航空自衛隊 副官 怜於奈 (3) (ハルキ文庫)

  • 角川春樹事務所 (2022年1月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784758444538

作品紹介・あらすじ

南西航空方面隊司令官付き「副官」の斑尾怜於奈。
ようやく副官業務に慣れてきた彼女に、宗教団体に入信している隊員から勧誘が!?
そんな中、怜於奈は、初体験の指揮所演習に戸惑いながら参加する。それがまた彼女には大きな試練だった──。
副官は演習でも大っっっ変!! 
自らも副官を経験した元幹部自衛官が、知られていないリアルな自衛隊を描く、大反響・本格自衛隊小説、第三弾!

感想・レビュー・書評

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  • 航空自衛隊の内情を詳細に描いた自衛隊モノ、シリーズ第三弾。今回は、怪しい宗教を信仰する隊員への対応と、指揮所演習の話。指揮所演習は司令部のための図上演習。中国軍が尖閣諸島で領空侵犯を繰り返し、遂に交戦状態となるという恐ろしいシナリオ。現状の尖閣防衛の問題がクローズアップされる。

  • 斑尾に声をかけてきた知人が信仰しているのは『現政権のままだと日本は滅ぶ』と主張している団体。
    斑尾としては宗教を捨てさせるのは無理でも、自衛隊内での勧誘をやめさせるために上司に相談しながら奔走。
    メディアを巻き込んで宗教弾圧と言われたら大変、と斑尾は心配していたけど司令官の溝ノ口に言わせると『広報や法務部は大変かもしれないけど、自分達は別に』。
    現場の人達にしてみれば、あまり関係が無いことなのね。

  • 南西空司令官の副官、斑尾玲於奈、情報保全隊の点検の際に司令官と点検官の密談が気になっていた。その玲於奈に冊子を手渡す先輩の吉岡1尉、どうやら問題の宗教団体の勧誘だった。対処に困っているところ、初めての指揮所演習に臨む。中国を念頭に置いたZ国による尖閣諸島への侵攻への対応であった。
    玲於奈の感想「物足りなさ」を司令官に告げると演習の状況は苛烈を極めた。
    そして演習終了後、吉岡からさらに働きかけがあり、迷ったあげく司令官に報告することにした。

  • 借りたもの。
    秋は演習の季節との事。メインは指揮所演習(CPX)、それと自衛隊と宗教問題で頭を悩ませる。

    指揮所演習でどんなことが行われているか、描写が興味深く読ませてもらった。
    部隊の現状を管理する航空総隊指揮システムと、各航跡を管理し各航空機に指示を与える統制システム(JADGE)による、画面上の演習。
    野上武志『まりんこゆみ 5』( https://booklog.jp/item/1/4063695387 )で命がけのボードゲーム( https://sai-zen-sen.jp/special/4pages-comics/marine-yumi/115.html )を思い出す。
    違うのは、米軍が傍観する設定であることだろうか。映画『シン・ゴジラ』( https://booklog.jp/item/1/B01MSZDGVF )での『米軍はあくまで支援の立場』という台詞、2021年の米軍アフガニスタン撤退から鑑みるに、国際政治状況によって変わることを仄めかしている。

    パッとイメージできる戦術的な衝突をどうするか、だけでなくマスコミへの発表方法なども議論されている模様。
    …マスコミ対策が厄介で、証拠の開示を求められても、それは極秘データであるという皮肉。(碌なことをしないマスコミ……)
    尖閣諸島付近での航空活動の話が生々しい。相手が領空侵犯するつもりか否かの判断が難しい中での微妙な駆け引き。今後の対応のための作戦会議は葛藤の臨場感が伝わってくる。
    その中で、時折触れられる“リアル”の話。
    2010年の中国漁船衝突事件と動画流出に端を発し、2016年には自衛隊機の対抗機動を探ってきた話など。スクランブルに関する報道は時折あるが、領空侵犯の可能性だけでなく、こちらの力量に対する探りを入れられている事実について。
    演習でさえ運営の困難さが伺える。…では有事ではどうなってしまうのか。実際の自衛官が抱えるもやもやと口惜しさ。問題提起をされている。
    特に沖縄県民の住民理解とか……

    さて。自衛官の宗教勧誘問題。信仰は自由だが、自衛隊に宗教を持ち込まないという話。
    そこから見えてくるのは、自衛官のメンタルケア問題。
    原因は持病の不調によるものだったが、そこからキャリアなどさらに大局的なものへの不安……を抱えており、宗教にすがってしまったらしい。
    同期が諭して一応の解決に至るのだが、もうちょっと突っ込んで欲しかった。

  • 指揮所演習、痺れましたね。訓練は実戦のごとく、実戦は訓練のごとく。これを実現するため、いろんな状況を考えて演習するのでしょうが、その状況の想定が尖閣を念頭に置いたものというのが痺れます。いまだと、そうでしょうね。ウクライナの状況を考えると、北の方面でも考えなければならないかもしれませんね。

    まだまだ話を続けることが出来るようになっています。早く続きが読みたいです。

  • 2022/03/12 016

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著者プロフィール

小説家、軍事評論家。元幹部自衛官。著書に『黎明の笛』『深淵の覇者 新鋭潜水艦こくりゅう「尖閣」出撃』『半島へ 陸自山岳連隊』『北方領土秘録 外交という名の戦場』などがある。

「2022年 『ようこそ、自衛隊地方協力本部へ 航空自衛隊篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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