ネコと昼寝 れんげ荘物語 (ハルキ文庫 む 2-10)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758441957

感想・レビュー・書評

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  • れんげ荘シリーズ第三弾。
    働かない事を選択し、一人暮らしをしている主人公。誰にも迷惑をかけずに一人で生きているはずがやっぱり面倒事が一切無くなるわけでもなく、自分の選んだ生活が本当にこれで良かったのかと思ったりとすぱっと割り切れるわけではないのだなと。
    働いていないからこその生活を楽しんだり、不安になったり、何かしなくてはと空回ってしまったりと痛いほど感じる。
    応援したくなります。

  • 「働かない」ということで、何か事が起こる度に働かない正当な理由を探し続けてしまう。だからといって「働き続けた」としても、お金以外の働いている理由を何か探してしまう。そして比較。どっちを選んでも理由がいるのか。もっと自由に生きたいよねー。

  • ちょっと時間が経ったけれど、れんげ荘物語の第三弾。

    れんげ荘の住人とも随分馴染んできて、季節にも見通しが経つようになって。
    一見変わらないように思えて、そうではないことを感じさせるのが、キョウコ母の様子かな。
    孫にそっぽ向かれて、いたたまれない。

    長い時間生きてきた人たちの、そういう切ない姿を目の当たりにするのは、なんか苦しい。

    ネコの訪問も、変わったことの一つだろうか。
    ネコであっても、プライベートな距離に入ってきて居付くことで、関係性って変わるんだね。
    ネコが来ない日は気になって、ついついチラチラ見てしまうの、分かるなぁ。

    三冊目にして、収入がないこと、の意味?みたいなものを、考えるようになった。
    お金があるとかないとか、そういうことにあまり頓着しなかった自分だけど。
    それは月々入ってくるものがあるからで。
    あるものから、少しずつでも減っていくだけの生活を、不安なく過ごせと言われたら、無理かも……。

    キョウコは、毎日を「贅沢ばかりはしていられない」と思いながらも、でも本当に欲しいものには、手を出せる。ゆとり?勇気?がある。

    生きていくこと、それ自体を楽しむことって、私には案外と難しいんだろうなと感じた。

  • れんげ荘シリーズまとめて再読です。

    まとめ読みすると、主人公の心情の変化がよくわかります。
    何も特別な事がないけれど、日々の暮らしに満足してる主人公。だけど、これで良いのかとか定期的に悩んだりしつつ。

    実家では母親が大きくなった孫たちとうまくいかなくなったり。
    主人公はアパートにねこが来るのを待ち侘びて日々過ごす、それはちょっと哀しい感じでした。

  • ふらりとキョウコの部屋にやって来た猫の「ぶちお」(名札の本名アンディ)。群ようこさんお得意の、猫描写が楽しい!

  • 今回は本当になにも起きなかった。(ラスト以外)
    これで累計38万部って。
    なにもしなくてもいいって安心できるからかな。

  • 散歩と図書館へ行くこと以外に、全くなにもしないことを気に揉むキョウコさん。

    仕事を辞めて貯金を切り崩しながら生きていくことに不安を感じたり、家に閉じこもってばかりで良いのだろうかと悩んでしまう。

    そんな中、ネコのぶちおが遊びに来てくれることがあり、恋人以上に愛しくて可愛く思ってしまうキョウコさんだけど、やはり閉じこもったままの生活でよいのだろうかと悩む。

    悩んでしまうけど、キョウコさん自身は結論は出ている。

    れんげ荘での生活は、不便がないわけではないけど、自由で穏やかでとても気に入っている。

    今回は、住人の一人、コナツさんとの距離が少し縮まったり。

    住人との距離も近すぎず遠すぎず、居心地が良さそう。

    最後、シリーズの「転」を迎えたような。
    次巻が気になる。

  • 「散歩する猫」を先に読んでしまい、あれ?と思っていたら、その間にこの「猫と昼寝」があった…。れんげ荘のキョウコは本当に羨ましい。そして猫のぶっちゃんがあるあるの猫姿で本当に可愛い。何もかもすっぱり止めてこんな生活に足を踏み入れられたら…。現実に戻るとお兄さん、物分かり良すぎだよな、その奥さんと子供達もすんごいいい人達過ぎだしと思ってしまうんだけど。この物語に辛くて生っぽ過ぎる現実もどうよ…だし、誰もそれ望んでおらんしな。オアシスって言うか、息継ぎみたい、この本読んで少し呼吸する感じ。必要なモノだけで生きていこうとリセットされる。

  • 4月になって新しい環境での仕事が始まり、そんな時に読んだ作品。
    だからか、とても心に染み渡った。

    働かない、という選択はとても勇気のいることで、決めてからもきっと迷いの連続で。
    働く、働かない、どんな生活をしても迷わないことはないし、みんな何かしら心の中にもやもやすることはある。クマガイさんが言うように、どんな立場でも不安はつきもの。

    ただ基本的に、私も日本の会社というものは、好きじゃない。自分らしさがなくなってしまう、そう思うし、時間をもっと大切なことに使いたい、大切な人と過ごしたい。
    でも生きるためにはお金も必要。そして社会に貢献しなければいけないのも、わかる。
    んーでも、人生のうちもう少し多くの時間を、自分らしくいられる時間に当てたいなぁ。


  • シリーズモノの第三弾
    特に大きな事件や出来事があるわけでもなく
    ただ、働かず貯金をきりくずし月10万で生活をする女性の話し。
    シリーズモノ好きなので、なんだか途中でやめれず読んしまう。
    働かない理由。働けない理由。色んな人の人生をちょい見させてもらってる感じで面白い。

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著者プロフィール

1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に。「無印物語」で人気を博す。『かもめ食堂』『れんげ荘』『三人暮らし』など著書多数。

「2023年 『老いとお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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