金曜日の本屋さん (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 654
レビュー : 88
  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758440295

感想・レビュー・書評

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  • 北関東の小さな駅のナカにある本屋は
    "読みたい本が見つかる本屋"

    ネット上でこんな噂を目にした大学生の倉井史弥は、訳あって
    父親から無断で借りたまま失くしてしまった本を探すため
    藁をもすがる思いでその駅へと向かう───

    駅ナカにあったその本屋は一見したところ、ごく普通の本屋。
    けれども一歩店内に入ってみると......

    小さな町の小さな駅のナカにある、小さな本屋〈金曜堂〉では
    ユニークオーナーと底抜けに明るい女店長、そして
    黒髪碧眼のイケメン店員が待っていた。

    果たしてその本屋〈金曜堂〉で、倉井史弥の探している本は
    見つかるのだろうか....。

    このお話の中に、実在する名作の数々が登場するとは知りませんでした。
    "ビブリア古書堂"の最終話を読み終えたばかりの次に読むことにしたのは
    まったくの偶然。"ビブリア"にも少し似た、だけどそれとは180度も違う
    新たな本の世界へといざなってくれました。また楽しみな本に出会えて嬉しい♪

    連作された四つのお話のなかでよかったのは
    ・僕のモモ、君のモモ

    渚少年の気持ちが変わっていく様子が微笑ましかった♪^^

    読んでみたいと思った本は
    「長いお別れ」:レイモン・チャンドラー著

  • 夜、眠る前に飲むホットミルクのような、心がほんわか、あったかくなる本屋さん『金曜堂』物語。槇乃店長をはじめ、ヤスさん、栖川さん、そして倉井くんと、金曜堂のメンバーたちそれぞれ個性は違えどもみんな好感が持てます。そして、みなさんただ明るいとか、顔が広いとか、かっこいいとか、坊ちゃんとかそんな表面上の裏には何やら抱えているものがあるようです。金曜堂を訪れる悩めるお客さんも含めて、彼らはこの本屋さんで出会う一冊の本に導かれていきます。一冊の本との出会いの中で、自分自身が気づかない振りをしていたこと、願っていたこと、本当はどうしたいのかなんてことが見えてきます。勿論、本は彼らの心に響く言葉をただ静かに抱いているだけで、魔法のように願いを叶えてくれるわけではありません。それでも、その本との出会いの中でひとつの文章が魔法と同じくらいの力を与えてくれる時があると思います。その力は、彼らひとりひとりが一歩踏み出すための勇気や感動を与えてくれます。そこから、歩きだすには彼ら自身の力がないとダメなんだけれど。だからこそ、本ってなくなっちゃいけないものなんだと思うのです。
    金曜堂で紹介された本は、どれも読みたくなると思います。家守綺譚は大好きな本なので、もっとみんなに知ってもらえたら嬉しいです。

  • 初めましての作家さん。
    ごめんなさい!まったく知らない作家さんでした。
    そして、この本のことも…

    一時帰国中、久々に本屋さんへ。
    何の情報もなく、平台、棚を見て回りました。
    たまたま目に留まったのが平台にあった【金曜日の本屋さん 秋とポタージュ】
    そのタイトルに惹かれ、手に取りました。
    「この本、読んでみたい!」と思ったら、この本は金曜日の本屋さんシリーズ第3弾。
    第1弾はどんな感じ?と棚を見たら、1冊だけ残ってました。
    これはもう”縁”ですよね。
    というわけで、買ってきました。

    辺鄙な駅の中にある本屋さん<金曜堂>
    書店員の南槇乃、栖川、オーナーの和久靖幸。
    高校の同級生である3人が営む本屋さん。
    これだけでも何やら素敵な気配!

    金曜堂を舞台にした4編の連作短編集。
    それぞれに”本”が登場する。

    ■読みたい本なんかみつからない
    倉井史弥は
    ”北関東の小さな駅の中にある本屋は、「読みたい本が見つかる本屋」らしい”との噂を頼りにその本屋へとやって来る。
    彼にはどうしても見つけなければならない本があった。
    その本は庄司薫の『白鳥の歌かなんか聞こえない』
    どこの本屋さんでも買うことができる本。
    実際、倉井君も買っていたのだが、『その本』ではなかった。
    金曜堂でしか手に入らない本だった。

    ”庄司薫”って懐かしい~!!
    『赤ずきんちゃん気をつけて』『さよなら怪傑黒頭巾』『ぼくの大好きな青髭』『白鳥のうたなんか聞こえない』
    高校生のとき、この薫くんシリーズを読みました。
    好きだったなぁ~!!
    金曜堂の3人も高校生の時にこの本を読んでいた。
    何やらとっても嬉しくなってしまった~!

