あんの青春 若葉の季 お勝手のあん (時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 463
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758443807

作品紹介・あらすじ

昨年の大地震が残した爪痕も、ようやく幾らか薄れてきたように思えた頃。
品川宿の宿屋「紅屋」では、おやすが見習いから、
台所付きの女中として正式に雇われることとなり、わずかばかりだが給金ももらえることになった。
「百足屋」のお嬢さま・お小夜が嫁ぎ、おあつから別れの手紙を受け取るなど、
寂しくもなるおやすだが、心配していた勘平の消息を聞き、
「むら咲」の女料理人・おみねから出された謎も考えながら、充実した日々を送っていく──。
時代小説版「赤毛のアン」、大好評シリーズ第三弾。

感想・レビュー・書評

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  • 「お勝手のあん」シリーズ第三弾。品川宿の老舗宿屋・紅屋の台所付き女中・おやすの成長物語。
    時は江戸時代幕末、偶然知り合ったおあつ様(篤姫!?)の輿入れも間もなく…といった時代。
    おやすは16歳に。女中となり毎月お給金をいただいている。
    ある日大旦那様に呼ばれ、
    「(おやすを引き取った際の費用分は)十分働いてくれたから、もう借金の心配はない。その時が来たら自分で自分の人生を決めて、大手を振ってここを出ていっていいんですよ」
    と言われ戸惑うおやす。まだ料理の修行中だけど、紅屋を出る日が来るのだろうか。おやすちゃんの今後を見守りたい。

    美味しそうだと思った食べ物ψ(´ڡ`♡)
    「七味唐辛子」…その歴史や、調合についての話あり。
    先日ややお高めのスーパーに寄り、七味唐辛子を見物してきた。色々とあるものだな〜。イタリア七味、フランス七味という名の商品もあった(この場合の"七味"とは比喩で、その国のハーブやスパイスをブレンドした調味料らしい)。
    ありきたりだけど柚子入りを購入。日本独特の香辛料の香りや味を楽しむようにしたい。

    • ゆたこちさん
      なおなおさん、こんばんは!

      絵本×暗黒系♪
      個人的にはそういう「何でも来い☆彡」な本棚って大好きなんです。

      上手く言えないんですが、私は...
      なおなおさん、こんばんは!

      絵本×暗黒系♪
      個人的にはそういう「何でも来い☆彡」な本棚って大好きなんです。

      上手く言えないんですが、私は絵本・昔話と趣味本はなんとなく別の人格?心?で読んでる感覚があるので、分けた方が感想も書きやすくて(^o^ゞ

      なおなおさんのオールジャンルな本棚やレビュー、これからも楽しみにしております(〃▽〃)
      2023/02/24
    • なおなおさん
      ゆたこちさん、こんばんは。
      またまたすみません。
      絵本✕暗黒系、許されるのですね^^;

      それからそうなんです…失礼ながら、yutakoch...
      ゆたこちさん、こんばんは。
      またまたすみません。
      絵本✕暗黒系、許されるのですね^^;

      それからそうなんです…失礼ながら、yutakochiさんとゆたこちさんは同じ方(^^)、いや違う方かも…と何度か思いました^^;ごめんなさい。
      yutakochiさんのピンク色の可愛らしい本棚から"シンデレラ"や"懐かしの女の子"の本を読んだり、またコメント欄では寮のお風呂体験談をしたりして、楽しい思い出がいっぱいなんです。
      yutakochiさ〜ん!会いたい(;_;)/~(笑)

      その本によって人格や心が変わる気がするって面白く、気付かされました。
      読書で類似体験することもできますしね。
      新たな形でゆたこちさんと出会い、嬉しいです。これからもよろしくお願いします(^^)
      2023/02/25
    • ゆたこちさん
      なおなおさーーん(。・д・。)ノ
      そんな風に言って頂けてすごく嬉しいです。ジーンときちゃいました。

      最近は娘も一人読みしたがることが多くな...
      なおなおさーーん(。・д・。)ノ
      そんな風に言って頂けてすごく嬉しいです。ジーンときちゃいました。

      最近は娘も一人読みしたがることが多くなって、読み聞かせもお馴染みの本ばかりなので、絵本棚どうしようかなーと思っていたところなんです。
      感想書きたかった絵本もいっぱいあるので、また時々更新してみようかな(*^^*)

      趣味棚は雰囲気が違うようで、この間111108さんにご挨拶した時も驚かれました(笑)
      私もこっちの棚の自分を見られるのが恥ずかしくてしばらく迷ってたんですが、やっぱりなおなおさん達に会いたくてフォローさせてもらっちゃいました(。-人-。)絵本棚でのやり取りが本当に楽しかったので。

