- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758444415
作品紹介・あらすじ
京都西町奉行所同心、榊玄一郎の元に、手下の小吉が現れた。
堀川に相対死(心中)の水死体が上がったのだという。
骸が発見された橋のたもとに向かった玄一郎だが、現場には西町奉行の侍医、久我島冬吾の姿があった。
この医者は頼みもしないのに勝手に検分をして、同心たちとは全く違う見解を述べるので、評判はかなり悪い。
しかも『相対死は三日間、四条河原に晒される』という法度があるにもかかわらず、
久我島は玄一郎に、人助けと思って、心中である事実をもみ消せと言い出した。
一体何が目的なのか!? しかしこの心中事件が市中を震撼させる事態へと発展していく──。
感想・レビュー・書評
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2023.06.19
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二編からなる話。
二つとも人間の心情がことこまかに書かれていて優しい気持ちになっていく。
親の仇討ちも年齢を重ね何故殺されなければならなかったのか理由が分かるだけでいい。相手を憎く思う事はなくなったと刺々しさがなくてこんな気持ちで過ごしてパワーをもらいたい。 -
事件と時代とそこに関連する人が上手く絡んでいて楽しく読めました。
玄一郎が凄く優しいのが印象的。妻を凄く大切にしてるのが分かるのが良かったです。 -
同心が歩き回るのは何も江戸だけじゃない。京都弁の捕り物が新鮮……と思って読み始めたが、事件はつながり様相を変えていく。
謎解きとしてはわりとわかりやすいと思うが、だんだん明らかになっていく人間関係の心情の書かれ方はさすがだと思う。
絵師としてのこだわり、男のこだわり、女のこだわり。親の思い、子の思い。
それぞれが丁寧に書かれていて、大きい出来事に巻き込まれて翻弄されていく市井の人の悲哀も切なかった。
最初は玄一郎と久我島のバディものかと思ったけど違ってました。 -
第一部 鴛鴦図の女 第二部 天馬の男
一人の女と一人の男。直接の関わりはないのだけれど、何か繋がるものを感じてしまう。玄一郎さん、あなたはどう思いますか?