くらまし屋稼業 (時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 167
レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758441803

感想・レビュー・書評

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  • 何もかもが思うままにいかず、今ある人生から逃げ出したくなることは誰しも一度や二度はあるはずだ。

    江戸の町に、いかなる身分いかなる事情であっても大金さえ払えば必ず逃してくれる「くらまし屋」がいる、という。
    しかも今まで一度もしくじったことがないらしい。
    シリーズ第1弾。
    「くらまし屋」のメンバーも、剣術に長けたリーダーの平九郎を中心に、智謀の七瀬、変装の名人で美男子の赤也、と粒ぞろいで今後の活躍がとても楽しみ。
    「くらまし屋七箇条」の内の七番目、捨てた一生を取り戻そうとせぬこと、が一番気になった。
    命からがら必死で逃げて新しい人生を歩んだはずなのに、捨てたはずの元の人生に戻りたくなることがあるのだろうか。
    人の心の弱さ故、なのだろうか。
    人を「くらます」上でこれが一番厄介なことかもしれない。

    平九郎の秘められた目的が何なのか。
    謎の闇の集団「虚」(特に剣士・惣一郎)との絡みもとても楽しみ。
    『ぼろ鳶組』のような派手さはないけれど、人生の浮き沈み、裏表の儚さ切なさをしみじみと思い知る物語だった。
    このシリーズも追いかけたい。

  • タイトル通り、行方をくらましたい人をくらませる稼業『くらまし屋』の話。
    テンポ良く軽いので読みやすい。

    まず『くらまし屋』のメンバーが良い。
    リーダーは、表稼業は飴屋の平九郎。まだ謎が多いが、とにかく剣や武道の達人で強いこと強いこと。しかもあらゆる武道の流派を見ただけで自分のものに出来るという天才。
    もう一人は美しく中性的な顔とスタイルの赤也。見た目を生かした変装の達人。性別も年齢も職業も、赤也に掛かれば自由自在。更には人を変装させることも出来る。
    三人目は紅一点の七瀬。表向きは飲み屋で人気の給仕をしているが、くらまし屋ではどうやって厳しい目を掻い潜ってくらませるかのアイデアマン。
    三人ともキャラが立ってるし性格もサバサバしているのが良い。

    今回くらませるのは香具師の元で強引な集金や殺しが嫌になって逃げることにした子分の万次と喜八。
    二人が逃げ込んだ、親分と敵対する香具師の元からくらますアイデアは、ルパン三世のアニメみたいで面白かった。
    しかし勿論それでは終わらない。役人の目をかわしたかと思いきやまた一難。
    次々起こる予想外の展開にも慌てず立ち向かう平九郎が格好良い。

    しかし、最後になってラスボス的キャラが登場。
    彼らが次作で、更にはシリーズ通しての敵になっていくのか。

    第一作ということで『くらまし屋』の面々や『くらまし屋』が作戦会議の場所に借りてる飲み屋の店主になんだか訳ありそうだなと匂わせている。
    これから色々その辺が描かれていくのか、楽しみ。
    アクションあり、ドラマあり、奇想天外アイデアありで気軽に楽しめる。

  • 銭を払えば誰でもどのような状況でも必ず逃がしてくれるという”くらまし屋”のシリーズ第1弾。
    親分を裏切って銭を持ち逃げしたやくざ二人を、巨大な包囲網からどう逃がすのかが面白い。
    テンポがよく読みやすい。江戸時代だがわりと現代的な読み心地ではある。チームのキャラが立っているし、一話完結の時代劇になりそうな感じ。
    主人公の背景や事件の黒幕的な存在が、この巻では明かされず思わせぶりなので、次作も読んでみたい。

  • 羽州ぼろ鳶組というシリーズを読み始めてから、この作家の魅力にハマり、読んでみた。

    これもすでに2巻が発刊されており、面白い!

