金曜日の本屋さん―夏とサイダー (ハルキ文庫)

著者 : 名取佐和子
  • 角川春樹事務所 (2017年2月14日発売)
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  • レビュー :37
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758440714

金曜日の本屋さん―夏とサイダー (ハルキ文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 前作から随分と時間をおいてしまったけれど、読んでいる内に思い出した。

    「読みたい本が見つかる本屋」と評判の駅ナカ書店〈金曜堂〉は地元に密着した本好きのための本屋。
    今回も本好きにはたまらない言葉のオンパレード。
    「読書って不思議だ。どんな本でもその中に必ず、今の自分が必要としている言葉がある」
    「読書は自由だ。物語は読む人が自由に受け取ればいい」
    「人は他人の心は動かせないけれど、自分の心の穴を自分で埋めることはできる」

    今回は前作での謎が解き明かされ、そのことにより〈金曜堂〉のメンバーも心乱されることになる。
    けれど本や仲間達のお陰で立ち直り、新たな絆も生まれた。

    この作品の中で「偽電気ブラン」や、黒髪ならぬ「パープル髪の乙女」に出逢えて嬉しかった。
    他の作家さんが描くモリミーの世界もまた楽しい。

    そして〈金曜日の読書会〉に私も出席してみたい。
    私のための「本への扉」、私にも見つかるかな?

  • 前作では朧気だったジンさんの輪郭がはっきりしてきました。五十貝迅、それが彼の名前。彼が金曜日の読書会でどんなにみんなに影響を与えたのか、どんなにみんなに愛されていたのか、どんなに笑顔が素敵だったのか、そして八年前どんな風にこの世を去ったのか。その死は槇乃店長や栖川さんヤスさん、そして恩師のオットー先生の心をどれだけ凍らせ傷つけたのか。彼の死の真実が時を経てわかったとはいえ、槇乃店長の心の傷はすぐに癒されるはずもなく、逆に今まで気を張っていた部分がぷつりと切れてしまったかのようでした。
    時には、亡くなった人への想いが強ければ強いほど、それは生きている人への足枷となることがあるのでしょう。あんなに本が好きで沢山の素敵な言葉を持っていて、未来に夢を持っていた人が、もう新しい本を読めない、広い世界を見ることが出来ない、そしてその死の真実は封印され、未来永劫彼の名は非道い仕打ちを受け続けなければならない。そんな人を置いて、自分だけ前へ進めない、進んではいけないと思ってしまうのでしょう。
    けれど今彼女たちの周りには、八年前とは違うお客様という仲間も増えています。倉井くんという新メンバーもいます。そして、金曜堂には沢山の本に託された、希望や夢、未来が溢れているんじゃないでしょうか。決して前へ進むことは、いなくなった人を置き去りにすることではない、そう槇乃店長は自身の心に決着をつけたようです。
    これから金曜堂は新しい扉を開いていくのでしょう。楽しみですね。

    《クニットをなぐさめるのは、だあれ?》

  • 今回もたくさんの本が登場!(^o^)♪そして前回、気になっていたジンの事も明らかに!(゜゜;)なんとなく嫌~な感じはしていたけれど、予想を上回る辛い話(ToT)本に心を救われる事もあるけれど、やっぱり身近な人が暖かいのは良いな~(*^^*)店長が羨ましい!

  • シリーズ第2弾。
    3人の同級生で今は亡きジンさんの姿が、よりはっきりと見えてくる巻(かな?)。

    様々な本を紹介するだけでなく、重たいことも問いかけてくる作品です。

  • 北関東にある欲しい本が必ず見つかる本屋さんの話、シリーズ2作目ですかね。

    小説中に、いくつか本が出てくるのですが、どれも読んだことがなく
    また、読んだことがあっても、私にとっては今一つ、っていうのばかりなんですけれど
    (2・3作目を一気に読んでしまってから、
    今まとめてレビュー書いているので、どっちかわからなくなりましたが
    『夜は短し歩けよ乙女』途中でギブアップ でブクログ登録なし
    映画で観た『ノルウェイの森』。 ????
    『ハルさん』ブクログ で★は3つにしてました。

    でも、1作目のレビューにも書きましたが
    槇乃さんの「読書は究極の個人体験です」という発言は、いいですね。
    (私、プロフィールに書きましたが、読書感想文を書き直しくらってから
     20年程読書から遠ざかってましたから)

