真夏の焼きそば 食堂のおばちゃん(5) (ハルキ文庫 や 11-6)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 73
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758442282

作品紹介・あらすじ

海老フライ、大根バター醬油、餡かけの茶碗蒸し、ニラ玉豆腐、ホウレン草と豚バラの酒鍋、焼きそば……。
姑の一子と嫁の二三に、今や大きな戦力となった万里の三人で営む「はじめ食堂」は、今日も常連客の笑顔がいっぱい。
そんなある日、二三の娘・要が、最近毎日のようにランチに現れる男性を見て
「四和ビル爆破事件の逃亡犯に、そっくり」だと言う……。
心も身体も幸せになる、続々重版の大人気人情食堂シリーズ、第五弾。文庫オリジナル。

感想・レビュー・書評

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  • 食堂のおばちゃんシリーズ第5弾。

    全体的にほっこり。
    大きな変化はないけれど、はじめ食堂が少しずつゆっくり進化。
    少しマンネリ感が出てきただけに、次の作品がどうなるか?楽しみです。

  • 山口恵以子さんの描写はなぜ美味しさが伝わってくるのだろう。
    季節やはじめ食堂で繰り広げられる心温まる出来事がそうさせているのは間違いない。
    それだけではない隠し味があるように思うのだ。

    真夏の焼きそば
    お世辞と坊主の頭はゆった事がない、っていう表現も面白い。ブルドック、シェパードって、ブルドックソースは知っているが・・・

    禁断のチーズ和え
    イチジクチーズ、食べたい。二三の言語能力も大したものだ。
    初めてのハラール
    洋風料理が続くが、イスラムでハラームは豚肉やアルコールなど食べられないもの。ハラールはそれ以外で、私の場合は、全ての食材を指す。

    過ぎし日のカブラ蒸し
    秋刀魚の塩焼きも大好きだ。周りから私の食べた後は綺麗だと言われる。きっと魚が好きだからかもしれない。残るのは頭と骨と尻尾だけになる。
    カブラ蒸しと茶碗蒸しは微妙に違う、イヤ別ものだ。でも、カブラ蒸しは、ゆりねや銀杏が入っていると高級料亭に来た気分になる。ここで登場した女子高生は、今後の布石だろうか?
    気の強い小鍋立て
    気が強いだけでは本当の強さとは言えないと思う。他者への優しさがあって、礼節をわきまえることができ、信念に基づいて行動する人が本当の強い人だと思う。

    万里の成長も目に見える。適性もあるのだろうが、どこか危うさもあって心配になる。しかし、万里の成長も隠し味なのかもしれない。

  • 毎回美味しそうなお料理に癒されていたがちょっとマンネリ化してきたなーって思っていた。しかし万里くんがさらなる1歩を踏み出しそうだし、はなちゃんや要との関係も気になってきた~。
    かぶら蒸しや餡かけ茶碗蒸し食べたいけど…ハードルが高いなー
    ニラ玉豆腐は真似してみよう!

  • 自分は作ったことがないもの、食べたことがないものも、全て美味しいと受け入れられる本。魅力のある登場人物たち、私も食堂でランチしながら時間を共有している感覚で読めてしまった。美味しいものは人を幸せにする。明日のご飯はいつもより工夫してみよう。美味しくなると想像して作ってみよう。幸せを実感しよう。

  • 最近立て続けにこのシリーズを読んでいるので、ちょっと飽きてきた感が・・・

    連作短編のようになっていて、初めて読む人のために毎回同じような説明が繰り返されるので、余計にそう感じてしまう

    万里のアイデアとそれを受け入れる二三と一子の柔軟さで進化し続けるはじめ食堂
    こんなに次々といろんなメニューが登場したら、常連さんも飽きることなく楽しめるだろう

    今回の私の一押しは小鍋立て、そしてその鍋を文士鍋と名付けたところ
    粋だなあ さすが江戸っ子!