    訳ありの元武士、堤平九郎が率いる逃げたい依頼主を無事に脱出させる生業「くらまし屋」は、頭脳明晰で男であれば、参謀長になれるであろう策士の七瀬と、誰もが振り向かずにはいられない美男子で、所作や言葉まですっかり変えて変装術が長けている赤也。
    この三人で練りに練った作戦で、夜逃げを敢行する。

    今回の客は、浅草界隈を牛耳る香具士の元締めに、人殺しまでさせられている幹部とも言えるふたり。
    かたや、そんな仕事いほとほと嫌気がさした万次と元武士で殺気を素早く感じることができるため、信頼されてる幹部の喜八。喜八は子供が病気で支えるために抜けたい。

    最後まで息を持つかせぬようなスリリングな展開と、次回にも出番がありそうなサドっけのある牢問役人の初谷男吏。と人を切ることに喜びを感じる美しい若侍、榊惣一郎。

    魅力位杯のシリーズになりそうな気配。

  • 依頼を受けて人をくらます稼業。
    必ず、くらませる。
    これはいろいろありそうだぁ。
    やっぱり、予想を違えず面白かった。

    なんてスピード感なんだ!
    なんて策士なんだ!

    そして魅力的な主人公平九郎。

    脇を固める魅力的なキャラクター達。

    平九郎の身の上やくらまし屋稼業の
    なんだか辛そうなことが多そうなのが
    また続きを読みたくなる。

    続いて2作目へ、急げ!

  •  時は江戸、人生をやり直したい者を見事な手際でくらませるというくらまし屋の活躍を描いたシリーズ第1弾。

     読み始めた1ページから一気に物語の世界にはまり、主人公の魅力や手に汗握る物語の展開に、ページをめくる手が止まりませんでした。

     物語の裏には、主人公の過去の謎だったり、まだ姿を見せない黒幕の存在だったり、凄腕の剣豪の存在が垣間見えるなど、この巻だけでは味わいつくせない、魅力がたくさん詰まっていました。

     おまけに、同作者の「ぼろ鳶組」シリーズと重なる所も描かれ、思わずニヤリとしてしまう場面も。

     時代小説のニューヒーローの登場に今後の展開がいやがうえにも期待してしまうのでした。

  • 面白かった…!息遣いも感じさせる描写やストーリー、どうやって「くらませる」のかなどなどとにかくグイグイ惹きつけられ一気にシリーズ読破。続き気になる作品!

  • 7月-18。3.0点。
    江戸時代、それまでの人生を捨て、「くらましたい」人をくらませる裏商売。
    衆人環視の中、くらませる方法が考えられていて面白い。
    スピード感も有。

    主人公の過去や秘密を小出しにしており、次作も読みたくさせる。

  • 映画化しやすい内容だ。スピード感あふれる書き方で一気に読ませてしまう。次巻が楽しみ。

  • 人の行方をくらませる「くらませ屋」。 お金はかかるが、頼んだ者は確実に姿を消し、新しい居場所で生活を送れるという。まことしやかに囁かれるそんな噂が江戸市中にながれていた。その噂を聞いたやくざ一味の万次と喜八は足抜けし、行方を晦まそうと考えていた。くらませ屋の平九郎、赤也、七瀬の三人は、慎重に計画を巡らせ仕事にかかるが…。
    くらませ屋という仕事の周到さや三人のキャラクターが面白く、ぐいぐい読ませる。シリーズになってるから次作も読もうかな。

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著者プロフィール

今村 翔吾(いまむら しょうご)
1984年、京都府生まれの時代小説作家。ダンスインストラクター、作曲家、埋蔵文化財調査員を経て専業作家となる。
2016年、『蹴れ、彦五郎』で第十九回伊豆文学賞の小説・随筆・紀行文部門最優秀賞、2016年『狐の城』で第二十三回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞をそれぞれ受賞。2017年『火喰鳥』が単行本デビュー作となり、啓文堂書店時代小説文庫大賞を受賞、「羽州ぼろ鳶組」シリーズとして代表作となる。2018年「童神」で第十回角川春樹小説賞を受賞し、『童の神』と改題されて単行本発刊。同作が第8回本屋が選ぶ時代小説大賞候補となると同時に、第160回直木賞の候補に。

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