    初版から50年たっているこの本。
    新潮文庫で再刊されているんですね。

    高校生のころ読んでいた本はもう手元にありません。
    また読んでみたい!
    強く思っています。

    ■マーロウにはまだ早すぎる
    倉井君が、金曜堂で書店員のバイトを始めた。
    これからの展開がますます楽しみになる。

    レイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』
    この作家さんも、この本もまったく知らなかった。

    ■僕のモモ、君のモモ
    モモと言えば…
    そう!
    ミヒャエル・エンデの『モモ』です。
    あまりにも有名なこの本。
    日本の自宅の本棚にあります。
    文庫本も出ているのですね。
    また、読んでみたくなりました。

    ■野原町綺譚
    金曜堂はどうしてこんなところに出来たのか?
    その秘密がわかってくる。

    梨木香歩さんの『家守綺譚』
    梨木さんの本はまだ読んだことがありません。

    読んだことがある本は、再読したい!と思うし、読んだことのない本は、手にしたい!と思う。
    好きな本を読みながら、また本に出合う。
    このシリーズは第3弾まで既刊。
    第2弾、第3弾も読んでみたい!

  • 「読みたい本が見つかる」本屋とは?
    本を巡るほっこりミステリー。

    主人公の大学生・倉井史弥には、どうしても見つけなければならない本があった。
    「読みたい本が見つかる」という評判を聞いて、北関東の駅ナカの本屋「金曜堂」に出向きます。
    そこは一見ごく普通の本屋‥
    ところが地下に秘密があったのです!
    ちょっと天然な女性店長・南槇乃は無類の本好き、イケメンの店員がいるカフェがあり、オーナーは金髪でちょっと柄の悪い男。
    じつは高校の同級生だという彼らにも、なにか事情が‥?

    「白鳥の歌なんか聞こえない」「長いお別れ」「モモ」「家守綺譚」を取り上げながら、店に来るお客さんとゆるやかな関係を築き、心を解きほぐしていきます。
    本が題材なので勇んで読みました。上記の作品はどれも以前読んでいます。
    期待過剰だったのか?微妙にキャラがしっくり来ないところもありました。
    それでも、本と本屋の話ですからね。
    続きはいずれ読むつもりで~楽しみにしています☆

  • 小さな駅の中にある「金曜堂」は読みたい本が見つかる本屋、と評判の本屋。
    中に併設された雰囲気たっぷりの喫茶店は、お客の読んでいる本の内容にあったメニューも用意してくれる。
    しかも地下には巨大な書庫!
    これだけ揃っている本屋なら、もう行くしかない!
    でもこの本屋の一番のウリは、書店員達が本を何よりも愛する読書家ということ。
    あらゆる本に関しての知識がとにかく豊富で、探している本が見つからない時は代わりになる別の本を紹介くれる!
    物語の中で登場した本は是非読みたい。
    本が人と人の絆を深めてくれる‼と改めて思えた物語だった。

  • 本屋も駅も、駅中も地下も秘密基地(!)も大好きです。

    「どうせ三年に上がることなく休学するから…」などと寂しそうだった大学生の倉井史弥くんでしたが…
    SNSではなく生で語り合える仲間、一緒に働ける人たちに出会えて良かった。
    明るい倉井くんになれました。
    キャラの印象もハッキリしているし、カフェのメニューにも内容が反映されるほど、本大好きな人たち。
    本当に居心地がよさそうな空間。
    最後の章は少し異質な感じでしたが、「金曜堂」の誕生の背景も具体的に分かったし、続編も楽しみです。

    第一話 「読みたい本なんか見つからない」
    『白鳥の歌なんか聞えない』庄司薫
    病床の父が、むかし史弥に貸した本を返して欲しいという。
    白鳥は死ぬ前にそれはそれは美しい歌を歌うって話だけど…