      またどちらの棚でもお話できたら嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします(^-^)/
      2023/02/26
  • 「お勝手のあん」シリーズ第三作。

    今回も様々なテーマが次々と。
    前作でお色気飯屋〈むら咲〉の女料理人おみねから出された宿題(謎の黄色い粉の正体とそれの使い方)について。
    アレだろうと思うものはあるが、それを使っておやすが何を作るのか、そこに至る追求や思考を興味深く読んだ。
    おみねは〈むら咲〉のライバル店が続々出てきたところでサクッと店を畳むらしい。そしてまた新たな構想があるようだ。おみねの割りきり方、前へ前へと進む力強さが格好良い。

    〈紅屋〉を逃げ出した勘平の消息が分かる。金平糖職人に付いて修業していたらしいが、地震を機に〈紅屋〉に戻りたいと言っているらしい。しかし奉公先を逃げ出した人間を戻すことは出来ないため、勘平の能力と性格を考えて新たな場所を見つけてあげたらしい。政一といい、番頭さんといい、大旦那といい、〈紅屋〉は実に優しい職場だ。

    〈百足屋〉のお嬢さん・お小夜が〈十草屋〉に嫁いで以来、久しぶりの再会。夫婦仲も良く楽しく過ごしているのを見てほっとするおやすだが、今で言うメタボ体型のお小夜の主人・清兵衛が健康になれる料理を考えることに。こちらは続編への宿題。

    薩摩の姫おあつ様がいよいよ輿入れとの報せが。完全に閉じられた世界に入ることになるおあつを思い、おやすはせめておあつ様のお相手が良い方であることを祈る。

    などと今回も様々な出来事があるが、メインと言って良いのはおちよの話。
    〈紅屋〉の親戚で、やはり旅籠を営む実家でやがて女将になることが決められているおちよだが、おやすから見るとどうにも危なっかしい。
    そのおちよに想い人がいることが分かる。それも予想より関係が進んでいて、相手の男がおちよ以上に危なっかしい。そのために〈紅屋〉はピンチに…と思いきや、そっちはアッサリ片付く。しかしその後の方が大変だ。一体どんな顛末になるのか、これまた続編へ。
    おちよの事情が明らかになり、少し同情もする。おちよがおやすに対して微妙な反発と好意とを行ったり来たりするのも分かる。おやすの素直さ真面目さ勤勉さが眩しすぎると感じる人もいるのだ。

    事情といえばおやすの料理の師匠・政一が〈紅屋〉に来た経緯も分かった。政一にとっておやすは弟子であり娘のような存在なのかも知れない。

    新たな出会いは医師の上田幸安。〈紅屋〉のかかりつけ医とは真逆で親しみやすく説明も分かりやすい。それだけ人の心にするりと入り込む人たらしな感じも受けて、誠実な人なのか気を許してはいけない人なのかは分からない。しかしおしげが信頼しているのだから安心していいのだろうか。

    最後に勘平との短い再会がある。背丈だけでなくすっかり大人びた勘平に狼狽えるおやすだが、それはお互い様かも知れない。勘平の言う通り、いつか再び会えるだろうか。

    だんだん『赤毛のアン』から離れて来たが、おやすの成長ものとして追いかけていきたい。

    ※シリーズ作品レビュー
    「お勝手のあん」
    https://booklog.jp/users/fuku2828/archives/1/4758443076#comment
    「あんの青春 春を待つころ」
    https://booklog.jp/users/fuku2828/archives/1/4758443432#comment

  • シリーズ第三弾。まさかのカレー、かりいが登場。タイトルは『あんの青春』だが、あんだけでなく、嫁に行ったお小夜、妊娠してしまったおちよ、そして勘平の青春が描かれていてホロ苦い。

  • 出会いと別れを繰り返して少しずつ成長していくやす。
    そして、前の巻で「むら咲」の女将おみねから出されていた課題もクリヤするのですが、そんなやすを好きだけと嫌いだという人物も現れて……。

    人生なんて、人それぞれ、妬みは不幸の元でしかないし、それを思いやることができるあんちゃんことやすが大きくなったなと母親の視線です(笑)
    続きが楽しみなこのシリーズ。おいしいは正義なのですよ。