  • 今作もこんな本屋さんがあったら行ってみたいと思いながら読了。ラスト、やっと未来の光が見えてまた次回作も楽しみになった。こうして好きなシリーズが増えていくのが嬉しいと思えた一冊。

  • 相変わらず、様々な本の話題に触れることができて幸せな気分になります。本作はなぜかミステリー風に書かれている部分が増えました。
    ほんわかな本の話題と、ちょっぴり重めのお話と、ミステリーチックな表現
    それぞれが良いところを潰しているような、生かしているような判断が難しい印象を受けました。うーん難しい。
    秋とポタージュがどのようになるのか、楽しみです。
    ひとまず夏への扉買わなくちゃ!

  • “読みたい本が見つかる”と評判の駅ナカ書店・金曜堂は、アルバイトの倉井以外の三人全員が、地元・野原高校出身者。その金曜堂に、夏休みを前に現役野原高生・東膳紗世が訪ねてきた。「これぞ青春!」という高校生活を送りたい紗世は、卒業アルバムで見た店長の槙乃をはじめとする「読書同好会」メンバーのキラキラした姿に憧れ、会を復活させたくて相談にきたのだという。けれど、大の本好きなはずの店長の反応が意外にも薄くて…。人と本との“運命の出会い”を描く大好評シリーズ、第二弾。

    本好きの心を揺さぶるブックガイドみたい。
    どれも馴染みのある、マニアックすぎない選書なので、とっつきにくい印象は受けずに「読んでみたい」と思わせてくれる。

    南店長の心の闇が少しずつ明らかになる本作。
    残酷な過去が明らかになるけど、倉井くんも一歩踏み込んで行動できるように成長している!
    次作も期待!!

  • 読みたい本が見つかる駅ナカ書店「金曜堂」のお話、第2弾。
    僕・倉井史弥 アルバイトの大学三年生
    店長・南槇乃と、カフェ担当の美青年・栖川、オーナーのヤスこと和久の3人は同じ高校出身。

    史弥が心を寄せる槇乃さんには秘密があるらしい。
    それも、過去の、男性にまつわる、哀しい記憶のようだ。
    知りたいけれど、知ってはいけない気がして、たずねる事ができないでいた。

    それが明らかになる。
    つらく、衝撃的な出来事。
    槇乃たちも、サークルの顧問だった教師も、責任を感じ、重い物を背負っていたのだ。

    しかし、解き放ち、乗り越える時が来たようだ。

    第1話 何番目かの読書会
    『六番目の小夜子』恩田陸
    槇乃たちの後輩に当たる、野原高校の沙世は「金曜日の読書会」を復活させたいのだが、古典の音羽先生・通称オットーが、顧問を引き受けてくれない。
    先生にも閉ざされた過去があるようだ。

    第2話 パンやのクニット
    『さびしがりやのクニット』トーベ・ヤンソン
    パン屋さんのご夫婦の危機!
    本の読み方も人生も、心持ち次第で大きく変わる。

    第3話 夏は短し励めよ読書
    『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦
    大谷正矩元官房長官の逮捕。
    野原高校OBとの意外な接点。
    1巻目から出ていた議員の名前だったが…
    青春の日の挫折と、人生の様々な悔い、けじめをつけること、やり直すこと、消せないこと、さまざま。

    第4話 君への扉
    『夏への扉』ロバート・A・ハインライン
    駅猫が素敵なゲスト。
    大好きな場所に繋がっている希望の扉は…きっと…ある。

  • 一作目は自分が、少し否定的な読み方をしていたのかもしれない。今作はすんなり、良い話だなぁと感じた。
    「金曜日の読書会」の暗い過去の話は、切なかった。
    実際、以前に起きた日本拉致、監禁事件のときの「自己責任」という悪意の含んだ言葉は当時、聞いていてとても不快だった。それを当事者、関係者ともなるとその気持ちは計り知れない。メンバーがどう乗り越えていくかは、まだ少し先の話かな…

    「読書って不思議だ。どんな本でもその中に必ず、今の自分が必要としている言葉がある。」
    「読書は自由だ。物語は読む人が自由に受け取ればいい。だけど自分の読み方で苦しくなるのなら、誰かが物語への新しい視点を伝えることは、大いにアリでいい。」
    心に残った主人公、倉井の言葉。


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