デッドヒート マラソンランナー・走水剛 (中) (ハルキ文庫)
- 角川春樹事務所 (2019年5月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (424ページ) / ISBN・EAN: 9784758442602
作品紹介・あらすじ
涙の途中棄権から一年。大学三年となった走水剛は、翌年の箱根駅伝で因縁の5区走者に指名された。運命のレースを経て、人生が大きく変化していく──。大学卒業後に入団したのは、大阪・青葉製薬陸上競技部。曲者の監督から聞かされた、東京五輪制覇の秘策とは? 箱根駅伝の雪辱とランナーとしての成長を描く、シリーズ佳境の中巻!(「デッドヒート」シリーズ全六巻を加筆・修正のうえ、全三巻としました)
感想・レビュー・書評
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さて、中巻へ入る。
上巻でシード落ちしたチームが再び箱根駅伝を目指して始動したところからスタート。
相変わらず淡々と季節は廻るが、予選会や本選のシーンは駅伝そのものの魅力もあってまずまず読ませる。同郷の二人が肩を並べて箱根の山を登るなんて、絵になるねぇ。
人物や心情の描写も全体的にはまだ薄いが、要所ではしっかりと描かれるところも出て来た感じで、“追い出しコンパ”を終えて渋谷で飲んだ4年生が、終電がなくなった後、皆で整列して多摩川を目指すところなどには余情あり。
最後の箱根はサラリと描かれ、しかしながら劇的なレースは、剛を大阪の実業団チームに運ぶことになる。
会社に入ってから段々面白くなってきた。大学生の駅伝はチームで監督の言うことに従い行動していたところから、社会人になって自主性に任されたことで剛のキャラクターが活きるようになってきたか。
面白味に欠けた学生生活の描写からすると、新入社員としての働き振りも生活感が出て来て良い(関西なので私にとっては知っているところが舞台になるのも親しみが出るというもの。枚方もふり仮名振って出てきたし。「マイカタちゃいます、ひらかたです」)。
短い中で波乱万丈の展開だが、ようやくマラソンのスタートラインに立ったところで、下巻に期待。
炭酸ガスの飽和風呂に入ってみたいなぁ。。詳細をみるコメント0件をすべて表示
著者プロフィール
須藤靖貴の作品