    第二話 「マーロウにはまだ早すぎる」
    『長いお別れ』レイモンド・チャンドラー
    史弥が捕らえようとした万引き客(?)と、キャンパスで気まずい再会!
    彼女から、ある人物を見張るよう依頼されるが…

    第三話 「僕のモモ、君のモモ」
    『モモ』ミヒャエル・エンデ
    〈金曜堂〉の喫茶部で、時々ピラフを食べている美少年の正体は?
    「僕と友達に、なってください!」

    第四話 「野原町綺譚」
    『家守綺譚》梨木果歩
    今でも辺鄙な野原町の郷土史には、河童も出たし、黒いうわさもあった。

  • シリーズ化は間違いないと思うので
    今回は控えめに評価しました。

    これを書くのはとても難しかったと
    思います。

    金曜堂店長が選んでくれる本は
    名作ばかりですが 誰もが読み終えて
    いるとは限りません。

    現に私が読んだことがあるのは
    梨木香歩さんの「家守綺譚」だけ。

    でも…すべて読みたくなりました。
    読んで再び 金曜堂のみんなに
    会おうと思います。

  • これはかなり私好みの本だ(°▽°)♪読みたい本が見つかる駅の中の本屋、お悩みが解決して心暖まる、話の中で紹介されている本を読みたくなる…と好きな要素がつまっている(^^)ジンが登場するたびに本屋の皆が切なくなっちゃうのが気になるから、早く詳細が知りたい!

  • 何を読もうかとランキングを物色し、上位にあって皆さんの評価もまずまずというところでこの本を買ってみた。
    高校の同級生・男女3名で営む駅の構内にある書店が舞台。
    実在の駅ではないのだろうが、この前、北関東へ出張した時のJRから東武線に乗り換えた駅と、その跨線橋の上にあった書店はまさにそんな雰囲気の場所だったように記憶する。
    ネットで“読みたい本が見つかる本屋”との噂を頼りに、主人公がここに辿り着くところから始まる。
    そこで起こる事件に、本の中身を織り交ぜたお話が4つ。
    「白鳥の歌なんか聞えない」「長いお別れ」「モモ」「家守奇譚」が題材になり、それぞれの作品の中のセリフや文章が物語の要所で再現され、大事な役目を果たす。
    私、チャンドラーの訳者で清水俊二さんや双葉十三郎さんの名前が出たのには思いっきり懐かしいと感じたし。マーロウに出会ったのはもはや大昔。
    それ以外でも結構沢山の本が登場し、書店を舞台にした作品ならではのお愉しみ。
    サクサクと読めて、深みはないが口当たりは悪くない。登場人物の造形も良くある感じだが、悪い感じはしない。(主人公の、ファザコンお坊ちゃま振りと、かわいい女店長への思いが表現されるのが、いちいち鬱陶しいけど)
    主人公と書店の3名の内2名の育ちが明らかにされたが、店長の過去については仄めかされたのみなので、これはto be continued?

  • 気軽に楽しく読めて、でもふいにほろっと泣けるヒューマンドラマ。駅の中にある小さな本屋さんで繰り広げられるあたたかい物語。

    あらゆる本を網羅していて的確な本を見繕ってくれる書店員、小さいながらも本への愛情が感じられる店内、本を片手に美味しい軽食が食べられる喫茶スペースに、無数の本が収納された秘密基地のような書庫。そして本が繋ぐ人と人との縁。本好きの夢が詰まったような作品だった。

    作中で槇乃さんが言うように読書は「究極の個人体験」で、読む人それぞれが自分の中にその本の世界を作っていくものだと思う。だけどそれが誰かと繋がった時の嬉しさって特別なものがある。自分一人であたためてきた世界を誰かと共有することで、世界が広がる。それってすごく素敵なことだなぁと改めて感じた。

    第1話と第3話が特に好きだったな。
    本を通してもう一度通じ合うことができた親子。本に背中を押されて孤独な世界から一歩踏み出せた少年。
    本の世界を共有するのは、心の深い部分を共有することなのかもしれない。
    この作品に登場する本もどれも魅力的に描かれていて、どの本も読みたくなった。

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