イシマル書房編集部 (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 75
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758441278

感想・レビュー・書評

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  • 発行される新刊の数、年間8万点。返品率は平均4割。売上金の入金は発行から7か月後。書籍、雑誌の売上は年々下降線をたどる一方。1タイトルあたりの売上が落ちた出版社は、新刊の点数を増やすことで増益を狙うが、その殆どは「売れない新刊」でしかない。
    これはここ20年程の出版業界が罹っている『死に至る病』。紛れもない出版不況の現実。
    古い流通制度は経年劣化をおこし、マーケティングは弱い。なにより働いている人の頭の中が古い。
    この業界はすでに死に体なのか?

    イシマル書房もまた、経営不振を理由に親会社から最後通告を受けている小さな出版社だ。そこにインターンとして採用された絢子が、ベテラン編集者、元ヤン営業マン、全国の書店員、そして一旦は表舞台から姿を消したいわくつきの作家と、起死回生のベストセラー小説の出版を目指す。
    目標売上、7千万。――粗利は増刷から約4割。1,300円のハードカバーを15万部。1年で5点発行、それぞれ3万部を売り上げる。
    無理難題だが、それを可能にする秘策とは!?


    生き延びる――その言葉をテーマに、身売り寸前まで追い詰められた小さな出版社が仕掛ける起死回生のプロジェクトを、新人編集者の視点から描くお仕事小説。
    作家や編集、装幀家などの本の作り手と、書店員や営業マンなど、売り手の顏が見えてくる一冊。

  • 弱小出版社・イシマル書房は資金不足で絶体絶命の崖っぷち状態。起死回生のベストセラー小説誕生に命懸けで闘う人たちを描く長編小説。
    本には魔力がある。一度とりつかれると逃れられない。作中に「孤独じゃない人は本を読まない」とあるが、確かにそうかもしれない。それでもどちらかを選ぶなら、私は孤独を選びます。

  • 好みじゃなかったなぁ。
    サヴァン症候群どーのは不要だったと思う。実際違うわけだし、
    美代さんの肌がどーとかいらないし、誰の話がメインなのかがブレてる気がするし、大抵の作中に出てくる本って本当に読みたいと思わせるものなにの、古事記のやつ全然惹かれないし。
    ガッカリだったなー。

  • 小説で「読書メーター」の文字を目にするとは。

    経営難の新興出版社、起死回生の一手は、引退した編集者を迎え、剽窃疑惑で文壇から消えた作家を擁しての歴史小説だった。

    赤裸々な出版、書店の裏話もあり、編集と作家と経営の心得としても面白い。後半の展開の速さと出来過ぎた展開は気になるが(炎上ネタが結果的に話題になる、ってのはありそうだけど)、全体としては楽しく読めた。

    なお読書メーターは、がっつり出てきた割には物語の根幹に関わってはこずに、ちょっと残念。

  • 神保町が舞台になっていて、つい手に取ってしまった。内容は絶体絶命の零細出版社が生き残りをかけて本を出版するというもの。「本を読まんのはその人が孤独でない証拠や」という太宰の言葉の引用が印象的だった。私は下手に友人をもつよりも本を読みたいけれど。ま、とりあえずボンディ行ってこよ~。

  • 一気読みしてしまった。作中にある「日本人は孤独でなくなったから本を読まなくなった」という言葉はストンと腑に落ちた。私は孤独癖があるから本を読み続けてるのかも。
    ところで本書は零細出版社の社運かけた本作りを描いていますが、あまり細かい編集に関わる描写が出てきません。よりマクロな視点でダイナミックに書いています。その分スピード感はあって、終盤はもう一気に進みます。一通り走りきった後の余韻もいい。なかなかいい作品です。

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