食堂のおばちゃん (ハルキ文庫 や 11-2)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758440561

感想・レビュー・書評

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  • 2019.10.09~10.12
    すごくおなかが空く本。どの食事も、おいしそう。食堂のおばちゃんが書いた本だから当然なのかもしれないけれど。
    料理だけでなく、登場人物がすごく優しそうで、温かくて。こんな定食屋、近所にほしい。でも、ダイエットの敵かな。

  • 美味しそうなご飯が目に浮かぶような料理の描写はそれでいてくどすぎず、読者の想像をほどよく掻き立ててくれる。料理の手間や予算による献立の兼ね合いなども嫌らしくない程度に触れられていて、この手の作品によくある「愛情たっぷり手間ひまたっぷり美味しい美味しい人情ほっこり」だけではない現実的な「食堂の仕事としての料理」が描かれていて良かった。

  • 土曜日半日で楽しく読んだ
    「食べるのと食べさせるのが好きじゃないと。。」そうね。そうね。美味しいって顔見るのもするのも楽しいことだね。

  • 東京の佃にある「はじめ食堂」は、嫁の二三と姑の一子が切り盛りする定食屋。夜は居酒屋を兼ねており、飽きの来ない家庭的なお惣菜の味が馴染み客の胃袋を日々満足させている。
    そんな「はじめ食堂」の季節の移り変わりに合わせた料理の数々と、古い馴染み客を中心に、小さな事件とその行方が描かれる。仲の良い嫁の二三と姑の一子の年齢が自分と義母と全く同じとくれば、もうどっぷりと本の世界に入り込み、元は名の知れた洋食屋だった店が定食屋になった理由、嫁姑二人が力を合わせて店を続けている事情、客同士とおばちゃんたの人情溢れるやり取りに一話目から涙腺崩壊…。

    毎日でも通って食べたくなる食堂のメニューに夏の疲れも薄らいで、さて鰯のカレー揚げを作ってみたい、変わりコロッケも食べてみたい、お揚げと千六本の大根の味噌汁も、特製タルタルソースのエビフライも、すりごまがたっぷり入った白和えも、タラコと白滝の炒り煮も…と食い入る様に読んでいたら最後に本の中の料理の「おばちゃんのオススメレシピ」が付いていると言うサービスの良さ。

    本の中に出てくる料理研究家の瑠美先生に「ここは本当にまっとうな、美味しいものを出してくれたわ」と満足のため息をつかせる様な、素人が作る心のこもった料理。大人の階段を十二分に上って来た(つまり年取ってきた)二人は、自分達の体力もよく考えて無理な見栄やこだわりを持たない所もとても良い。二杯酢のかわりにゆずぽんを使うとか、労力を極力省く献立の工夫。それは楽をするとか手抜きとは違う事を教えてくれる。そして読むほどに彼女達の平凡でまっとうな生き方に羨望さえ感じている自分がいた。

    で、とりわけカッコイイのは亡くなった一子の夫だ。そう、この店で洋食屋を始めたシェフ!何!何なのこの男気、かっこよさ!しかも高倉健さんみたいに男前。彼を知る人の思い出の中のいぶし銀の様な面倒見の良い兄貴っぷり、良い男ぶりは、仏壇の写真になっているのに反則では無いのだろうか(笑)

  • 出てくる料理がどれも身近なものばかりでとても美味しそうです。レシピはもちろんですが、下ごしらえの描写が興味深いです。社員食堂にお勤めだった山口氏ならではですね。

  • 作者が食堂勤務していたときいて、図書館で見つけたときにおもわず手にとった本。やっぱり、調理のシーンやら買い出しのシーンなんか読んでみると、リアルだなと感じた。

    母にも読ませたら、巻末のレシピがおいしそうだったので、コピーしてみました。

  • 小説界は、グルメ、あやかし、異世界と花盛りの今日このごろ。 そして連作短編という。各社編集さん、そろそろ考えてもいいんじゃないでしょうか。

    今はもう新作が読めなくなって久しいので、そろそろ新しい作者さんはいるだろうか、と毎回挑戦してるんだけど。

    おばちゃん二人で営む、昼は定食、夜は居酒屋が舞台。 そういえば、定食屋さんってどんどん減ってきてるな。 どのお話も際立ったものはないけれど、読後感がよく、またなんか作りたくなるようなお話。とくに白滝の副菜は挑戦してみたいけど、築地まで行ったらコスト高くなるw もう1冊あるようなので、そちらも読むと思う。

  • 2017年9冊目。

    姑の一子と嫁の二三が営む「はじめ食堂」は、心と体と財布に優しい定食屋。
    おいしい食事と豊かな人情を求めて、きょうも食堂は常連客でにぎわう。

    元食堂のおばちゃんの作品だけあって、調理のシーンは、手際よく、生き生きと描かれています。

    単行本を借りて読んでいたのですが、登場した料理のレシピが文庫本の巻末にも収載されていると知り、つくってみたく文庫本を買いました。

    姑の一子は、かつて佃島の岸惠子とうたわれた美貌の持ち主とあるから、映像化の際はぜひ岸惠子さんを!
    二三は松坂慶子さんなんていかがでしょう?

  • 佃島で家庭料理の食堂を営む仲良しの嫁と姑。何気ない家庭料理、でも一工夫してあり毎日通う常連達に支えられている。
    出てくる料理が、どれも美味しそう。

  • 食堂に行きたくなった。近所にこんな食堂があったら いいなぁ。
    もともと食堂って好きだけど 最近フツーに美味しい食堂ってなかなかないよね。
    続編も読みたい。

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著者プロフィール

1958年、東京都江戸川区生まれ。早稲田大学文学部卒業。松竹シナリオ研究所で学び、脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年、『邪剣始末』で作家デビュー。2013年、『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞。その他の著書に「婚活食堂」「食堂のおばちゃん」「ゆうれい居酒屋」シリーズや、『風待心中』『ゆうれい居酒屋』『恋形見』『いつでも母と』、共著に『猿と猿回し』などがある。

「2023年 『婚活食堂9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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