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Amazon.co.jp ・本 (164ページ) / ISBN・EAN: 9784758923842
作品紹介・あらすじ
本書は、三上章 (1960)『象は鼻が長い』を出発点として、言語学の問題「主語・目的語って何だ?」に取り組みます。調査の結果、日本語の主語も目的語も、「カメレオン」でした。カメレオンが周囲の色に応じて体の色を変えるように、主語も目的語もさまざまな助詞をかぶって変装しています。さらに、小・中・高の国語・英語の教科書も調査し、「主語・目的語の教科間の揺らぎ」や形容詞・副詞の謎も明らかにしていきます。
感想・レビュー・書評
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星の数:★★★
日本語学習における超重要課題ともいえる助詞「は」「が」において、三上章氏が著した「象は鼻が長い」における持論を世界の言語や目的語をもとに展開している。なかでも私が重視したのは助詞「は」による主語(話題)はどうなるのかという点である。ややネタバレになってしまうが、著者はある文章について「のはテスト」というシステムを用いて文章の名詞のどれが主語に当たるのかを検証している。私はこれについて、三上章(1960)『象は鼻が長い』における「ハの兼務」が果たす役割の一つであり、実際は「象」という具体的な名詞が以下の「鼻が長い」を包括していると考えられる。ただこれについては現在も結論がついておらず泥沼化しているため、明確化するには莫大な時間を要する。そのため、あくまで「は」と「が」議論の一説として参考にするのが無難だろう。このほか、先述した三上章の著書においては「ハの兼務」のほか、本務やピリオド越えなど別の役割を果たすものも存在するため、あらかじめ予備知識を持って読むとわかりやすいのではないか。
(S.E.4さんからのおすすめコメント)
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