  • 前作で、
    「おあつさんはもしかしたら、のちに将軍に嫁ぐ篤姫なのかな?」
    って推測をしました。
    どうやらそうみたいで、ワクワクしました。
    おやすはまだハッキリと気付いていない様子のように思えたけど、次回は、確信したおやすが見れるかな?ビックリするのかな?確信したおやすをみるのが待ち遠しい!
    あわせて、おちよちゃんは一体どうなるのか?
    こちらは待ち遠しいというよりは、ハラハラ。
    今回新しく登場した、上田光安先生と、お小夜ちゃんの旦那様、清兵衛さん。
    光安先生は、このまま信用できる先生であってほしいな。
    おやすとお小夜ちゃんは、清兵衛さんに、体に優しい料理を作ることができるのか?
    次回も読みどころが盛り沢山で、早く続きが読みたいです。

  • おみねの出した謎解きからスタート。
    おあつさまのその後。お小夜さまの新居を訪ねる。そこでまた一つ課題が。
    おちよ、遊び人とかかわり危うく押し込みの手引きに。
    1、2巻では感じなかったけれど、1ページに渡るような長くて説明的なセリフがいくつか。話のテンポがググッと落ちてしまう。

  • お勝手のあんのシリーズ3作目。
    面白い。今回はカレー粉の話があり、江戸末期にカレー粉が伝わっていたらこんな感じかと興味深い。篤姫様の話しなどもあり、時代の移り変わりも感じられる。
    やすが料理人として育っていく様子も応援したい。
    政さんやお小夜さん、勘平との関わりも今後どうなるのか楽しみ。

  • 品川宿「紅屋」で女中見習いとして頑張るあんちゃん。
    料理人・政さん、女中頭・しげさん…。登場するのがみんな良い人で安心して読める。
    そして紅屋の旦那さまが本当に良い人!
    奉公人にも気を配り本気で身を案じてくれる。こんなにも懐の深い人の元で好きな料理の道を進むことができて良かったなぁと思う。
    あちこちで厳しくも優しい政さんの言葉が響いてくる。

    百足屋のお小夜ちゃんや武家のお嬢様 おあつさんとのシーンが好きでした。
    女が自分の意思で道を選ぶことが出来ない時代。ままならない現実でホッと安らげる束の間のひととき。
    百足屋の旦那様の娘を想う姿にはじーんとしてしまった。
    次々と様々なことが起こり目が離せない展開!
    それに「みをつくし料理帖」のごとく、出てくる料理がとにかく美味しそう。
    ラストはしんみり涙してしまいました。

    「料理」 × 「時代小説」はやっぱりおもしろい。
    読んでいてホッとします。

  • 「お勝手のあん」シリーズ第三弾。
    おやす十六。
    お勝手では焼き物を任されるようになった。

    嫁入りしたお小夜との友情が続いている様を描きながら、今回一番の激動は、おちよ?
    複雑な生い立ちを知ってみれば、ああ、それが原因だったのか、現代にもこういう子はいるなあと思う。
    人一倍承認欲求が強いのは、親に認めてもらえず育ったからだ。
    守ってくれる大人がいない子供は、甘い言葉に乗せられて酷い目に遭ってしまうことが多い。
    お小夜も勘平も、おちよと同じように、自分の境遇に不満だらけだったが、周りの大人が心を砕き、手を尽くして対処してきた。
    おちよの場合は少し手遅れになってしまった感があるけれど、なんとか平穏な人生を手に入れて欲しいものだ。
    この件は次回に続く。

    おやすは「感謝の人」だから自分の境遇に不満を抱いていない。
    その辺が良い子ちゃんに見えてしまうのかもしれないけれど…
    政一という頼れる師匠がいるし、なんと言っても大旦那様だ。
    政一を救って、やすを救って、仏様のような人。
    だが、その気遣いに却って戸惑う?
    (「いまさら翼といわれても」的な?)

    他にも、やすを取り巻く魅力的な大人達がいる。
    最初は、変わり者の天才絵師、なべ先生こと河鍋暁斎。
    次は、料理人として、女としても尊敬できるおみねさん。
    今度は町医者の、人たらしの上田幸安(うえだこうあん)先生。
    漢方薬の知識にたけ、やすに「薬食同源」を教え、メンタルケアにも詳しい。

    おやすの成長はとても楽しみだけど、あまり急いで大人にならないでほしい。
    勘平を見てそう思った。
    また会えるといいな。

  • めちゃくちゃ面白いねん…。
    2022年の面白かった本ベスト5に絶対ランクインするけど、2023年のランキングにもインしそうな面白さ。
    これは、朝ドラでやればいいのでは。知らんけど。

    続編もすぐリクエストする。

    江戸時代末期ってほんま、ついこないだなんやなあと思ってしまうな。イエス昭和生まれ

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著者プロフィール

 小説家、推理作家。
『RIKO-女神の永遠』で第15回横溝正史賞。
 猫探偵正太郎シリーズ、花咲慎一郎シリーズ など。

「2021年 『猫日記 Cat Diary』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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