あきない世傳金と銀 三 奔流篇 (ハルキ文庫 た 19-17 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
4.11
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本棚登録 : 2090
感想 : 230
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758440684

作品紹介・あらすじ

大坂天満の呉服商「五鈴屋」の女衆だった幸は、その聡明さを買われ、店主・四代目徳兵衛の後添いに迎えられるものの、夫を不慮の事故で失い、十七歳で寡婦となる。四代目の弟の惣次は「幸を娶ることを条件に、五代目を継ぐ」と宣言。果たして幸は如何なる決断を下し、どのように商いとかかわっていくのか。また、商い戦国時代とも評される困難な時代にあって、五鈴屋はどのような手立てで商いを広げていくのか。奔流に呑み込まれたかのような幸、そして五鈴屋の運命は?大好評シリーズ、待望の第三弾!

感想・レビュー・書評

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  • 「ただ金銀が町人の氏系図になるぞかし」

    いよいよ面白くなって来ましたよ!

    新たな夫となった五代目徳兵衛こと惣次の理解もあり、本格的にあきないの戦国武将への道を歩み始めた幸
    幸が商売にからんでくることで俄然面白くなってきたのですが…

    いやぁやっぱ人の根はそんなに簡単には変わらんものなのかね〜
    もうバカ!ほんと男はダメだわ!
    結局のところあきないってものを分かってないのよ!(自分は分かってる立ち位置での発言)
    結局大事なのは「信」なのよ!

    そして、相変わらず引きが強い!
    どうなるの?どうなっちゃうのよ五鈴屋は?!
    そして幸は?!

    • ひまわりめろんさん
      徳川吉宗の治世だから澪の100年くらい前だわ
      徳川吉宗の治世だから澪の100年くらい前だわ
      2023/09/14
    • みんみんさん
      江戸からが更に面白いだす!!
      何巻からかな?まだまだ?
      江戸からが更に面白いだす!!
      何巻からかな?まだまだ?
      2023/09/14
    • ひまわりめろんさん
      知らんわ!だす
      知らんわ!だす
      2023/09/14
  • 主人公幸の影が薄い...。周りのキャラが濃すぎるからか?「私の陰に...」のセリフもなんや多いし。
    もっと幸の商才が見たいわ〜と思ってたら!ら!

    ついに動きましたよ!未来の商いの戦国武将が。
    最後の数ページで、それを予言するかのような動きがドドドドドッと。みんなビックリよ。
    でも女子に手を上げてはいけませんよ、惣次!

    これは次巻の動きが楽しみですねえ〜。

  • シリーズ第三弾。
    ますます面白くなってきました。
    きものが好きなので、西陣、桐生、丹後ちりめんの由来も興味深く、
    仕入れる反物を生糸から見直そうとするあたり、わくわくしました。

    「力を貸してほしい。商いの道で知恵を絞ってほしい。」
    惣次に望まれ、四代目の後添いから五代目に嫁ぐ決意をした幸。
    二度めの祝言の席で嫌味を言われながらも、
    「笑って、勝ちに行く」と毅然と振る舞う幸の姿にほっとしていたのに…

    あぁ、どうしてこうなっちゃうんだろう…
    二人三脚で五十鈴屋を盛り立てていくのかと思いきや、
    そう簡単に、幸せにはしてくれないんですね。
    たしかに商いの才能には長けていても、
    情に薄い人のような気がしていました。
    聡明すぎる女房への嫉妬にかられる惣次の気持ちも、
    わからなくはないけれど、手を出したらいけない。

    治兵衛は「影に隠れる振りをして、旦那さんを掌でうまく転がしなはれ。」と助言してくれたけれど、幸にそれができるのか心配。
    幸の心のよりどころである治兵衛には、少しでも長く元気でいてほしい。

    本書に登場する治兵衛の好物・江州名物鮒鮨。
    昔頂いた時、その強烈な匂いに負けて食べられなかったんですが、
    再チャレンジしてみたいです。

  • 人気の高田郁「あきない世傅 金と銀」シリーズ3作目。
    2作目のあっと驚く結末から‥?

    幸は、大坂天満の呉服商「五十鈴屋」に奉公に出ていた真面目な娘。
    店主の祖母である「お家(え)さん」と、番頭の治兵衛に、働きぶりと素質を認められ、四代目店当主の後添いに。
    ところが、商売に身が入らない四代目は、まだ幼さの残る幸を認めることもないうちに、あっけなく‥

    次男の惣次があとを継ぐことになりますが、その条件として、幸を嫁に迎えたいと宣言します。
    兄が全然気づかなかった幸の一見地味だがりりしい美しさも、その知恵も、惣次は気づいていたのです。
    「力を貸して欲しい」と言われた幸は、「お心に添います」と。

    前よりは、よほどまともな関係に。
    ではこれでおさまって上手くいくのかというと、良いこともありましたが、良くないことも‥?
    惣次は仕事熱心だけれど、元々かなりきつい性格でもあり、不景気で厳しい時代だから必死でもあり。

    呉服商ということで、当時の絹織物の産地や商売の有り様が具体的に描かれていて、興味深い。
    幸の熱意と工夫がどう生かされるのか?
    またまた、あっと驚く急展開で以下次号!(笑)
    4作目をこれから楽しみに読みます☆

  • 2020年9月12日、読み始め。


    ●人物メモ
    ・幸(さち)---武庫郡津門村(むこぐんつとむら)生まれで、学者の子。第1巻では、7歳の少女として登場。第2巻では14歳、第3巻では17歳になっている。

    ・文次郎---綿買い商人。幸よりも30歳位年上。

    ・鉄助---治兵衛の後継番頭。2巻で番頭になっている。

    ・賢吉---丁稚。治兵衛の息子。
    ・辰吉---丁稚。
    ・安吉(やすきち)---丁稚。
    ・広吉(ひろきち)---元丁稚。2巻で手代・広七になっている。


    ●色メモ
    ・刈安色(かりやすいろ)---青色がかった黄色。


    196頁まで読んで、図書館に返却。

  • 四代目徳兵衛の後を継ぎ、五代目徳兵衛となったのが弟の惣次。
    幸の商売の才能を認めていた惣次は幸を嫁にすることを条件とした。

    奉公人には厳しすぎるが、商いには真面目で、何よりも幸を思う惣次の嫁になった幸。
    これから二人で困難を乗り越え、五鈴屋を盛り立てていくのかと思ってたら…

    え”====!!!!
    こんな展開になるの?!
    幸はどうなるのよぉ!!

