

    ・文次郎---綿買い商人。幸よりも30歳位年上。

    ・鉄助---治兵衛の後継番頭。2巻で番頭になっている。

    ・辰吉---丁稚。
    ・安吉(やすきち)---丁稚。
    ・広吉(ひろきち)---丁稚。

  • 今回も波瀾万丈な展開に翻弄されました。

    著者との出会いは『みをつくし料理帖』でした。
    舞台も同じ大阪、商人の町。
    主人公に、次から次へと襲い掛かる災難。

    どうしても澪と比べてしまうんですよね。
    澪は下がり眉が特徴だったせいか、時折しょんぼり見えたりもしたけれど、
    幸は気丈で賢くて、とにかく強い。
    これから成長するにつれ、女性らしい情の深さや弱さが出て、
    少し柔らかい雰囲気になるのかな。


    まさか、まさかのあほぼんが…。
    そして惣次ですか…。
    意外とうまくいきそうな感じもします。
    あぁそれでも、やっぱり智ぼんがいい。

    でも幸なら相手がどんな男性でも、自分の手で幸せを掴み取っていけるんだろうな。

    • koshoujiさん
      うさこ様。この作品とは全く関係なくて申し訳ないですが、
      約10カ月ぶりに小説のレビューを書きました。
      3カ月ほど前に読んだ朝井リョウの「...
      うさこ様。この作品とは全く関係なくて申し訳ないですが、
      約10カ月ぶりに小説のレビューを書きました。
      3カ月ほど前に読んだ朝井リョウの「何様」です。
      あまり面白くはないですが。
      これから少しずつリハビリしていきます。<(_ _)>
      2017/01/11
  • 幼少期から「知恵を授かりたい」との希望を抱いていた幸。そんな聡い子供になったのは、学者であった父よりも、幸を常に優しく教え導いてくれた兄の影響が大きかった事が回想からも見えて来る。
    番頭さんに見込まれて女衆から4代目徳兵衛に嫁いでからの「早瀬篇」。試練に揉まれながらも持ち前の向上心で知識を蓄えつつ自身の道を切り拓いていくであろう幸の今後がまた楽しみ。

  • うわ~今回もジェットコースタームービー並みに激動
    おもしろかった~!!

    学者の娘として生まれたものの父親の死、貧しい生活などから大阪天満の呉服商に女衆として奉公することになった幸。
    幸の天性の商いの才能を見抜いた番頭治兵衛。しかし安泰と思われた呉服商は放蕩息子徳兵衛のアホな金遣いの荒さや兄弟の別離などから大きく揺れ動き始めた。そんな中、徳兵衛の後添えとして幸が嫁ぐことになり…。

    いや~!!あんなアホぼんの嫁に幸がなるなんて~
    幸の乙女のピンチじゃにないのさ~
    ハラハラ~

    でもね…
    「幸は運命に翻弄される弱い女子とは違う。どないな運命でも切り拓いて勝ち進んでいく女子どす」(by治兵衛)なんですよ!

    でもって一難去ってまた一難!
    さあどうする幸~
    次の波は…ちょっと難しそうだ~

    次巻に続く~!

  • 発売されてすぐに購入して、母の病室に置いていた本。
    読みたい本だったのに、最近まで手が出せなかった…

    幸の運命。
    逆らえない激流。
    ラストの展開に、ちょっとほっとしてしまった。

    シリーズ第三弾を読まなくては!!

  • シリーズ第2弾。番頭に見出だされ、紆余曲折の末に奉公先の呉服商、五鈴屋の店主の後添いとなった幸だったが…

    二転三転の展開はあるものの、幸の才覚は未だに生かされず、少しやきもきする。きっと、まだ先は長いのだろう。

    『みをつくし料理帖』は毎回、澪の料理の腕の見せどころがあったのだが、呉服屋の商いともなると、なかなかそうは行かぬのか。

  • 第二巻に入って、あきらかに加速し始めました。
    私もそういう読み方は仕事に差し支えると思いながら二日で読了。
    続きは明日以降にしないと大変だけど、明日も読み耽るんだろうな…。

  • 四代目から五代目へ?
    いいところで終わりますねぇ。
    続きが気になりますが暫し休息

  • 『あきない世傅 金と銀』のシリーズ2作目。

    主人公の幸は、大坂天満の呉服商「五鈴屋」に女衆として奉公していました。
    店主の徳兵衛はまだ若いが放蕩者で、嫁に逃げられてしまう。悪評が広まっているため後添いを探すのも難しく、十四歳の幸を迎えることに。
    「お家(え)さん」として一家を守る徳兵衛の祖母に可愛がられ、番頭の治兵衛にも才を認められている幸だったが。

    女衆からご寮さんになることへの周囲の抵抗もあり、道は険しい。
    徳兵衛は近所への挨拶も欠いたため、外ではなかなか女主人とは扱われないまま。
    それでも、幸はお家さんに尽くし、少しずつ商売のことも覚えていきます。
    こんな放蕩者の妻ではどうなることやら~と案じられましたが、まだ子供過ぎて色好みの旦那にはしばらく放っておかれることに。やれやれ。

    家業を顧みない長兄に不満な次男の惣次は、頑固だが働き者で、しだいに幸の商才に気づいていく。
    この縁はどうなるのか‥?
    『みをつくし料理帖』で大人気の作者、今度はぐっと展開が早いですね。
    今のところは、勉強しつつも、ほぼ耐えている真面目な学生のような幸。
    当時の時代の厳しさも描きつつ、すごい勢いで先へ続きます。
    以下、次巻☆期待できますね!

