- 角川春樹事務所 (2025年5月15日発売)
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感想 : 53件
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Amazon.co.jp ・本 (392ページ) / ISBN・EAN: 9784758446921
作品紹介・あらすじ
ある朝、夫婦でブックカフェを経営している和泉浩次郎が娘の杏奈を連れて出勤すると、妻エリカが店内で惨殺されていた。
その捜査の過程で、エリカが戸籍を偽っていたことを告げられる。
妻はいったい何者で、誰が殺したのか?
激しく動揺する和泉だったが、実は彼も戸籍を偽る「なりすまし」だった。
焦燥する和泉を嘲笑うかのように、娘の杏奈も殺されてしまう。
いったい彼の周囲で何が起きているのか……?
戸籍売買、無戸籍児、そして「なりすまし」──暗部を描き切った社会派小説の傑作!
感想・レビュー・書評
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夫婦でブックカフェを経営している和泉浩次郎の妻が店内で惨殺されていた。
捜査しているなかで、妻エリカが戸籍を偽っていたことがわかり、動揺する和泉だったが、実は彼も戸籍を偽る「なりすまし」だった。
彼の場合は、兄が暴力団の幹部候補を刺殺したせいで、執拗な嫌がらせを受け職場を追われることも何度もあった為に戸籍を買い別人として生きていた。
妻のエリカの死後、彼女と戸籍を交換したのだという女性が現れ…。
妻のエリカが何故、誰に殺されたのか?それは彼女の過去のせいなのか、もしくは服役していた兄絡みなのか?
そのあと、娘の杏奈も殺されてしまうのだが…。
刑事が捜査するなか、和泉もエリカと戸籍を交換した咲月と一緒に調べるうちに無戸籍児のことや戸籍売買の元に辿り着き、和泉浩次郎を探すことで見えてくる事実に愕然となる。
刑事から逃げながらすべての真相に気づくまで、ハラハラのし通しだったが、どんな事情があろうともなりすましは結局、誰でもない主張することのできない借りの姿なのだとわかる。
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越尾圭『なりすまし』ハルキ文庫。
『協力者ルーシー』『シスター・ムーン 協力者ルーシー 2』と2作読んだが、どちらも非常に面白い作品だったので、新刊の刊行が気になっていた。
戸籍売買、無戸籍児といった社会の暗部を背景にしたミステリー小説である。日本の総人口は約1億2千万人であるが、無戸籍者は1万人居ると言われている。様々な事情はあると思うが、無戸籍児を産むのは親の怠慢や育児放棄が原因なのだろう。
さて本作の感想であるが、先の全く読めないストーリーはなかなかのリーダビリティの高さである。しかし、主人公の和泉浩次郎が妻と娘を失った後の悲しみが見えて来ず、そこに少し違和感を感じた。もう一つ、和泉浩次郎が娘の保育士を凛と名前で呼ぶ辺りにも男女の関係がある訳でもないのにと変な違和感を感じた。
ある朝、和泉浩次郎が娘の杏奈を連れて、夫婦で経営しているブックカフェに出勤すると、一足早く出勤した妻のエリカが店内のソファで何者かにより刺殺されているのを発見する。
警察が捜査を進めるうちに、 エリカが戸籍を偽っていたことを告げられ、和泉は激しく動揺する。実は和泉自身も他人の戸籍を買い、他人になりすましていたのだった。
和泉の本当の名前は七瀬堅吾と言い、6歳上の兄の忠志が暴力団組員を殺害したことから、その暴力団につけ狙われ、闇取引きで和泉浩次郎というホームレスの戸籍を買取り、別人になりすまして暮らしていたのだ。
妻のエリカは一体何者で、誰が殺したのか気になりながら、焦燥する和泉だったが、そんな和泉を嘲笑うかのように娘の杏奈も刺殺される。
杏奈の通う保育園の保育士である神崎凛が杏奈を連れて、和泉の元に向かう途中、ふと目を離した隙に杏奈の姿を見失ってしまったのだ。
妻のエリカと娘の杏奈を失い、途方に暮れる和泉の前に加々美咲月と名乗る女性が姿を見せる。その女性こそ妻のエリカと戸籍を交換した女性だった。しかし、妻のエリカの本当の名前は加々美咲月でもないと言う。
妻のエリカは一体何者だったのか。妻と娘を殺害した犯人は一体誰なのか。
本体価格880円
★★★★ -
第三章くらいまではぐっと引き込まれたが、次第に人物や戸籍が入り組んできて訳がわからなくなった。
まとめて時間が取れる時に一気に読むべき本。
戸籍売買。斡旋する側の話を読んだばかりなので、ろくな世界じゃないと思ったけどやっぱり。でもそれぞれに事情があるんだなぁ。 -
不気味な表紙と不穏な雰囲気のタイトルに魅かれ購入。
イメージした気味悪さは強くなく、誠実な主人公が謎解きを進める展開。
他人の戸籍で生きている人が続々と登場するなあ~、
戸籍のブローカーも実在するのだろうな〜、
・・・・と読み終えた。 -
戸籍売買や無戸籍児という社会問題がテーマのミステリ。殺害された妻が戸籍を偽っていた、そして主人公自分も同様に偽っているという冒頭から引き込まれ真実が分かってもまた新たな謎がうまれるという先の全く読めないストーリー展開は面白かった。そして主な登場人物がほぼなりすましという衝撃。登場人物達のキャラがかなり濃い(なんなら主人公がいちばん薄いかも)ご都合主義なところを気にしない方がより楽しめる。
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戸籍が大きく関わってくるミステリーで、事件発生のロケットスタートっぷりが最高。越尾氏の作品あるあるな気がしてるんだが、物凄くキャッチーなスタートを切って、今作はぶっ飛んでるな!と思わせながら、その後は凄く慎重に話が進んでいくため説得力が充分で、骨太な作品が出来上がっている。今作は内容がとてもややこしいが、点を一つ一つ繋ぐように最終局面に向かっていくので、まだ理解し易いかと思った。そういやちょっと前に読んだトリカゴが頭を過ったが、それよりもトリッキー。クライマックスの盛り上がりも良かったし、結構な充実作。
