愛は味噌汁 食堂のおばちゃん(3) (ハルキ文庫 や 11-4)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 1049
感想 : 85
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758441438

作品紹介・あらすじ

オムレツ、エビフライ、豚汁、ぶり大根、麻婆ナス、鯛茶漬け、ゴーヤチャンプル-…昼は定食屋で夜は居酒屋。姑の一子と嫁の二三が仲良く営んでおり、そこにアルバイトの万里が加わってはや二年。美味しくて財布にも優しい佃の「はじめ食堂」は常連客の笑い声が絶えない。新しいお客さんがカラオケバトルで優勝したり、常連客の後藤に騒動が持ち上がったり、一子たちがはとバスの夜の観光ツアーに出かけたり-「はじめ食堂」は、賑やかで温かくお客さんたちを迎えてくれる。文庫オリジナル。

感想・レビュー・書評

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  • 食堂のおばちゃん シリーズ第三弾。
    今回はシリーズ第一弾の時代に戻って、姑の一子、嫁の二三子、アルバイトの万里の3人で切り盛り。
    読んでいて美味しそうで、鯛飯と鯛茶漬けは自分で作って食べました。。
    美味しくって定番になりそう。
    続けてシリーズを読んでいきたいと思います。

  • 姑の一子と嫁のニ三が仲良く営む「はじめ食堂」が、アルバイトの万里が加わってはやニ年。現代に戻ってきました。 お店のメンバーやお客さんとの関係が、仲が良く、会話が面白い。 お店に騒動やトラブルが起こった時の一子の応対が、しっかりしていて、大人として素晴らしい。あたたかくて、上品で、冷静な一子にあこがれる。 トラブルが起こっても、最後は、気持ちよく話が終わるので、読んでいて楽しい。はじめ食堂の牡蠣フライが食べたくなった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      りまのさん
      にらめっこ、、、早く「うっとり」って呟いて切り上げなきゃ!
      りまのさん
      にらめっこ、、、早く「うっとり」って呟いて切り上げなきゃ!
      2020/11/26
    • りまのさん
      フフッ
      周りの人に、その時は、ドウドウ、ドゥ、と、視線を、切り離されました。その人とは、その後、変に、仲良くなっちゃいました。
      フフッ
      周りの人に、その時は、ドウドウ、ドゥ、と、視線を、切り離されました。その人とは、その後、変に、仲良くなっちゃいました。
      2020/11/26
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      りまのさん
      良かった!
      りまのさん
      良かった!
      2020/11/26
  • 歌はどんな時代でも印象深く心に刻まれる。曲だけでなく歌詞もその時代の思い出と共に生き続けると思うのである。
    麻婆茄子とどんな関係が紐付くのかも楽しめる。
    二三のはずとふんどしは外れるもんですのよって面白い表現だ。
    熊本の太平燕は一時流行し、私は流行の最先端、イヤ中程、すみません、最後方を歩んでいるので、一度だけ食べさせてもらった。ヘルシーでダイエットに向いている。最近はコンビニでもお目にかからない。残念だ。

    味噌汁は私も大好きで、日本人に生まれてよかったと感じるものだ。中身によって色んな変化が味わえるのも良い。
    辛子レンコンは美味しいからと熊本で大量に買って帰って、家族から叱られた思い出がある。飲食店では食中毒のリスクはつきものであるが、一子の対応が素晴らしい。物語は少し辛い。
    私は、モツ煮込みって、特にご飯のお供に口にする。誰がどんな大志を抱くのだろう?

    顧客が誰で、何を出すかだけでなく、その店で働く人たちの想いが、すてきな店を作る。食堂に限らず、どんな商売でもコンセプトは大事だと感じた作品だった。

  • 食堂のおばちゃん第三弾
    従業員に一人娘要の同級生の万里を迎え、三人で切り盛りするはじめ食堂


    若い感覚で、新メニューも続々と登場
    和・洋・中華風オムレツ、牡蠣豆腐、牡蠣と豆腐のオイスター炒め・砂肝のゴマ酢和え・鯛飯に鯛茶漬け・・・
    そのせいか、常連さんだけでなくご新規さんも着実に獲得

    驚きの一節があった
    『コロッケを制するものは料理を制す』
    家庭料理の中で一番調理工程の多いのがコロッケだからコロッケが作れればなんでも作れるという二三の持論

    本当かな? 私、コロッケは作れるけどと???

