春はまだか くらまし屋稼業 (時代小説文庫)

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  • 角川春樹事務所
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レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758441896

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第2弾。
    今回くらますのは、重い病に伏している故郷の母に一目逢いたいと願う11歳のお春。
    困窮する家族の暮らしを守るため、一人江戸のお店に奉公しているお春は、身勝手な男の自己保身により一人土蔵の中に閉じ込められる。
    そんな理不尽な罪をなすりつけられたお春をくらまし屋が救い出す。

    最後まで読んで、このタイトルに納得。
    色々辛いこともあったけれど、お春にもようやく穏やかな日々が訪れることになって、ほっとして泣けた。
    可愛くて賢いお春にこれからもずっと逢えると思うと嬉しい。

    それにしても今回は、お春の周りの男達の自分勝手な言動には腸が煮えくり返る位ムカついた。
    特に故郷の実父には呆れた。

    平九郎と炙り屋の迅十郎との闘いの決着も今後の楽しみ。
    第1弾でも思ったけれど、波積屋の茂吉さんにはいつも癒される。
    茂吉さんの作る焼き筍飯が食べたい。
    『ぼろ鳶』の"菩薩"や"大丸"がちらっと出て来てびっくり。
    『ぼろ鳶』とのリンク探しも今後の楽しみの一つ。
    このシリーズにますますハマりそうだ。

  • 〈くらまし屋稼業〉シリーズ第二作。

    その名の通り、様々な事情で行方をくらましたい人々をどんな手を使ってでもくらまし、新たな生き場所を与える〈くらまし屋〉。
    今回くらませるのは呉服屋・菖蒲屋に奉公中のお春。商売敵との争いに巻き込まれて土蔵に閉じ込められている彼女を救いだし、重篤の母親に一目会わせてあげることは出来るのか。

    今回は依頼人が奉公人の少女だけにお金にはならない。
    仲間の赤也や七瀬が下りると言う中で、平九郎一人で仕事を受けようとする。
    何故少女にそこまで肩入れするのかと思ったら、平九郎にはどうも行方知れずの娘がいて(奥さんの方の生死は不明)、彼女を探す為にこの仕事をしているらしい。
    さらに仲間の七瀬もかつて平九郎にくらましてもらい新たな人生を貰った人間らしい。

    平九郎一人の仕事ということで今回は難航。
    しかも平九郎の仕事とは逆の〈炙り屋〉なる万木迅十郎というとんでもない剣豪も登場。
    平九郎はどのようにお春をくらますのか。

    前作同様ルパン三世みたいな脱出方法と、剣劇アクションと、くらます者くらましてもらう者それを阻止する者のそれぞれのドラマと、色々楽しめた。
    お春ちゃんと風太、良い出会いで良かった。だが冒頭の地図を見ると〈菖蒲屋〉と平九郎たちが作戦基地にしている〈波積屋〉はご近所なのだが、お春ちゃん大丈夫?

    〈炙り屋〉との因縁はこれからも続きそう。それはそれで楽しみ。

  • 今村翔吾の「くらまし屋稼業」第2巻。
    第1巻の中身も反映されてて、同じ登場人物が再度登場。次回からも出てきそうな気配。
    登場人物は実によく練られていて、人物像に厚みがある。
    読んでいても、噛み締めるような味わいが出てくるのは、この作家の実力によるものだろう。
    主人公の背景も少しづつ語られる2巻め。

  • 二話です
    早くも自分で作ったルールを破ります
    こういう形でレギュラーが増えるなら
    長いシリーズであってもマンネリにならない

  • くらまし屋2作目。やっぱり面白い。ファン故のひいき目かと用心しながら読んだけれど、どうあっても面白かった。お春が可哀相すぎるけれど、風太に会えた幸運。風太もまた晦ましてもらった人だったという流れは、とても人情味があって良かったです。大体依頼人の向こう側が悪人なので、若干殺しすぎる気もするけれど、仕方ないかな、と思えるのも上手いな、と思います。迅十郎との斬り合いは迫力がありました。2人とも職人。後腐れがあるようで無いのが気持ち良い。平九郎や赤也、七瀬の事情も薄く書いてあり、引っ張り方が上手いです。

  • 情で動いてしまう くらまし屋。吉と出るか凶と出るか。

  • まだ幼い春は、奉公先から逃げ出した。田舎の母が病に倒れ、長くはないという。春に会いたがっていると手紙が来て、会いに行きたいと申し出たが、店の主人は許してくれず、仕方なく逃げ出したのだ。しかし、すぐに捕まり、蔵に閉じ込められる。そんな春を庇った飛脚の風太がくらましやを紹介して、春を逃がす作戦がたてられる。
    シリーズ第二弾。今回は春をメインにしてあり、くらましやの三人は後半にならないと出てこない。春を帰さないで蔵に込めたりする訳がちょっと無理のある感じも否めないけど、読ませる。

  • てらこや青義堂を読んでから主人公の過去を背負う強さと弱さ、仲間の心の繊細な描写に惹かれ読みました。最後は思わず題名と同じ深い意味に思わず泣ける江戸人情の素敵な作品でした

  • それで春はまだか……なんだ

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    日本橋「菖蒲屋」に奉公しているお春は、お店の土蔵にひとり閉じ込められていた。武州多摩にいる重篤の母に一目会いたいとお店を飛び出したのだが、飯田町で男たちに捕まり、連れ戻されたのだ。逃げている途中で風太という飛脚に出会い、追手に捕まる前に「田安稲荷」に、この紙を埋めれば必ず逃がしてくれる、と告げられるが…ニューヒーロー・くらまし屋が依頼人のために命を懸ける、疾風怒涛のエンターテインメント時代小説、連続刊行、第二弾!

    令和2年5月24日~2日

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著者プロフィール

今村 翔吾(いまむら しょうご)
1984年、京都府生まれの時代小説作家。ダンスインストラクター、作曲家、埋蔵文化財調査員を経て専業作家となる。
2016年、『蹴れ、彦五郎』で第十九回伊豆文学賞の小説・随筆・紀行文部門最優秀賞、2016年『狐の城』で第二十三回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞をそれぞれ受賞。2017年『火喰鳥』が単行本デビュー作となり、啓文堂書店時代小説文庫大賞を受賞、「羽州ぼろ鳶組」シリーズとして代表作となる。2018年「童神」で第十回角川春樹小説賞を受賞し、『童の神』と改題されて単行本発刊。同作が第8回本屋が選ぶ時代小説大賞候補となると同時に、第160回直木賞の候補に。

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