  • 食堂のおばちゃんシリーズ5冊目。
    姑の一子と嫁の二三が切り盛りする、はじめ食堂。
    夏から冬への季節の移ろいの中で人間模様が繰り広げられる。
    この定食屋兼居酒屋での人情話を味わう短編集。
    第一話 真夏の焼きそば・・・夏の日替わりの麺料理の考案から、
      万里の閃きでワンコインメニューとテイクアウトが始まる。
      それから毎日、時間差で来る二人の客。その正体は?
    第二話 禁断のチーズ和え・・・残暑の9月、要の紹介で来店の
      作家とイラストレーター。見つめる視線の語る、想い。
    第三話 初めてのハラール・・・10月、初のムスリムの客が来店。
      瑠美が招いた客も。ハラール料理は新しい時代の文化交流。
    第四話 過ぎし日のカブラ蒸し・・・晩秋の11月、落ち込んだ瑠美を
      癒すのは、はじめ食堂で出された自分のレシピ。そして、
      カブラ蒸しを味わう少女は一子に語る。それは思わぬ縁。
    第五話 気の強い小鍋立て・・・12月の小鍋立てで賑わう店。
      調理師試験を受験することになった万里は、生活設計を語る
      はなの言葉から、自分の本当にやりたいことは何か、
      それがわからない自分に気づかされる。それは成長。
    <巻末>食堂のおばちゃんのワンポイントアドバイス・・・レシピ。
    優しい心遣いが味付けになる大衆食堂での、人情話短編集。
    ハラールへの柔軟な考え、万里や常連客の提案や意見を
    ないがしろにしない一子と二三の姿も、変わらずに良い。
    そして、調理のシーンと食卓を彩る料理の姿は、これまた
    美味しそうで、読後に食べたくなって困ってしまう。
    日に日に腕を上げ、アイデアを提示する万里ですが、
    はなの力強い言葉から、自分の将来を考え始めるように。
    人の縁をも見出し結びつける、はじめ食堂の存在、しみじみです。
    祖母の思い出を語る玲那と一子の縁。
    はなと万里もムスリムの客での縁。
    ハードボイルド作家の阿木と瑠美の今後は?
    チームはじめ食堂の先行きも気になるところ。

  • 食堂のおばちゃんシリーズも第5弾。

    本作もとても暖かな気持ちになりながら読みました。

    第6弾も楽しみ。

  • 万里くんの刺激に押され新しい事にチャレンジする一子と二三、一子と二三に見守られながら成長する万里くん…本当の家族のように良い関係性が出来上がっている。
    美味しい料理も勿論だけど、この良い雰囲気も、はじめ食堂のうり!
    そして何かと本気で考えたり、励ましたり、相談に乗ってくれる常連さん。
    もうはじめ食堂に来店する人達が家族のようでとても心地よい。
    このシリーズを読むと簡単な小さいおかずが幾つも食べたくなり台所に立つ事もしばしば^^;

    きっと近くにあったら自分も常連さんだ!と読む度に思う。

    はてさて…次作は万里くん、資格はどうなる?

  • 真夏の焼きそばにまつわるエピソード。ブルドッグとシェパードか。焼きそばは不動の人気だよね。いよいよはじめ食堂もハラールにチャレンジ?新たなメンバーも出てきて食堂がさらににぎやかに!
    カブラ蒸しも小鍋立てもおいしそう。食べてみたいな。

  • お腹すいてるときに読んだら拷問のようでした。美味しそうすぎる。万里くんがんばれー。

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著者プロフィール

1958年、東京都江戸川区生まれ。早稲田大学文学部卒業。松竹シナリオ研究所で学び、脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年、『邪剣始末』で作家デビュー。2013年、『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞。その他の著書に「婚活食堂」「食堂のおばちゃん」「ゆうれい居酒屋」シリーズや、『風待心中』『ゆうれい居酒屋』『恋形見』『いつでも母と』、共著に『猿と猿回し』などがある。

「2023年 『婚活食堂9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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