    あ~、もう続きが読みたい!!!

  • 動き出した物語。いよいよ、幸が商いに関わる。漸く、安定して、新しい夫に愛されて物語が続くのかと思いきや、早くも立ち込める暗雲。上手くいっていたのに、強欲な資本主義の権化に夫が陥ってしまう。中々、上手くはいかない。

    今回も、色々学ぶ。

    間に入って叱責された人に、叱責した人の本意、何故そういうメッセージになったかの心情を解説してみせることで、人を繋ぐ糸口を引き出す幸。
    そして、不安に悩む番頭に、客観的な状況を伝えて視野を広げること。
    良い働きするなぁと。

    図太く生き、笑って勝ちに行く。

    そうありたいものだ。

  • 江戸に出店し、日本一の呉服商になるために力を貸して欲しいと言う5代目徳兵衛の力になりたいと妻になることを決めた幸

    夫婦で知恵を出し合い、浮世草子の余白に「五節季・五鈴屋」と広告を載せる、名前入りの傘を配るなど着々と五鈴屋の名を広め、江戸進出への足がかりを固めているかに見えたのに・・・

    商い戦国時代の武将になって、女衆であっても商いに関わることができる道筋を整えたい、表の奉公人と分け隔てなく、学ぶ機会を与えられたら・・と進むべき道を模索し続けている幸に対して、
    「女子やさかいな、強うのうてええ。私の陰に居ったらええ」
    「わての子を産むことだけ考えとったらええ」
    折につけ、女子であることを強調する5代目徳兵衛
    順調かに見えた夫婦仲も少しずつずれ始める
    要は、5代目は幸の才を全て抱え込める器ではなかったということか
    女であることを理由に、数多の才能が葬り去られてしまったのだろう。幸が生まれる時代が300年遅かったら、思う存分、力を発揮できただろうか

    この巻でも治兵衛の言葉が光った
    「大坂商人いうんは、金銀に汚いようで実はそうでおまへん。始末に始末を重ね、意地汚うに貯めて、使う時は綺麗に使う。金銀を動かしはしても、金銀に動かされまへん。血の通わぬ金銀に命を吹き込むのが、ほんまもんの大坂商人だす」

    『徳は、得に通じる』のいうことも、商いに限らず、社会生活を営む上での真理だろう

    隠居届けを出して失踪してしまった5代目徳兵衛
    五鈴屋は、どうなってしまうのか!

  • 学者の娘として生まれた幸。父親の死がきっかけで大阪・天満の呉服店「五鈴屋」女衆となるが、その聡明さを買われて三代目徳兵衛の後添えに。しかし三代目が急死。
    弟の惣次が四代目を継ぐことになるが、惣次が出した条件が「幸を嫁に」ということだった…。

    ありゃま!幸~ついに惣次の嫁に!?
    私としては三男の智ぼんと一緒になってほしい~
    ってなことをモヤモヤ思いつつ
    幸の商才は惣次と組んで花開いていくことに…
    「江戸に打ってでるで~」
    と息巻く惣次と新しいアイデアで夫を支える幸
    上手くいくかと思ってたのに…
    あ~もう!
    「女は前に出るんじゃない。」的な…

    惣次はあせっちゃったんだよね~
    「やばっ!俺、嫁より商才ないんじゃない?俺、商いの天才やのに~」
    ってことでちょっとずるい考えが…

    さてさて一難去ってまた一難
    幸と惣次はこの局面をどう乗り越える?

    やっぱりあきない(仕事)は「真心」と「信頼」が大切よね。
    響いたわ~

    4巻へ続く~!

  • いよいよ商いの道に本格参入ですね。
    幸のこれからの活躍に期待。
    時代小説はあまり得意ではないのですが、その時代の言葉や背景の勉強にもなりますね。

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著者プロフィール

髙田 郁(たかだ かおる)
1959年生まれ、兵庫県宝塚市出身。日本の小説家、時代小説作家。元々は漫画原作者で、その時のペンネームは川富士立夏(かわふじ りっか)。
中央大学法学部卒業後、1993年集英社の女性向け漫画雑誌『YOU』で漫画原作者としてデビュー。その後山本周五郎の「なんの花か薫る」に衝撃を受けて、時代小説の執筆に至る。2006年「志乃の桜」で第4回北区内田康夫ミステリー文学賞区長賞(特別賞)を受賞。2007年「出世花」で第2回小説NON短編時代小説賞奨励賞を受賞。そして2008年に同作を含む短編集『出世花』で小説家デビューを果たした。
代表作に、全10巻で300万部を超える大ヒット『みをつくし料理帖』シリーズ。同作は2012年にテレビドラマ化。2013年に『銀二貫』が大阪の書店員らが大阪ゆかりの小説の中から「ほんまに読んでほしい」本を選ぶ「Osaka Book One Project」の第1回受賞作品に選出、2014年にNHK木曜時代劇にて林遣都主演によりテレビドラマ化された。

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