食卓一期一会 (ハルキ文庫 お 9-2)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758441292

作品紹介・あらすじ

美味しそうなにおい、色、音で満ち溢れた幸福な料理と生きることの喜びが横溢する、食べものの詩六十六篇。

感想・レビュー・書評

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  • 天丼はすご~くおいしそうだけど、おいしすぎて太るかも。

    アガサ・クリスティーが一冊入ったキャラメルクリーム。

    自分の手でつくった、バターとサワークリーム、ジャムをぬった熱いスコーン。

    悲しいときに深い丼ですする熱いスープ、ユッケジャン。

    カルダモンとコリアンダー、黒コショーとクミン、グローブ、シナモンが棒で三本入ったカレー。

    ピーマン、トマト、乾燥キノコ、オリーブとアンチョビーとケーパー、パセリ、玉葱、大蒜、サルビアを刻んだ絶望のスパゲティ。

    水車場の少女の家の食卓に呼ばれて。

    「ラデッキー行進曲」にのって出てきたスープで、もうそろそろおなかがいっぱいになりました。

    作りもしないで、食べてばかりいてスイマセン。

    あ~おいしかった!

  • 祝文庫化!

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    〈食卓は、ひとが一期一会を共にする場。人生はつまるところ、誰と食卓を共にするかということではないだろうか〉(後記より)「天丼の食べかた」「朝食にオムレツを」「ドーナッツの秘密」「パイのパイのパイ」「アップルバターのつくりかた」「ユッケジャンの食べかた」「カレーのつくりかた」─など美味しそうなにおい、色、音で満ち溢れた幸福な料理と生きることの喜びが横溢する、食べものの詩六十六篇。(解説 江國香織)
    http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=5689

    晶文社のPR(単行本)
    一期一会は食卓にあり。人生とは、誰と食卓を共するかということだ。詩という言葉の料理をとおして、歯ごたえのある日々の悦びを、食卓に贈る。言葉のダシのとりかた・包丁のつかいかた・天丼の食べかた・ブドー酒の日々……全篇すべて食べもののうた66篇。「日本の詩はここまで、料理を通して詩を思想を語るところまできた」(朝日新聞評)
    http://www.shobunsha.co.jp/?p=1073

  • この本を読んで感じた思いを、自分の乏しい表現力では、言語化するのが難しいと感じたのですが、最後に江國香織さんが書いている解説でスッとハラオチできます。セットで読むのがおすすめです。

    食卓を彩る音、匂い、味、選び抜かれた豊かなことば、とても贅沢な気分になれた。
    何度でも読める詩集。
    「言葉のダシのとりかた」が好き。

  • 言葉で紡ぐ丁寧な食卓の描写が心地よい。「ふろふきの食べかた 自分の手で自分の一日をつかむ。新鮮な一日をつかむんだ。スが入っていない一日だ。手に持ってゆったりと重いいい大根のような一日がいい。」

  • GWの陽気の良い日に外でのんびり読んだ。
    食べもののある光景は、五感を想起させるフックが多いから、情感豊かに思い浮かべ読んでいて沁みる。
    お腹が温かくなるような言葉のお食事でした。
    美味しいポトフを煮るように休日を過ごしたいもの。

  • とても素敵な詩集でした。
    食べるとはこんなにも幸福な事なのだなと思います。
    詩集ですが、レシピ本のようでもあります。
    今度絶望したら「絶望のスパゲッティ」を作りたいし、「パイのパイのパイ」は最後まで忠実に実行してみたいです。
    最後の詩の「食いものは上機嫌に変えなくっちゃいけねえ。」という言葉にはっとしました。大切にしよう。
    江國香織さんの解説も好きです。
    装画が西淑さんというのも好きです。西淑さん大好き。
    良い本でした。

  • 生きること、その意味に食は不可欠であり、誰と食を共にするかで得られる満足感も味も変わります。食事をずっと摂れなかった苦い経験が、私にそれを教えてくれました。戦時下で何も口に出来なかった兵士は食べたい物を口ずさみながら撃たれ死にました。もし与えられるのならば、何一つ残しはしませんでした、言葉以外は。目の前にある幸福に気付けない私は泣きました。選ぶこと、作ること、味わうこと、誰かと共有出来ること、当たり前のようで、食は私達の身体を生かし人生を彩ってくれている。米粒一粒に凝縮された価値を、私達はもっと幸せに噛み締めなければいけない。

  • 長田弘の言葉が好き。

    これ、タイトル買いでしょう(笑)
    本棚に置いておいて、何度も何度も断片を味わうこととなるでしょう。

    江國香織の解説に共感した。

    「言葉のダシのとりかた」と
    「コトバの揚げ方」は
    2回目だけど。それでも良い。

    キャラメルクリームとアガサクリスティー。
    マッシュポテトとアイルランド。
    美味しそうで、楽しそうで、羨ましい。
    食卓には時間があるんだな。
    進みながら、時には待ちながら、出来上がったものを、噛みしめる。

    食べ物から世界に出逢う一冊。

  • こんなに素敵な詩集なかなかお目にかかれないよ!!

  • ハッとする内容が時々あった

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著者プロフィール

長田弘(おさだ・ひろし)
1939年、福島県福島市生まれ。早稲田大学第一文学部独文専修卒業。詩人。65年、詩集『われら新鮮な旅人』でデビュー。98年『記憶のつくり方』で桑原武夫学芸賞、2009年『幸いなるかな本を読む人』で詩歌文学館賞、10年『世界はうつくしいと』で三好達治賞、14年『奇跡―ミラクル―』で毎日芸術賞をそれぞれ受賞。また、詩のみならずエッセイ、評論、翻訳、児童文学等の分野においても幅広く活躍し、1982年エッセイ集『私の二十世紀書店』で毎日出版文化賞、2000年『森の絵本』で講談社出版文化賞を受賞。15年5月3日、逝去。

「2022年 『すべてきみに宛てた手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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