みんなのナポリタン 食堂のおばちゃん(9) (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758443890

作品紹介・あらすじ

「おばちゃんとこ、ナポリタンはやんないの?」
焼き魚、ハンバーグ、串カツ、豚汁、オムレツ、ふろふき大根、カレー……昼は定食屋で夜は居酒屋。
姑の一子と嫁の二三に、今や大黒柱になった万里の三人で営む佃の「はじめ食堂」は、庶民的で美味しい料理が評判だ。
お客のリクエストで、なつかしのナポリタンもメニューに入れることに。
一方、常連客の瑠美先生の告発記事が週刊誌に出てしまい……。
続々重版の大人気シリーズ、第9弾。文庫オリジナル。

感想・レビュー・書評

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  • 「食堂のおばちゃん」シリーズ第9弾

    コロナ禍で飲食店経営が色々と制限を受ける中、食堂&居酒屋が舞台の作品も展開には苦労したのではないかと思う。

    今回は、美味しいもの多め、事件少なめ。
    前作で、常連さんの一人を失うという衝撃展開を受けて、今回はおとなし目なのか、不安定な時代に書くべきものに迷ったのか。

    事件は二つとも、女子と男の問題だ。
    心に隙のある時の女、そして男。
    モヤモヤする。

    一つ言わせてもらっていいですか。

    この、永野つばさって娘は何なんでしょうね?
    以前は、慕っていたおじ様が結婚するのが寂しくて職場で不倫して、それが原因で会社を辞める羽目になって。
    今度は、
    社内恋愛で二股かけられて、若い後輩の方が選ばれたからって、他人に彼氏役を演じてくれるよう頼み込んでまで「あんたよりいい男と結婚します」と当て付けて復讐するとか。
    そんな生き方で良いんですか?
    この人の焼いたパンは、ちょっと食べたくないな〜。

    それに比べて、辰波康平さんと菊川瑠美先生。
    告白したんだっけ?してないですよね?
    にも関わらずの落ち着きは年齢なのか人柄か。
    ・・・人柄でしょう。
    まだ付き合ってる自覚もないはずなのに、熟年カップル風の、燻し銀の輝き、素敵です。
    焦らなくても、ゆっくりで良いよね。

  • 食堂のおばちゃんシリーズ9冊目。
    姑の一子と嫁の二三が切り盛りする、はじめ食堂。
    若頭の万里も益々腕を磨いている様子。
    美味しい料理と温かい雰囲気、楽しい会話で賑わう店内で、
    男女の関係は良い隠し味になるのか?それとも・・・。
    第一話 豚汁日和・・・年末は豚汁から始まり、数々の料理と
      登場人物の近況に彩られる。そして新しい人物も?
    第二話 参鶏湯で癒されて・・・良い年への願いを込めての忘年会。
      ところが年明け早々、常連の瑠美への告発記事が週刊誌に。
      長年のアシスタントのよるものだが、その裏にはある理由が。
    第三話 ラム肉はピンク色・・・2月はヴァレンタイン週間と奉祝
      週間の特別料理。だが久々に来店したつばさが騒動の予兆に。
    第四話 おろしポン酢は恋の味・・・ポン酢と烏骨鶏で弾む店内の
      会話。そんな中で、つばさが寿退社するという話が。
    第五話 みんなのナポリタン・・・ナポリタンのバリエーションの
      豊富さから始まる“みんなのナポリタン”大作戦、開始!
    <巻末>食堂のおばちゃんのワンポイントアドバイス・・・レシピ。

    優しい心遣いが味付けになる大衆食堂での、人情話短編集。
    コロナ禍の悪影響がひしひしと感じられる、年末からGW明けまで。
    「じっくり煮込まないと、男女の仲も味が染みない」という、
    一子の言葉が康平と瑠美の姿に現れているようで
    微笑ましかったです。ゆっくりゆっくり距離が縮まっている様子。
    反対に、つばさは今回もなんだかなぁ~な、お騒がせの姿。
    また、訪問医の山下先生の過去と仕事への想いは素晴らしい。
    彼の一歩を後押しする一子の言葉も、現代の介護や老後の不安の
    代弁となってるように、心に響きました。

