あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇 (時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 669
レビュー : 123
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758441100

作品紹介・あらすじ

江戸時代中期、長く続いた不況を脱し、景気にも明るい兆しが見え始めた。大坂天満の呉服商、五鈴屋でも、五代目店主の惣次とその女房幸が、力を合わせて順調に商いを広げていた。だが、徐々に幸の商才を疎むようになった惣次は、ある事件をきっかけに著しく誇りを傷つけられ、店主の地位を放り出して姿を消す。二度と戻らない、という惣次の決意を知ったお家さんの富久は、意外な決断を下す。果たしてその決断は五鈴屋を、そして幸を、どのような運命へと誘うのか。大人気シリーズ第四弾!

感想・レビュー・書評

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  • しばらく積読状態でしたが、やっと読めました。

    しかし、まさかまさかの急展開!
    回り道をしたけれど、ようやく納まるところにといったところでしょうか。

    ただ、幸の淡い初恋が実ったのはとても嬉しいのですが、
    あまりにあっけなくて…
    もう少し智蔵と結ばれるまでのドキドキを味わいたかったなぁ。

    結果として四、五、六代目に嫁ぐことになった、聡くしっかり者の幸ですが、
    この聡明すぎるところが、最終的に惣次を追い詰めてしまった部分もあったような気もするので、
    智ぼんには、幼い頃の幸のようにもっと甘えて欲しいです。

    それにしても、惣次は今どこで何をしているのでしょうか…
    たぶん今後またかかわって来ますよね…怖い…。

    茂作の行商のための風呂敷や、留七と伝七への情け、
    菊栄との再会、心の中で拍手しました。
    特に人形浄瑠璃の観劇の仕掛けは幸の本領発揮ですね。
    後は、もう少し富久に生きていてほしかったです。
    表紙の桑の実色の着物が素敵♪

    すべては人の情けに繋がっていく大勝負に期待しています!

  • 人気シリーズ4作目。
    1作目も2作目も3作目もあっと驚く結末でした。
    そして?

    幸は、大阪天満の呉服商「五十鈴屋」に女衆として奉公していました。
    店主の祖母である「お家(え)さん」と、番頭の治兵衛に認められ、四代目店当主の後添いに。
    ところが、放蕩者の四代目は、あっけなく‥

    次男の惣次が五代目徳兵衛として跡を継ぐことになり、幸を嫁に迎えるのを条件とします。
    幸を気に入っていたはずの五代目との間がきしむようになり、ある日突然‥

    夫の出奔が理解できないまま、なんとかしのごうとする幸。
    お家さんから、思いがけない願いを聞いて涙します。
    幸の才覚を戦国武将とまで評価していた治兵衛は、三男の智蔵に期待をかけます。
    貸本屋で戯作者の道を歩んでいた智蔵は?

    ちょっと展開が急ですが、まあまあ収まるところへ収まった、という感もあり。
    もう誰が見てもべっぴんさんの幸が、御寮さんとして力を発揮し始めます。
    とはいえ、大阪には「女名前禁止」という決まりがあったんだそうで。一家の商売を女が表に出て仕切ることは出来なかったという。
    四代目の最初の妻が実家で活躍しているとは、頼もしい。名はともかくとして、こういう実態はあったんでしょうか。

    智蔵は商才があるというわけではないけれども、人当たりがよく柔軟。
    智蔵の生き方や考え方が独特で、なるほど、若い頃のほのかな気持ちだけじゃなく、成長してこうなった男ならこのときの幸と合うのか!と面白かったです。

  • 高田郁『あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇』ハルキ文庫。

    シリーズ第4作。『女名前禁止』という掟のある江戸時代中期の大坂で、主人公の幸が商いの道をひたすら突き進む。幸の知恵と勇気と決断力。そして、商人としての心意気。何とも爽快で、感動的な物語が展開する。

    大坂天満の呉服屋・五鈴屋の五代目店主は隠居を申し出て、幸のもとから姿を消す。店主不在の危機にお家さんの富久は意外な決断を下す。

    次々と五鈴屋を襲う様々な危機を、持ち前の知恵と勇気と決断力で乗り越えていく幸の生きざまが清々しい。ラスト1行の幸の決断に心の中で拍手した。

  • 納まるべきところに納まった幸と智蔵。
    いよいよ、幸の胸のすくような活躍が始まる。
    一巻で、四代目徳兵衛に嫁ぎながら夫に愛想をつかし、実家に戻った元ご寮さんの菊栄。その立ち居振る舞いが魅力的で、一巻だけでこの物語から姿を消してしまうのは残念に思っていたら、前巻で幸と5年ぶりの再会。この巻では、幸にとってさらに貴重な役割、重要な存在になってくる。
    今後も、この二人、様々な関わり合いになっていきそうな予感。
    一気に第四弾まで読んでしまったが、第五弾は未刊行。
    今までの刊行間隔からすれば、次巻は来年の2月?
    楽しみに待つとしても、なるべき早い刊行をお願いします、高田郁様。