  • 商売の才能もない。やる気もない。そもそも店主としての自覚もない。
    そんな徳兵衛の後添えになって幸せになれるだろうか。
    読んでいても不安で、どうにかならないものかと、ずっと思いながら読み進んだ。
    幸ではないけれど、「この阿呆ぼんが!!」と何度も怒鳴りつけたくなったのだけれど、女衆から後添えになった幸から離縁など出来ないだろうし・・・。
    ところが急展開が待っていた。
    そうか、そうきたか。
    思わず唸ってしまうような展開だった。
    徳兵衛には気の毒だが、誰にも深く傷つくことのない結着に良かったと胸をなでおろした。
    同じ諦めるにしても、負の方向へ仕方がないと諦めるのと、新しい五鈴屋の明日を思い描いて諦めるのでは意味がまったく違う。

    次巻からはいよいよ幸の商い人としての戦いが始まるのだろう。
    楽しみでしかたがない。

  • 「お前はんは、戦国武将になる器だすのや」と、番頭治兵衛にその才を見染められた幸は、五鈴屋四代目徳兵衛の後添いに。
    さらに、急転直下・・・
    ますます目が離せない幸の人生。今後どう展開するのか、著者の物語の魅力に、すっかり取り込まれてしまっている。
    「みをつくし…」が料理人の道を究めるべくその深化を目指す主人公に対し、「あきない…」の幸は、女衆から御寮さんへ、そして店の発展向上を目指すと、その方向性は異にするが、共に魅力溢れる主人公に、続いて第3弾を。

  • やっぱり面白い!幸の聡さ、波瀾万丈な人生から目を離せません。

  • 1巻ラストを読んで、幸をこんな阿呆ぼんの元に嫁がせるなんてありえへん!番頭さん何てこと考えるのー!ってすんごい憤っちゃいました。
    でも、やっぱりこの時代の人たちは現代の感覚からすると、いい意味でめちゃくちゃ強かですよね。幸も、もちろん嫁ぐことへの嫌悪感はあるものの、それ以上に商いという知らない世界を学ぶことへの知識欲が勝ってご寮さんになる道を選択する。

    結果的に幸がおはぐろをしなくていいまま、ああいうことになりました。
    このあたり若干都合が良すぎる気もしなくはないですが、やはり同じ女としては良かったね!と率直に感じます。
    (阿呆ぼんは色狂いではあったけど、ロリコンでなくてほんと良かった…)

    そして、またラストが気になる感じで終わるやん…。
    兄の死以降、周りの人たちに人生を翻弄されながらも、強く前向きに明るく生きようとする幸はとても魅力的です。次巻も楽しみ!

  • シリーズ2作目。1作目を読んだのが2020年の元旦だったのでだいぶ間が空いてしまったけど、すんなり続きに入っていけました。高田郁、安定の面白さ。

    なんだかんだで五鈴屋のご寮さんに収まった幸。昔の人は、14歳や15歳で、当人の意志お構いなしに親の決めた見ず知らずの人に嫁ぐのが当たり前だったんだなぁ。今の時代からすると、なんだかすごい話だ。
    女衆から突然呉服屋のご寮さんに収まった幸に対する周囲の風当たりは強く、それでも毅然とした態度で己の信念を貫く幸は本当に強い女だ。お家さん、お竹さんお梅さん、卒中で五鈴屋を去った治兵衛らが、そんな幸を温かく見守っていることに救われる。
    四代目徳兵衛がとんでもないぼんくらの阿保ぼんでイライラさせられましたが、阿保ぼんは最後まで阿保ぼんだった…(笑)幸に手を出さなかったことだけは褒めてあげたい。
    最終的には幸には智ぼんと幸せになってほしいんだけど、まだまだ先は長い。続きも楽しみです。

  • 死人の悪口言っちゃあいけないけど、バカは死ぬまで治らないっていうからさ。お家さん、良い人だけどやっぱり甘やかしすぎですよ。もっと早く引導を渡していれば、命ばかりは無くさずにすんだかも知れないけど、そこまで言ったらお家さんが気の毒か。とにかく幸がアホの手籠めにされなくて良かった。そこは本当に良かった。自分を鵺と称したり、縁と月日を胸に刻んで日々を送った幸の賢明さには頭が下がります。毒を吐き出した五鈴屋の将来は明るいのだろうか。先が気になりますが、図書館予約は鈴なりです。早く読みたいなあ。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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