名古屋駅西 喫茶ユトリロ 龍くんは河童と踊る (ハルキ文庫 お-4-7)

  • 角川春樹事務所 (2025年3月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784758447041

作品紹介・あらすじ

「河童さん、踊ろまゃあ」曾祖母が寝言で言ったひと言が気になり、〝河童〟について調べると、期せずして名古屋の歴史を追うことになった龍。
だがその最中、名古屋駅西で長く愛される〝喫茶ユトリロ〟を営む祖父が病で倒れてしまう!
更にユトリロの買収話まで浮上し……!?
祖父の代わりに龍は老舗喫茶店を守れるのか!
そして「名古屋の河童」とは?
名古屋弁も楽しいご当地グルメ小説!

感想・レビュー・書評

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  • 『名古屋駅西喫茶ユトリロ』シリーズの五作目ですね。
     主人公龍(とおる)の成長物語を通して、名古屋名物と謎解きを楽しませてくれるシリーズです。
     今回の謎は、曾祖母の千代が入院して、龍が看病していた時に、千代が寝言で『河童さん、踊ろまゃあ』と言った、意味の解明になる。
     そこから、名古屋の歴史に迫る事に………?
     そして、『喫茶ユトリロ』を営む祖父もまた、入院してしまう。
     『喫茶ユトリロ』の存続が危ぶまれるなか、龍はある決心をすることに………?

     太田さんの主人公は、自分のやっている事が正しいかどうか逡巡する。石橋を叩いて渡る性格をみせるが、龍もあれこれ迷う。周りの助けを借りながら、答えを見つけ出そうとする物語構成が、楽しい。
     また、雫さんというヒロインとの恋愛の行方も気になる作品です。
     読後感で、物語は一応の終着をみせているので、続編は分かりませんが、太田さんの名古屋愛あふれる作品なので続きが気になるところですね(=^ェ^=)
     

  • 2025年3月ハルキ文庫刊。書き下ろし。シリーズ5作目。どて煮と見通せない将来、天むすと少しばかりの転機、納屋橋饅頭と優しい詐欺師、イタリアンスパゲッティと意外な誘い、味噌カツと新たな一歩、の5つの連作短編。前作から1年11か月。謎もあまり面白くないし、喫茶道邁進という感じではなく、地道に進む感じで、あまり振るわない。次作に期待。

  • もはやミステリというより生き方の話。
    戦後間もない戦争孤児たちがいた場所。曾祖母の千代の過去が描かれている。
    今回は名古屋飯要素は薄い。
    ユトリロの玉子サンドを食べてみたい。

  • おもしろかった!!

    龍くんと名古屋グルメのこのシリーズ、ここまで読んできて本当によかった!! 

    5巻目にして太田忠治さんの集大成を見た! と思わず感涙にむせびそうになりましたw

    以前、太田忠治さんのインタビューで、
    「この年齢(80代)になったから、一度は、戦争について自分なりに整理しておきたいと思うようになった」
    とおっしゃっていて、今回、

    太田忠治さんなりの、これが戦争への始末か、と感無量。

    今回、龍くんは、戦後の闇市から発展してきた名古屋西口の歴史をたどる。

    一面焼け野原から復興してきた時代と、現在の名古屋駅西口の状況は、ぜんぜん違うようで似ている。
    リニア新幹線が通るのは決まっているけれど、予定は未定。でもそのために、土地の買い占めが進んでいて、再開発という呼び声だけが大きく、空廻りしている。

    そんななかで、龍くんは、自分の将来と「喫茶ユトリロ」の行く末にひとつの結論を出した。
    その覚悟にもグッと来たが、しかし、恋愛は自分の意志で進めたほうがいいぞ、龍くん(笑) きみはめっちゃいい子だけれども、じーちゃんばーちゃんひーばーちゃんに嫁まで決められないようにw

    そしてとにかく、ひいばあちゃんが、めっさかわえぇ♡
    しかも祖父母の世代よりもフレキシビリティが高く、実はITリテラシーも高そうw
    今回、ひいばあちゃんの長い淡い初恋の始末のお話しでもあり、じんわりとステキな読後感でした。

  • シリーズ第5弾になるけど、毎回いろいろな要素を入れて面白い
    地元 名古屋のこと まだまだ知らないことがたくさんある

  •  シリーズ第五弾。今回は曾祖母の千代の寝言をきっかけとして、名駅西のかっぱ商店街に伝わるかっぱ伝説を主人公の龍が掘り下げていく。それと同時に、龍が、喫茶ユトリロを継ぐか継がないか、真剣に考え始める話でもある。たった数年とはいえ生活したことのある土地を舞台にした小説を読むのは楽しい。もちろん喫茶ユトリロは実在しないが、私が名古屋にいた頃に開店したあの店はまだあるので、仕事で名古屋に行く機会があったときは必ず寄っている。また行けるといいな。

  • 既刊から趣向が変わって、章立てなく一本の長編構成
    ひいおばあちゃんがたくさん出てくるので、セリフがまったりと頭の中で再生されてしまって読むのに時間がかかった
    龍くんも既に名古屋にこなれているので名古屋飯要素は薄め
    味仙行きたくはなった

    リニアがいつできるか全然見通せないけど、駅西はどんどん工事が進んでいく気配は濃い
    駅西、ユトリロ、そして龍くんの今後について、不確かなものを見つめ続けようと思える話だった
    続刊にも期待

  • 龍くんとユトリロの今後を考える話だった。名古屋飯要素はちょっと薄め。
    でも、老舗喫茶店を残してかつ一石を投じそうな龍くんを応援したい。

  • なんだか、すごいことになってきた。
    最初は、龍が日常の謎に関わっていく感じだったのに、いつの間にか、喫茶ユトリロを含めて大きな話になっている。
    大学をやめるという大きな決心をした龍が、もっと大きな覚悟を決めた。がんばれ、若人。
    大変なことも多いだろうけど、祖父母も、常連さんたちも、友人も、みんな温かい。龍と同じ年齢と思えないようなしっかりしたアドバイスをしてくれて素晴らしかった。
    雫ちゃんとのことも、進展するのかな。
    続きが楽しみ。

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著者プロフィール

1959年名古屋市生まれ。名古屋工業大学電気工学科卒業。81年「星新一ショート・ショートコンテスト」で「帰郷」が優秀作に選ばれる。その後、会社勤めをしながら「ショートショートランド」「IN★POCKET」にショートショートを掲載。1990年、長編ミステリー『僕の殺人』を上梓してデビュー。2022年『麻倉玲一は信頼できない語り手』が徳間文庫大賞2022に選ばれる。

「2022年 『喪を明ける』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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