(新装版)硝子の殺人者 東京ベイエリア分署 (ハルキ文庫)

  • 角川春樹事務所 (2022年2月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784758444583

作品紹介・あらすじ

東京湾岸で乗用車の中からテレビ脚本家の絞殺死体が発見された。
現場に駆けつけた東京湾臨海署(ベイエリア分署)の刑事たちは、
目撃証言から事件の早期解決を確信していたが、間もなく逮捕された暴力団員は黙秘を続け、被害者との関係に新たな謎が──。
華やかなテレビ業界に渦巻く麻薬犯罪。巨悪に挑む刑事たちを描く安積警部補シリーズ。
新装版第三弾は、上川隆也氏と著者の巻末付録特別対談を収録!!

感想・レビュー・書評

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  • 1991年の作品

    安積班シリーズの三作目
    読んだのは新装版ではなく一番最初の大陸ノベルス
    大陸書房…懐かしっ

    巻末のあとがきから
    〜刑事もの、一度は書いてみたかったんですね。それでもって、書くのなら、トリック先行の作品じゃなく、人間臭い刑事ドラマを書きたかったなわけですよ。(中略)小説で読むからこそ面白い刑事モノ。そういったところを狙ったのですよ。
    この試みが成功したか失敗したか、判断するのは、読者のあなたです。〜

    いや、判断の前にどうして最初は刑事ものと「もの」がひらがなで、最後刑事モノとカタカナなのかが気になって眠れない

    • ひまわりめろんさん
      (´;ω;`)ブワッ
      (´;ω;`)ブワッ
      2023/10/20
    • ゆーき本さん
      子ども達が小さい頃 眠るまで背中トントンしてあげてたんだけど、末っ子くんには「トントン気になって眠れないよ」って言われた思い出。その日から背...
      子ども達が小さい頃 眠るまで背中トントンしてあげてたんだけど、末っ子くんには「トントン気になって眠れないよ」って言われた思い出。その日から背中サスサスにしました。
      サスサス…( ´ •ω•)੭"
      2023/10/20
    • ひまわりめろんさん
      (´;ω;`)ブワッ
      (´;ω;`)ブワッ
      2023/10/20
  • 安積班シリーズベイエリア分署編の新装版が出ていたので久しぶりに読んだ。
    お世話になっている図書館には第一作の新装版は置いてなかったのですぐに借りられた第三作から読んでみる。

    ベイエリア分署編は安積班シリーズの初期。署の名前は現在のシリーズと同じく<東京湾臨海署>なのだが、初版の2006年当時はまだ『分署』と呼ばれるほど建物も組織も規模が小さかった。捜査も東京湾岸一帯で起きた事件の『助っ人』として駆り出されるばかりで手柄は所轄署へ持っていかれるという骨折り損。

    安積としても忸怩たる思いはあるし、鑑識の石倉などは捜査本部への報告を遅らせて先に安積に情報を教えるなど、何とかベイエリア分署に手柄を立てさせようとしている。
    が、安積の部下たちは自分のやるべきことをやっているし、安積も『気持ちは嬉しいが、捜査上はあってはならない』と自ら捜査本部に報告している。
    村雨のことをこの当時から『杓子定規』だと考えているが、安積自身が一番警察官らしい人間だと思う。

    現在のメンバーとの違いと言えば、紅一点の水野ではなく大橋巡査がいたこと。懐かしい。
    この時は村雨・大橋コンビ、須田・黒木コンビ、安積・桜井コンビだった。
    大橋と桜井のことをドライな『新人類』と呼んでいるところもポケベルが出てくるところも懐かしい。

    このところめっきり存在感が薄れつつある桜井君だが、いわゆる『肉食系』っぽいところを見せるところも、ラップを『黒人版秋田音頭ですね』という例えも面白い。

    そして相楽が本庁捜査一課の刑事として登場。だが思ったよりもマイルドで意外だった。第一作で激しくぶつかったようだ。
    ベイエリア分署時代、署の花形部署は交通機動隊。このころから速水は堂々としている。噂によれば署長に唯一物申せるのも速水らしい。

