冬晴れの花嫁 くらまし屋稼業 (ハルキ文庫 い 24-5 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 411
感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758442800

感想・レビュー・書評

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  • ぐぬぬぬぬ
    やってくれたなぁ!今村翔吾さんよぉ!

    うちは三姉妹なもんでね
    父と娘の話に弱いのよ
    しかも嫁入りの話とあってはもうあかん
    的確に弱点を突いてきました
    なかなかの策士ですわ

    そして今回もシリーズ通してのお楽しみ「ぼろ鳶シリーズ」のちら見せかあるんですが、それとは別に田沼意次ががっつり登場してきました
    ついに両方のシリーズにまたがる登場人物の爆誕てす
    こちらの今後も楽しみ

    様々な関わりを見せる今村翔吾さんの2大シリーズですが、あちらが陽とすれば「くらまし屋稼業シリーズ」は陰の物語と言えるのではないでしょうか
    徐々に明かされる登場人物の暗い過去や悲しみ、くらまし屋に依頼する人たちもそれぞれに悲しみを抱えているように思えます
    そしてそこから逃げるためにくらまし屋に頼るのです

    「ぼろ鳶シリーズ」が人の強さを描いているとすれば「くらまし屋稼業シリーズ」は人の弱さに焦点をあてている
    そんな風に思えます
    ただし今村翔吾さんが見据えているゴールはどちらも同じなのではないか
    そんな気がするのです

    • みんみんさん
      メロリンおはよ〜♪
      くらまし屋シリーズ図書館貸出中でなかなか読めないんだよ。゚(゚´ω`゚)゚。
      BOOKOFF大人買いしちゃうか笑

      三姉...
      メロリンおはよ〜♪
      くらまし屋シリーズ図書館貸出中でなかなか読めないんだよ。゚(゚´ω`゚)゚。
      BOOKOFF大人買いしちゃうか笑

      三姉妹いいねぇ〜わたし三姉妹だよ\(//∇//)\
      2022/08/22
    • ひまわりめろんさん
      気長に待ちなさい!
      またあっという間に抜かれるのやだ(大人気ない)
      そして常に4対1の戦いを強いられるお父さんの気持ちも考えたげて!
      気長に待ちなさい!
      またあっという間に抜かれるのやだ(大人気ない)
      そして常に4対1の戦いを強いられるお父さんの気持ちも考えたげて!
      2022/08/22
  • 「くらまし屋稼業」の5冊目。
    前作の最後に驚かされてどうなることやらと思い本作を開いたが、こちらの思いは全く放置されたまま、今回は老中・松平武元を晦ます話、って…。

    高尾山で対峙した御庭番・曽和一鉄や上尾宿の殺しを洗う道中同心・篠崎瀬兵衛が登場し前作前々作を思い返している内に、武元はもとより田沼意次までも登場。老中・酒井忠寄との権力争いも見え隠れして、この話、どれだけ話が大きくなっていくのか。
    今回は老中を晦ますという難しいミッションをどうクリアしていくかというところは勿論の見所だが、それ以上に武元や一鉄、篠崎や同じく道中同心・乾の人となりや胸中がじっくりと描かれ、平九郎・赤也に続いて七瀬の出自も明らかになるなど、シリーズの今後のための節目になる話だったように思える。
    話が大きく出た割には武元の依頼の大本がなんとも哀しく可愛らしく、願いを叶えた今井の渡しでのやり取りや亡き母が娘に遺した手紙の存在に泣かされた。

    でもって、また最後の最後だけ出てくるのね。さて、これからどうなる?

  • くらまし屋への繋ぎ方法が敵方に知られているだけで無く、集合場所の居酒屋が裏取引のある口入屋や幕府御庭番にまで知られてしまったと余計な心配をしてしまう。それもあり、今回は老中の晦ましという大仕事。人手は必要だったがトリックとしては簡単だった。ただ仕事は成し遂げたが、敵方に察知されて危うい場面も。娘を思う親父達の気持ちにホロリとさせられる。
    御庭番や道中奉行同心との連携や、最後の章では解決への期待を抱かせる。娘も無事なのだろうか?

