指輪 (ハルキ文庫)

  • 角川春樹事務所 (2024年6月14日発売)
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本 ・本 (244ページ) / ISBN・EAN: 9784758446495

作品紹介・あらすじ

ほんの遊び心から婚約した渉と今日子。
二人の指には、お揃いの銀の指輪がはめられている。
今日子はいつしか渉との結婚を切望するようになっていった。
しかし約束の日、渉からの電話はなかなか鳴らず……(「指輪」)。
銀狐のコートに大きなサングラスをかけた女が、ファースト・クラス・ラウンジのソファーに腰をかけていた。
その彼女に男が声をかけたが……(「一等待合室」)。
女と男の欲望と、噓と裏切り。
情愛の行きつく果てとは──あまりに繊細でスリリングな珠玉の短編集、装いも新たに復活。
(解説・原田ひ香/『イヤリング』を改題)

感想・レビュー・書評

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  • 「古本食堂・新装開店」に川端康成をオマージュしているとして出てきた「一等待合室」が読みたくて図書館で借りてきました。他の作品も面白く古そうだけど古臭くないし、オシャレで大人な作風だった。

    特に「蒸発」が予想の上を行く結末で印象深い。

    解説が原田ひ香さんなのも良かった。

  • とぉーっても久しぶりの森瑤子さん
    書店で復刊版を見かけて、
    懐かしくて購入

    アンティーク感というかヴィンテージ感が
    良い具合に漂う短編集
    そして、
    ちょっとイヤな汗かきます

    「一等待合室」と「蒸発」が好きかな

    復刊文庫の解説は原田ひ香さん

  • 少しも素敵じゃない男女のリアルを詰め込んだ短編集。
    大人の女性が描く情愛と欲、その生々しさにドギマギさせられた。
    さり気なく繰り広げられる駆け引きと読み合いの応酬。
    こういう作品は無意識に避けていた。
    他作品で紹介されたのをキッカケに読んでみたら、なんだか新鮮だった。
    まあ幼稚な恋愛しかしてこなかった私にとっては、未知の世界の話なんですけどね。

  • 久しぶりの森瑤子、古本食堂をきっかけにもう一度読みたいと思い手に取ってみた。
    10代のころ貪るように読んだ森瑤子は今の歳で読んでもやはり他人事でしかない。
    オシャレでお金のある男女の情愛。
    今は許されないことだし、少し古めかしくも感じるがやってることは同じ。
    中身があるかと言えば、ない。
    ただそこにあるのは情事のみ。
    でもやはり惹かれるのは圧倒的な文章力と森瑤子と言う1人の魅力的な女性へのやまない憧れからなのかな。

  • 美しく、でも苦しい。
    年頃の女として目を背けたい現実が描かれているから共感できる、だから悲しい。

    何の話してるの、自分とは別世界の話だわと思える年の頃は、それはそれで苦しかったのだが…。

    女の人生とは苦しいものだ。

  • 指輪/森瑤子
    読了 2025.05.08

    書店で見かけ気になって購入。女のどろどろ系みたいだ。ちょっと昔(80年代)の小説で、短編集。読みやすそうだ。

    不倫をする女、婚約破棄される女、不倫されていた女、妻の誕生日から逃げ出したい男、蒸発する男、W不倫をしていた元妻__描く視点は女目線だったり男目線だったり。なんとまぁ愛だ恋だの難しいこと。
    この人しかいないと思い定めて、夫婦生活に問題があるわけでもなく、それでも、目移りしてしまう。なぜか寂しい。人間って、きっとそういう生き物なのだ。

    読みやすいし飾らない物言いで、すごく好きな文体だった。三浦しをんの『君はポラリス』のペーパークラフトみたいな話集!って感じだった。好きだけど、特別読後感がいいってわけでもない。それを求めての本じゃないので全然いいですが。
    森瑤子、おもしれぇ!!となったので、他の本も読んでみたいな。

  • 初めて読んだけれど、感情面は古びた印象を受けない。
    女性が当たり前のように全部家事をしているとかは、時代を感じさせる。
    (軽い気持ちで殴るとか、殴られた側もとんでもないこととは思ってないところとか)

    短編集だから仕方ないが、全く同じ表現が別の作品で出てきたのは、残念な気持ちになった。

    とはいえトータルでとても面白く、時に辛く読んだ。
    また別の作品にも出会いたい。

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著者プロフィール

森瑤子(もり ようこ)
1940年11月4日 - 1993年7月6日
静岡県伊東市生まれの小説家。本名、伊藤雅代。
幼い頃からヴァイオリンを習い始め、東京藝術大学器楽科入学。この時フランス文学にのめりこんだうえ、様々な人々と積極的に交流し、卒業後に就職。結婚と育児に追われる。1977年に池田満寿夫が『エーゲ海に捧ぐ』で芥川賞を受賞したことを機に、初の作品『情事』を書き、すばる文学賞を受賞しデビュー。
37歳でデビューしてから52歳で没するまで、小説、エッセイ、翻訳など100冊を超える著作を生んだ。作品の多くがテレビドラマ化されている。代表作に、『スカーレット』『夜ごとの揺り籠、舟、あるいは戦場』など。

森瑤子の作品

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