    肝心の事件はテレビ業界と暴力団、ドラッグ問題へと広がる。どう見ても怪しいと思う人間がそうではないのが今野作品の特徴だが、今回はどうなのかは読まれてのお楽しみ。
    再読してみると、後の『隠蔽捜査』に繋がるようなネタもちょっとあって興味深い。やはり今野さんが描く警察官はこうでなくては。

    巻末は今野さんと俳優・上川隆也さんとの対談。その中に『小説ってね、面白い人を主人公に持ってきてはいけないんですよ。語り部ですから。周りに面白い人を配置して、主人公がその人にどう反応するかというのを書いていかなくてはならない』という言葉があって、なるほど、これが今野さん作品の一貫する姿勢なのかと納得。

    ※シリーズ作品
    安積班シリーズベイエリア分署編
     本作のみレビュー投稿あり
    ①「二重標的」
    ②「虚構の殺人者」
    ③ 本作

  • 新装版が発刊された機会に、この安定したシリーズを読破しようと(すでに数冊は読んでいるが)。
    本書は、湾岸署が東京ベイエリア分署と呼ばれていた最初期の安積警部補シリーズ。
    ポケットベルで呼び出しがかかることに時代を感じる(笑)。それにしても警察小説で、これほど部下に気を使い、また部下が自分を見る目をきにしている主人公はいないだろう。
    「せめて、上司が、ねぎらいの言葉をかけてやるべきなのだろうか」
    「この煮え切らない態度に、自分で情けなくなってしまった」
    因縁の相手相良警部補も捜査本部に合流し捜査の行方はどうなるかと思いきや、安積は「敵は同僚ではなく、犯罪だ」と諭す。
    事件はやがて、捜査陣の思惑とは異なる展開をする。
    解決後、安積警部補がオーストラリアから帰国する娘と元妻を空港へ迎えにゆく約束になっていたが、時間が無いことに気づく。すると、速水が「俺についてこい」とばかりにパトカーに誘導し、派手にサイレンを鳴らして(笑)成田に到着。速水は「職務特権」と言い、安積は「職権乱用」だと。速水の行為は小説だから許される(笑)。
    安積と元妻の関係はその後どうなるのだろう。どこかの巻で、語られていただろうか。

  • 犯人の当てが外れていた。癖の強い相楽と安曇は意思疎通をすれば案外いいコンビになるのでは?と思わせる変化のあった3作目。敵対していた相手が味方になっていくのは隠蔽捜査の竜崎と野間崎のよう…?

  • 相楽が前作までどういうキャラだったか忘れていたけど、何か少し良い人になって安心した。
    沢村街は痛い目に遭ってほしい。
    鳥飼娘もむかつく。

  • 鳥飼がかわいそうだった。この展開は意外だったし、彼のその後まで心配になった。安積のほうはいい感じなのに。

  • 背ラベル:913.6-コ-3

  • シリーズ3作目。1998年発表。読後感がとても良い。
    3作目となると最初の人物や分署の紹介が、1,2作目と同じで既読感があり、又かと感じる部分はある。
    事件の真相までの展開も凡庸ではない。
    登場人物たちへの描写に愛情があり、読み終わって、この先を応援してあげたくなる人物が何人もいる。
    読んでよかったと思える作品でお薦めです。

  • 11月-03。3.0点。
    安積班シリーズ。テレビの放送作家が自分の車の中で殺害され、捜査に当たる安積班。捜査の直前に別の若手放送作家にも会う、偶然なのか。。。
    早々に犯人が見つかるが、裏がありそうで、地道に捜査して解き明かす。鑑識班長がいい味。

  • 面白いし理想的なチームのあり様を見る楽しみがこのシリーズにはあります。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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