  • シリーズ第5弾。
    今回くらますのは、江戸幕府の権力者、天下の老中・松平武元。
    「たった一日だけ姿をくらましたい」
    老中たっての願いを叶えるため、くらまし屋が立ち上がる。

    それにしても今回の依頼人はくらまし屋史上最も厄介な御仁なのかもしれない。
    常に大勢の家臣に見守られていて、付け入る隙もない。
    けれどくらまし屋にかかると、権力や地位等関係ない。
    依頼人を分け隔てなく扱い、ベストを尽くすプロ意識には感心しきりだった。
    勘の冴える道中同心・篠崎瀬兵衛や「虚」一味を相手に、老中の果たせなかった人生との決別のため勤めを全うする。
    赤也や七瀬の過去も明るみになったし、今後もますます目が離せない。

    『ぼろ鳶』リンクはまさかのあのお方。
    若い頃からやはり冴えてる。
    この後順調にご出世されたんだね、納得。
    そしてまたまたこの終わ方。
    読者の心を翻弄して、小出しにするなんて…もう。

  • <くらまし屋稼業>シリーズ第五作。

    シリーズが進むに連れ、話もスケールアップしていく。
    今回の依頼人はなんと、老中・松平武元。それも一日だけ姿を晦まして欲しいという。
    『くらまし屋七箇条』のその七、『捨てた一生を取り戻そうとせぬこと』、つまり一度晦ました後は元の生活に戻ることは出来ないというのがくらまし屋に依頼するときの決まりなのだが、老中の願いは一日だけ姿を晦まし、再び元の生活に戻るというものなので、その決まりに反する。

    だが老中の話を聞いていれば叶えたくなる人情もくすぐられるし、結局平九郎は老中が老中であるために『かつて捨てた一生』を『取り戻そうとせぬこと』と解釈して引き受けることにする。
    しかし老中がたとえ一日とは言え、フリーになってしまうということは、老中の足元を掬う者、命を狙う者にとっては絶好のチャンス。
    謎の集団『虚』、御庭番、道中奉行などなど、様々な者たちの間隙を突いてどうやって老中を晦ますのか。

    久しぶりにスケールの大きな晦まし工作を見られて楽しかった。やはりくらまし屋はこうでなくては。
    『虚』側の目的も段々と明らかになってきたようだが、今回は平九郎とのガチンコ勝負は決着着かず。次回への持ち越しということか。
    そして前作の赤也に続き、七瀬の正体も明らかに。只者ではないとは思っていたが、なんと平九郎以上の身分だった。もちろん今はくらまし屋だが。

    『虚』との対決に備えて、平九郎と共同戦線も出来てきた。
    最後は前作に引き続き『虚』の惣一郎とあの人との交流も描かれる。
    どういう結末になるのか楽しみだ。

    他のレビュアーさんのレビューを読むと、作家さんの他のシリーズとのリンクもあるようだ。そちらも読んでみなくては。

    • fuku ※たまにレビューします さん
      やまさん

      そうですね。私はまず、リンクしている他のシリーズを少しずつ読んでいきたいと思っています。
      やまさん

      そうですね。私はまず、リンクしている他のシリーズを少しずつ読んでいきたいと思っています。
      2019/11/29
    • やまさん
      fukuさん
      こんにちは。
      今村翔吾さんの「花唄の頃へ くらまし屋稼業」 (時代小説文庫)が、2020/2/5に出版されています。
      私...
      fukuさん
      こんにちは。
      今村翔吾さんの「花唄の頃へ くらまし屋稼業」 (時代小説文庫)が、2020/2/5に出版されています。
      私は、図書館に予約してあるのですがまだ来ません。
      くるのが楽しみです。
      やま
      https://www.amazon.co.jp/%E8%8A%B1%E5%94%84%E3%81%AE%E9%A0%83%E3%81%B8-%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%BE%E3%81%97%E5%B1%8B%E7%A8%BC%E6%A5%AD-%E6%99%82%E4%BB%A3%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%BB%8A%E6%9D%91%E7%BF%94%E5%90%BE/dp/475844319X/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E4%BB%8A%E6%9D%91%E7%BF%94%E5%90%BE&qid=1581218992&sr=8-1
      2020/02/09
    • fuku ※たまにレビューします さん
      やまさん
      こちらも続編出たんですね。
      こちらの図書館は入荷が遅いので、いつになるかは分かりませんが、読んでみたいと思います。
      やまさん
      こちらも続編出たんですね。
      こちらの図書館は入荷が遅いので、いつになるかは分かりませんが、読んでみたいと思います。
      2020/02/09
  • 冬晴れの花嫁 ー くらまし屋稼業シリーズの5作目
    2019.08発行。字の大きさは…小。

