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本 ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784758442893
感想・レビュー・書評
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居酒屋ぜんや シリーズ7
小十人番士の旗本の次男坊・林只次郎は、鶯が美声を放つよう飼育するのが得意で、その謝礼で一家を養っていた。
林家の長男が、家督を継いで、両親が、只次郎の部屋に移ってきたため、只次郎は、家を出て、ぜんやの裏長屋に越してきた。
心配の種であった、ルリオの後継問題も、雛が成長し、美しい声色で歌い始め、一段落した。
そんな只次郎に、縁談が舞い込んできた。
一年前に、彼を見初めた、大店「三河屋」の娘、お浜の婿にと望まれたのだ。
お妙への想いと商人になりたいという、夢を天秤にかけたまま、どちらも決めかね、揺れ動く只次郎。
ようやく、心を決め、お妙に、想いを打ち明けようとした矢先「三河屋」から、お浜は、番頭と添わせることにしたと・・。
姪のお栄が、お年寄りの部屋子として、大奥へ、
裏長屋のおえんが待望の妊娠・・
と、只次郎の周りは、動いていくが、只次郎とお妙の仲は、なかなか、先が見えない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ第7弾。
只次郎に恋する三河屋の娘・お浜。ここで三河屋が娘の婿になれば、出店を持たせてくれるという、おいしい縁談を持ち掛けてきます。
お妙への想いと、商人への夢で揺れる只次郎。
そして、お妙の気持ちは・・・?という事で、只次郎とお浜との縁談は、停滞(?)していた関係に一石を投じたような効果があったように思います。
只次郎も何気に成長して“いい物件”になりつつあります。
あとはお妙さんの気持ち次第、というところですかね。 -
只次郎が婿入り?!お妙さんのことは諦めるのか?!二人の関係が遂に決着かと思いきや…早く次の巻が読みたくなる。
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江戸時代中期、美人女将の妙が切り盛りする居酒屋ぜんやを舞台に描かれる時代小説だ。
武家としてのしきたりを重んじる家族に辟易して長屋暮らしを続けている貧乏武家の次男坊・只次郎の心境が丁寧に描かれていて、ああそうだよなあ、と思った。
武家の融通の利かなさを窮屈だと思っていても、実際には「武士」であることに守られている。自由な発想で生きられる商人になりたい、と思っていても、実際にその扉が開こうとすれば尻込みをしてしまう。
足枷と思っていたものが案外鎧にもなっていることに気づいたり、願っていたものが目の前に現れたら急に自信を失ってしまうことって、きっと誰にでもあるのだと思うけれど、そんな「誰にでもある」がちゃんと語られて、肚にしみる。
本作の最後では、落着したと思っていた案件が不穏な気配を見せたり、只次郎と妙の関係も微妙に近づいたような離れたような、なんとも次作が気になる展開になった。 -
名鳥ルリオの子の譲り先が決まり、お志乃の子は健やかに育ち、おえんは悲願の懐妊。
しかし、夫婦のすれ違いあり、嫉妬ありとなかなかに穏やかではない「ぜんや」での日々のなか、只次郎に縁談が。
身分違いに年齢差、募る想いを言い出せない只次郎とその気持ちに気付かぬ振りのお妙。
只次郎の想いが届く日は来るのでしょうか。 -
升川屋夫婦はお妙がいないと夫婦喧嘩も上手にできないのか。三河屋と只次郎の入婿騒動。只次郎と番頭を秤にかけて両方に「いい加減はっきりしろ!」と言ったつもりなのかな、三河屋さんは。只次郎は肝心なところで升川屋の邪魔が入って残念。でもお妙がやっと意識し出したのは良かった。
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楽しいですねー。
お勝さんのあの性格、大好きです。
そして気になる二人の仲。
以前よりもいい感じになったとは思うのですが、なにせあの性格のため、まったく話が進みません!こちらも先が楽しみですねー。 -
ぜんやに居候が続く只治郎。
ルリオの息子達の行方も決まる。
自分の身の振り方に迷っているところに縁談が。
お妙への気持ちをどうするのか?
只治郎のこの先が見えないところ。
暑い時に食べる冷たい冷汁やふうふう言いながら食べるつみれ汁などなど。いつもながらに美味しそう。 -
美しい声音で歌い始めた鶯を馴染みの旦那衆の
誰に譲るか。林只次郎は、居酒屋「ぜんや」で
美味しい食事を囲みつつ決めることに…。丁寧で
美味しい料理と共に、人の心の機微を濃やかに
描く人情小説第7巻。
著者プロフィール
坂井希久子の作品