  • なんとまあ、そうなるのね。今回の展開はちょっとやり過ぎかなーという気持ちが否めない。別に養子でもよかったんじゃないかとも思うけれど。できすぎる妻が疎まれるのはしょうがないのかな、もっと陰で守り立てるその能力があれば、話は変わってきただろうけれど。やっぱ夫としては不甲斐ないよねえ。現代ならさちは結婚なんてしないでバリバリ働くキャリアウーマンになるんだろうね。江戸だからムズカシイだけで。しかしこれといった失敗もなく実績を積んでいるさちはすごい。浄瑠璃人形とおなじ出で立ちでの観劇の件はちょっと感動。よく考えた。

  • あきない世傳金と銀、第4巻。
    ようやく手に入れました!
    そして、ゆっくりじっくり味わいながら読みました。

    第3巻のラストでどうなることか?!
    と、気をもんでいたのですが…
    予想だにしない展開に、「えっ!!!」と声を出してしまいました。

    天満の五鈴屋へ女衆として奉公に上がり、4代目徳兵衛の後添えになった幸。
    4代目徳兵衛は3兄弟の長男ですが、読んでいて腹立たしくなるほどの放蕩息子。
    その4代目徳兵衛が不慮の事故で亡くなります。
    事故の原因も自業自得というか…

    そして、5代目徳兵衛となったのが弟の惣次。
    3兄弟の次男。
    5代目徳兵衛は幸の商才を認め、幸を娶ることを条件に5代目に。
    この惣次、商売熱心で、商売人としては4代目とは比べ物にならない。
    幸の商才を認めていたので、幸と二人三脚でやっていくかと思いきや…
    商売が上手くいき始めると、手柄は自分ひとりの裁量と勘違いし始める。
    ”情”というものが全くなく、儲けることしか考えない。
    その結果…
    自分で自分の首を絞める状況を招いてしまう。

    そんな状況を作ったのは4代目自身なのに、あろうことか、お金をもって逃げ出した。
    後に残された幸と五鈴屋。

    どうする幸????
    どうなる五鈴屋~~~~!!!!

    と、思っていたら、3兄弟の末っ子、智蔵が6代目徳兵衛に。
    そして、そして、幸がその嫁に!

    3兄弟の長男、次男、三男と三人の嫁になった幸。
    でも、第1巻で智蔵は幸と夫婦になることを望んでいたのだし。
    そして、なんといっても人としての優しさを持っている智蔵。
    自分を人形に、そして幸を人形遣いに例え、幸が思う存分あきないに力を注げるように尽力する姿。
    ”智ぼん、よう言いはった!”
    ”智ぼん、ようやらはった!”
    と拍手喝采!!

    次から次へと窮地に追い込まれ、やっと商いが軌道に乗ったら、またまた問題が!

    第5巻は来年の春ごろ発刊でしょうが、今から待ち遠しい!!!

  • 4巻も面白かったです。始まりから怒涛の展開でした。去る人もいれば、戻ってくる人もいて、幸は今度こそ幸せになれそうです。やっぱり智ぼんさんはいい人だ。しっかり真摯に人と付き合い、生きていくって大切ですね。五鈴屋さんの、傘もかわいいと思いましたが風呂敷もかわいいな。なんだかとんとん拍子に上手く進んでいて、ちょっとドキドキします。最後の展開に、また続きがとても待ち遠しいです。

  • もはや目が離せない。
    いわば職人としての
    ものつくりの矜持を持っていた澪とは違い、
    幸はまさしく商人。

    その天性は、自らがよしとするところに向かい
    おのずと解き放たれてきた。

    さらさらと流れていた小川は
    いまや周囲をも巻き込む奔流となり
    さらにその力を増すばかり。

    掛け値無しに面白い!

    大坂が舞台であり、史実も下敷きにあることが
    大阪に生まれた者の親しみと誇りにつながり
    これから起こるはずの
    天地鳴動(を起こしかねない幸の活躍)を
    期待してしまう。

    本当に面白い!

  • 幸が、四代目五代目そして六代目にも嫁ぐ事になる。
    人形と人形遣いの様な関係の夫婦は、知恵を働かせて商いを大きくしていこうとする。
    幸がお家さんとなって本格的に商いに邁進。
    この先、繁栄ばかりではないだろうが、どう大きくなっていくのか楽しみ。

  • 前巻を読んでから随分経ってやっと四巻を読んだけど、読みながらこれまでの筋が思い出せた。奇しくも3人の兄弟に添い続けることになった主人公 幸、商いの才知に長けた本領をこの巻でも随所に発揮していく。奉公先の店で上り詰めて苦境の店を磐石の店に導いて自他ともに認める御寮さんとなった幸だが、更なる大店を目指す一手となるかならないかの一石を打ったところで終わりだ。波乱万丈の度合いは前巻までの方が勝っていた気がする。

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