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重さと面白さがドンの一冊。
タイトルが物語るように戸籍売買がテーマの社会派ミステリ。
惨殺された妻は一体何者なのか…妻の戸籍偽りを知った夫もまた…という、なりすまし夫婦の設定に一気に面白さがドン!と。
妻を殺害した犯人は誰なのか、さらに娘まで殺害され次々に危険と不可解さは積もりまくり、真相に迫る面白さもドンドン加速。
無戸籍児といい、戸籍を欲する人もいれば簡単に手放す人もいる、その皮肉さが重くドンとくる。
人の安易な企てこそが社会の裏側の恐怖だ。
最後まで思いもよらぬ展開なのも良かった。
読後は自分の証が愛おしくなる。-
くるたんさん
重さと面白さがドンの1冊❢❢❢
なんと素敵な表現(^q^)
メモらせてくださいねー(≧∇≦)/くるたんさん
重さと面白さがドンの1冊❢❢❢
なんと素敵な表現(^q^)
メモらせてくださいねー(≧∇≦)/2025/08/12 -
2025/08/12
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なりすまし同士の夫婦の設定が謎が多くておもしろいと思ったし、ストーリーの展開が早くて全体的にワクワクして読めた。無戸籍児や戸籍売買などを扱ったミステリーで興味深かった。ただ終盤は少々複雑で、ドタバタな展開についていけなくなった。まぁ、この人も怪しいと思ってたけど。
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ストーリーの展開が早く、ドキドキする場面もあってすごく面白かった。
本当に信頼できるのは誰なのか、和泉浩次郎が誰なのか、想像しながら最後まで楽しめたのも良かった。
越尾圭さんの他の作品も読みたいと思った。
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今までの人生を捨てて、別人として生きる——それはきっと、人生でいちばん重い決断だ。
越尾圭『なりすまし』は、戸籍の交換・売買という題材をサスペンスに落とし込みながら、「他者として生きるしかない人がいる」という社会の影をまっすぐ照らす。重たいテーマなのに読みやすく、気づけば一気読みしていた。
印象に残ったのは、戸籍を“売る側”も“買う側”も、どちらも結局は「自分の戸籍を手放す人」だということ。そこにはそれぞれの事情があり、簡単に善悪に切り分けられない。
読後、頭に残ったのは制度への問いだった。家族や血縁を前提にした仕組みが、もし地獄のような家庭環境の中にいる人を救えないとしたら——法の常識と、人としての尊厳は、ときにねじれてしまうのではないか。そんなモヤモヤごと、作品が胸に置いていく。 -
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表紙が気になり手に取ってみました。「なりすまし」って戸籍偽造なわけだ。そんなに簡単にできる?分けないですよね。でもこの話では夫婦共々なりすましてた。奥さんは一体!登場人物も関係性も後半は分かんなくなってきて。でもエンディングでの真実は楽しめた。
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面白かった!
スピード感あるミステリー
戸籍入れ替えてる人多すぎて流石に現実味は低いけどエンタメとして -
あまりに戸籍の売買が多すぎて、途中からわけわからなくなった笑 ただ和泉や咲月が他人になった経緯に関しては同情させられた。こういう人たちは然るべき手続きなどして新たな人生を始める権利があるべき。
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ある日、妻が殺された。警察から妻の戸籍は別人だと告げられ驚愕する。驚愕した理由はその事実も去ることながら自身も同様に戸籍を買ったなりすましだったからだだ。そこから話が始まり、妻の過去を調べていくと様々な事実が判明していく。久々の気持ちの良い伏線回収で楽しかった。4.2
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-ブックカフェを営む和泉は、殺された妻が戸籍を偽っていた「なりすまし」であることを知る。妻の過去に何があったのか、そして和泉にもまた秘密があってーーー
たまにある、読む手が止まらず夜通し読んでしまうタイプの作品。強烈な読書体験でした。 -
面白かった!
この人の名前は〇〇だけど、戸籍を交換しているから本当は△△で…
と度々整理しながら読まないと、こんがらがりました。
犯人が誰かも気になったけど、それより戸籍を手放し違う戸籍を手に入れなければいけなかった人達のやむを得ない事情や、内面の動きがしっかり描かれていて良かったです。 -
最初から中盤にかけての物語の進むスピード感は良かったが、最後が畳み掛けるようにスピードアップしてちょっと残念。ただ全体的に面白く読み応えがあった。
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読み始めると気になり一気に読み進めた。
事情がある事を思うと他の方法はないのかと考えさせられた。
その一方でお金に目が眩むとそうなるのかと思った。 -
途中まですごくおもしろかったけれど、登場人物が増えすぎて誰が誰だかわからなくなってきたし、なんか捻りすぎてグダグダだったような。。。
無戸籍の人について考える、良いきっかけにはなった。
著者プロフィール
越尾圭の作品