    ダンス教室の中条先生と万里の中学時代の同級生の皐(すすむ) は、祖父・孫の関係
    トランスジェンダーである皐のこれまでの苦しみや葛藤をなんの偏見もなく受け入れ認める一子と二三
    ホロリとさせられた

    食べ物商売にしては、致命的な食中毒疑惑も起きるが、毅然とした一子と二三の姿勢に感動!
    このシリーズのすばらしさは、一子と二三の人間性のすばらしさによるところが大きいのではないか
    それが、はじめ食堂のもてなしと居心地の良さになっているのだ

    今回も安定のおいしさとおもしろさで巻末のレシピも何点かコピーした

  • 年始、なかなか読書ペースが上がらず…
    癒される食堂のおばちゃんシリーズを読むことに!
    安心できる温かいストーリーに今回も癒され、料理へのモチベーションも上がった。
    トマトとナスの冷え冷え煮、砂肝の胡麻酢和え、アボカドとブロッコリーのバジルソース和え、牡蠣豆腐、GBSポテト作ってみたい。

  • 今回はまた戻って「いま」のはじめ食堂。一(にのまえ)さんの経営するはじめ食堂は一子と二三の姑嫁コンビに仕事の続かなかった万里が戦力として働いている。親御さんにも感謝され、旧友とも再開し、愛情の深さを感じるお話たち。

  • 食堂のおばちゃんシリーズ3冊目。
    姑の一子と嫁の二三が切り盛りする、はじめ食堂に加わったのは
    アルバイトの万里。この定食屋兼居酒屋での人情話を味わう短編集。
    第一話 歌と麻婆ナス・・・カラオケバトルのチャンピオン大会で
        優勝を目指す真弓だが、その思いで夫婦仲に危機が。
    第二話 淋しいスープ春雨・・・スマホを購入してから一人暮らしの
        後藤が明るくなった?だが・・・親友と娘に救われる。
    第三話 愛は味噌汁・・・はとバスツアーで偶然出会った、万里と
        同級生の皐。後藤たちのダンスの師はその祖父。
      彼らの確執の原因は、神様の間違いで本人の責任ではない。
    第四話 辛子レンコン危機一髪・・・辛子レンコンが食中毒の原因?
        だがその裏にある、会社の男女関係の存在が判明する。
    第五話 モツ煮込みよ、大志を抱け・・・居酒屋紹介TV番組への
       登場が決定!喜ぶ面々だが、舞い上がった万里の行動に
       困惑してしまう。一子は壮行会を提案。現れたのは・・・。
    <巻末>食堂のおばちゃんのワンポイントアドバイス・・・レシピ。
    優しい心遣いが味付けになる大衆食堂での、人情話短編集。
    過去編を挟み、現代に戻った、はじめ食堂の姿を描いています。
    夏から冬、年末にかけての、店で起こる出来事。
    カラオケバトル、スマホ介在の詐欺、性同一性障害、
    食中毒、お店紹介TV番組と、知られた話題の物語を盛り込んで
    います。ニューハーフの皐が良い人で、今後も登場する予感。
    ニート青年だった赤目万里がバイトに加わり、早や2年。
    若頭として、店に良い感じの変化を与えています。
    でも第五話では暴走してしまいますが、反省する心があります。
    そして、動じない姿と言動の一子さんが素晴らしい!
    自分が食べたいと思う料理、食べて美味しいと思う料理を出し、
    もてなす心と居心地の良さを体現出来る店だからこそ、
    常連さんたちも暖かく見守り、支えてくれるのだなぁ。

  • 題名にもある 愛は味噌汁 とても良かった!
    万里の活躍も目立ってきて、新メニューも豊富に!