    老中・松平武元を1日だけ姿を晦ませる依頼を引き受ける。くらまし屋、道中奉行同心・篠崎瀬兵衛、虚の鉄漿(おはぐろ)阿久多と初谷男吏の3つ巴の戦いとなる。武元と娘との話で涙が出て来た(涙)。
    御庭番頭・曽和一鉄とくらまし屋が共闘する事となる。
    北の寒い集落に初音と娘が出て来た、もしかすると平九郎の探している人ではないのか。

    次回が楽しみです。
    2019.09.17読了

  • くらまし屋第五弾。
    幕府御庭番の曽和一鉄。
    なかなか良い男だった。
    最初、年配の男をイメージしていたせいで、
    終盤若かったことがわかり、少し混乱。

    これまであまり戦いのシーンにはワクワクしなかったんだけど、今回、殿を逃すために立ち向かった一鉄が良かった。
    そしてピンチになれば平さんが現れてくれると信じてた。
    虚との戦いはまた持ち越されたけど、
    ひとりで立ち向かうのは大変そうだ。

  •  今回のくらましの依頼主は、老中。老中の命を懸けた思いをかなえることができるのか、くらまし屋シリーズ第5弾。

     今回のくらまし屋のミッションは、今まで以上にスケールが大きくなり、闇の集団やお庭番、道中奉行に凄腕の殺し屋まで一癖も二癖もある人物たちが次々と登場し、いやが応にも物語が盛り上がっていく展開でした。

     時代劇のあらゆる醍醐味が詰まっている中に、人を思う心の強さも描かれていて、クライマックスでは涙を禁じえませんでした。

     同作者の「羽州ぼろ鳶組」シリーズとのつながりも所々に差し込まれ、そちらの楽しみも味わうことができました。

     次巻も目が離せない展開です。

  • シリーズ第五弾。

    今回は、老中・松平武元を特定の日に晦ますという依頼が入ります。
    生き別れの娘の花嫁姿を一目見たい、という松平武元ですが、老中の身を案じる田沼の手配でガチガチの厳戒体制がとられ、しかもその中にはくらまし屋メンバーが最も警戒する男の一人、道中同心の篠崎瀬兵衛の姿もあり、まさに難易度MAXという状況です。
    毎回、意表をついた“晦まし“で楽しませてもらっていますが、今回も“ほう・・”と感心するような見事な手際を見せてくれます。このようなすごい作戦を思いつく七瀬ですが、今回は彼女の驚きの出目が明らかになります。
    そして、“虚”からの刺客を撃退すべく平九郎達と共闘する、お庭番の曽和一鉄や、瀬兵衛の同僚・乾京介など、味のある新キャラも登場し、どんどんシリーズに深みが出てきていますね。
    そして、前巻から「終章」の内容にザワザワしっぱなしの私です。“夢の国”の状況をもうちょい読みたいところですが、この小出し具合が続きを楽しみにさせるのでしょうね。

  • 今回は泣いた、、、。

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著者プロフィール

1984年京都府生まれ。2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。’18年『童の神』が第160回直木賞候補に。’20年『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞を受賞。同年『じんかん』が第163回直木賞候補に。’21年「羽州ぼろ鳶組」シリーズで第六回吉川英治文庫賞を受賞。22年『塞王の楯』で第166回直木賞を受賞。他の著書に、「イクサガミ」シリーズ、「くらまし屋稼業」シリーズ、『ひゃっか! 全国高校生花いけバトル』『てらこや青義堂 師匠、走る』『幸村を討て』『蹴れ、彦五郎』『湖上の空』『茜唄』(上・下)などがある。

「2023年 『イクサガミ 地』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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