カラス屋の双眼鏡 (ハルキ文庫 ま 15-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 151
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758440783

作品紹介・あらすじ

『カラスの教科書』で一躍人気者になった松原先生は、動物行動学者。研究対象のカラスをはじめ、鳥、ムシ、けもの、微生物。頭上も足元もあらゆる生き物で賑わうこの世界は、先生にとって楽しみに溢れた宝庫です。ときにカラスと会話しながら研究に勤しむかたわら、カラスのヒナを世話し、炎天下の川原でチドリの巣を探し、ときに大蛇を捕まえ、猫王様の機嫌を伺い、夕食を釣りに行く-すべての生き物への親しみをこめてユーモアいっぱいに語る、自然科学の身近なおはなし。

感想・レビュー・書評

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  • カラスだけではなく、屋久島のサル、河原のチドリ、ハエトリグモ、ヘビなど取り上げられた生物は多彩だ。中でも印象的なのは生態調査の時の二つの話。屋久島の森での遭難一歩手前のエピソードと、林道奥のキャンプ地での幽霊の話だった。『カラスは飼えるか』で書かれた内容と重複するような話もあったが、それはそれで嫌ではない。ただ、ムツゴロウさんこと畑正憲氏の動物エッセイが、いかにバラエティに富んでいたことかを思わずにはいられなかった。

  • カラスの研究でおなじみの松原先生、カラスに限らず人間の近くにいる動物たちと、動物行動学を学ぶ学生たちのアルアル。鳥たちのイラストも研究者ならでは。

  • 図書館で。
    動物行動学のフィールドワーク、大変そう。
    街中のカラスも本気で追いかけようとしたら大変なんだなぁ… 
    ヘビの辺りが面白かったです。
    昔、近所のおじさんが蛇は尾の先でもち上げると大丈夫って掴んでたなぁとかそんなことを思い出しました。

  • カラスも、その他の鳥や動物も。
    筆者の動物愛が溢れてて読んでて楽しさが伝わってくる。

  • カラス屋の雑記帳。
    わりとシビアな、生死に関わる事がぽつぽつと書かれているので、苦手な人は注意。

  • カラス屋の日常を書き連ねた、エッセイのような。
    カラスの教科書でお馴染み(?)松原始さんの本ということで手にとったが、やはり松原さんは面白い。いや、生物学者というのは面白い。

    ハエトリグモとは遊ぶけど、ヘビとはあまり出会ったことがないなぁと、カラス屋の日常なのに鳥類ではない感想を持って読み終わりました。

  • カラスが専門の生物学者のエッセイ。生き物への目線、感傷的過ぎず冷徹すぎない距離感が絶妙で、軽妙な文章も精緻な挿絵もすごく上手いので読んでいて心地よい。

  • カラスくんでお馴染みの松原先生の生き物エッセイ。景色を見ているだけでこれだけいろんなことが楽しめるなら、すごく豊かな人生だと思う。

  • 「カラスの教科書」で、私をカラサー(カラスのファン。私の造語です。)にした松原さんの最新作。本書では松原さんのファンにもなりました。
    松原さんの優れた観察力、推察力、記憶力は、カラスだけでなく、サル、ネコ、トカゲ、ヘビ、クモ、アリ…生き物全てに注がれているのだと思いました。
    序章の研究者夫婦や、終章の最後の言葉「足下に目をやるだけで、この世界が決して退屈なものではないと思えるなら、この世界も捨てたものではないだろう。」を読むと、
    この世がつまらないだって?きみの足下や頭上を見てみなさい。そこに楽しみや幸せがあるじゃないか、と言われているようです。

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著者プロフィール

1969年、奈良県生まれ。東京大学総合研究博物館特任准教授。
京都大学理学部卒業、同大学院理学研究科博士課程修了。
理学博士(京都大学)。専門は動物行動学。
著書に『カラスの教科書』『カラスの補習授業』(雷鳥社)、『カラスと京都』(旅するミシン店)、『カラス屋の双眼鏡』(ハルキ文庫)、『カラス先生のはじめてのいきもの観察』(太田出版)など。

「2018年 『鳥類学者の目のツケドコロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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