    はじめ食堂へのそれぞれの想いを感じる1冊です

  • ご近所の歌ウマ主婦が常連に。テレビでも話題になった彼女だけど、なんだかどんどん雲行きが怪しくなってきて。歌と麻婆ナス。

    万里くんの提案で始めた春雨スープが大当たり。
    常連の後藤さんがスマホを購入して…。寂しいスープ春雨。

    はじめ食堂が参加した夜のはとバスツアー。ニューハーフのレビューで登場したのは万里くんの同級生だった。
    愛は味噌汁。

    辛子レンコンに挑戦した万里くん、お客さんの評判は上々だけど、突然、怒鳴り込んできた女性は。辛子レンコン危機一髪。

    人気番組「居酒屋天国」に出演が決まったはじめ食堂。
    とたんに万里くんの様子が変わり…。モツ煮込みよ、大志を抱け。

    バイトの万里くんがいよいよ2年目。
    若いアイデアではじめ食堂に居なくてはならない若頭に。
    人もお店もいろいろだけど、楽しい仲間とワイワイ言いながら美味しいものを食べたら、本当に幸せだよね、ってそう思わずにいられない。
    モツ煮込み食べたい…。

  • 『食堂のおばちゃん』シリーズ第3弾。
    一作目にとても気になっていた、アルバイトの万里くんが、バイト2年目でメキメキと料理の腕を上げ、「はじめ食堂」の大きな戦力になると共に、若い感覚で新作メニューを開発しては好評を博している。
    読者のおばちゃん(私)としても嬉しい限りだが、やっぱり…
    ほら、慣れてきた頃が危ないというか。
    そのあたりのお話の運びが絶妙である。
    スマホ犯罪、性同一性障害の問題など、ネタも充実。

    常連さんたちの会話もとても自然で、自分もお店にいて小耳にはさんでいる気分になる。
    おいしい食べ物と、エピソードのどちらもが主役になっていて、不満が見つからない。
    今回も美味しゅうございました。

    第一話 歌と麻婆ナス
    お店に来てくれた、常連さん候補の女性が、カラオケバトル番組で好成績!
    大きな話題となるが、のどのために好きな食べ物も我慢して、家庭も犠牲にしてカラオケの点数を上げるためにのめり込む。それって…

    第二話 寂しいスープ春雨
    常連さんの山手と後藤。
    山手は多彩な趣味のリア充おじさん、後藤は元警察官で一人暮らし、出無精のいわゆる寂しい独居老人だ。
    山手は何とかして後藤の興味を外に向けさせようとする。
    後藤の携帯が壊れ、山手はスマホを勧めて購入させるに至るが…

    第三話 愛は味噌汁
    山手と後藤が通うダンス教室の中条先生と、万里の元同級生の意外な縁。
    育ててくれた恩と、期待に報いられなかったお互いの気持ちの行き違い、忘れられないおばあちゃんの味噌汁の味。

    第四話 辛子レンコン危機一髪
    私も覚えてる!辛子レンコン食中毒事件!
    メニューに辛子レンコンを出したばかりに事件に巻き込まれるはじめ食堂。

    第五話 モツ煮込みよ、大志を抱け
    『居酒屋天国』という人気テレビ番組から取材のオファーが来る。
    料理にやりがいを感じ始めた万里は舞い上がってしまい、同じ番組で放送される予定の他店を意識しまくり。
    彼を落ち着かせ、はじめ食堂を正しい軌道に乗せんとする一子の案とは?

    第二巻は、はじめ食堂の創業当時のお話だった。
    先に読んでおくと、第五話が分かりやすいけれど、後から読んで、ああそうだったのかと納得するのも捨てがたい。

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著者プロフィール

1958年、東京都江戸川区生まれ。早稲田大学文学部卒業。松竹シナリオ研究所で学び、脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年、『邪剣始末』で作家デビュー。2013年、『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞。その他の著書に「婚活食堂」「食堂のおばちゃん」「ゆうれい居酒屋」シリーズや、『風待心中』『ゆうれい居酒屋』『恋形見』『いつでも母と』、共著に『猿と猿回し』などがある。

「2023年 『婚活食堂9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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