  • 今回もはじめ食堂は元気だった。
    豚汁はみんなのアイドルみたい!確かにプラスいくらで味噌汁を変更してくれるお店はあるけど、一層のこと全部豚汁なら迷う必要ないしな。
    つばさちゃんの不審な行動(?)にはハラハラしたけど、ちゃんと着地してよかった。
    ナポリタンは日本の料理、家庭料理。それぞれのこだわりや思い出があっていいな。

  • 婚活食堂の作者さんの作品。
    心暖まるお話とご飯を提供するはじめ食堂シリーズ。こちらは第9作。
    今回も串カツ、ナポリタン、参鶏湯、豚汁と絶妙な取り合わせで楽しませてくれました。寒い季節にぴったりの料理ばかり。
    今まで手に取って中では1番美味しそうだった白子の茶碗蒸しはいつかリアルで食べて見たいな(エピソードのタイトルには取り上げられていませんが…)

  • 私のナポリタンは、熱々の鉄板に卵が敷かれた、ピーマンたまねぎベーコンのケチャップパスタだなぁ。
    うちの地域独特らしいけど。
    高校のころ、よく通ったお店があったなぁ。
    そういえば最近はお店でナポリタンを食べてないなぁ。
    なんてことをつらつらと思いながら読了。

    串カツがたくさん登場するものだから、行きつけの串カツ屋さんへ行きたくなった。

    旬のお野菜をその季節に食べるのはいいよねぇ。
    おいしいごはんは人を幸せにするよねぇ。

    病気のせいにして手の込んだ料理をなかなかしなくなってるけど、できる時は、無理しない範囲で、おいしい料理をしようと改めて思ったり。

  • 食堂のおばちゃんシリーズ!
    やっぱりこういうシリーズ物はほっこりするよね
    酒もご飯も食べたくなるー
    めっちゃ串カツ食べたくなった←ナポリタンじゃない
    食べ物系小説は、定期的に読みたくなる
    三原さんも瑠衣先生の大人の恋にほっこりー

  • 食堂のおばちゃんシリーズ第9弾。
    今回取り上げられている料理も大好きなものばかりで

    『ああ、こんな食堂が身近にあればなぁ……!』

    と思わされれました。
    (これ、毎回思ってる)

    時代はコロナ渦真っ只中。
    チラホラと話題に上がる不況の話題も
    今はまだリアリティがあり過ぎて少し苦しさを感じた。
    リアリティを感じてしまうあまり、ビュッフェスタイルで行われる忘年会のシーンでは衛生面を心配してしまったり。

    こういう思考にすぐ至るのはリアルタイムの人間ならではだろうなと思うと同時に
    1日も早く「こんな時代もあったね、あの時は大変だったね」と思い出話にできる日が来て欲しい。

  • ああ、ほっとする~。
    はじめ食堂は心のふるさとみたいなものだから。

    1豚汁日和
    2参鶏湯で癒されて
    3ラム肉はピンク色
    4おろしポン酢は恋の味
    5みんなのナポリタン

    どれを読んでも、頭の中が美味系幸福感で満たされる。
    私も作りたくなってきた。まずはナポリタン。そして豚汁には里芋入れるのね。ジャガイモ派だったけど、次は里芋にしてみよう。

  • 久しぶりの山口作品。相変わらずの美味しそうなものばかりで、ストーリー把握に一苦労。こんなお店あったらいいと思うが、食事代いくらくらいかかるのかなって、ついつい現実的に考える自分がさみしい。

  • 安定感で良いんやけど説教臭さがなんか増してる、、、?
    ほどよい人情感で次作は戻ることを期待

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著者プロフィール

1958年、東京都江戸川区生まれ。早稲田大学文学部卒業。松竹シナリオ研究所で学び、脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年、『邪剣始末』で作家デビュー。2013年、『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞。その他の著書に「婚活食堂」「食堂のおばちゃん」「ゆうれい居酒屋」シリーズや、『風待心中』『ゆうれい居酒屋』『恋形見』『いつでも母と』、共著に『猿と猿回し』などがある。

「2023年 『婚活食堂9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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