認知言語学への誘い 意味と文法の世界 (開拓社 言語・文化選書 17)

  • 開拓社 (2010年3月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (180ページ) / ISBN・EAN: 9784758925174

感想・レビュー・書評

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  •  認知言語学が言語学の中でどのように位置づけられているのか、その歴史を含めた解説と、主要なトピック(カテゴリー、イメージ・スキーマ、比喩など)、これからの研究の見通しなどを紹介した本。用例はすべて日本語で、英語はない。巻末に文献案内として、10冊のおすすめの認知言語学に関する書籍が紹介されている。
     直前にひつじ書房の『ファンダメンタル認知言語学』を読んでいたので、どうしてもそれと比較して読んでしまうが、おれ自身が英語に興味があったので、日本語の用例しかないのでやや退屈してしまった。記述が一見難しい感じ、フラットな感じなので、認知言語学面白い、と思えずに終わってしまうところが、入門書としてはあまりよくないと思う。ただ、黒か白かではない連続体で言語を捕えるとか、従来の文法研究では例外とか個人差、発話文脈とか言ってちゃんと扱われなかった、つまり型にはまらない部分にこそ認知と言語のかかわりを見ることができる、といった部分についてはよく納得できた。例えば助数詞「本」の現れる文脈、「3本のマグロを解体した」は言えても「3本のサンマを買った」はおかしい、に関する分析は、単にモノの外的特徴だけでなく、「言語の使用者による積極的な意味づけのプロセスや主体的な解釈の問題が深く関与している」(p.48)ことを示す好例だと思うし、面白い。あと認知言語学そのものの話ではないが、「言語表現の慣習化」における「拡張事例」として挙げられている「きれかった」が、「関西地方でよく聞く表現」(pp.116-7)というのは知らなかった。おれは関西人で何の違和感もないが、他の人からすると違和感がある表現ということだろうか。
     入門書と言っても、ある程度言語学に親しみのある人向けの本だと思う。(16/02/09)

  • かなりわかりやすく読みやすそうな印象。これええなあ。お手頃価格…!!!(読み次第レビュー追記)。(120104)。

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著者プロフィール

早稲田大学大学院日本語教育研究科・教授。博士(人間環境学、京都大学)。
主要業績として『日本語学習者コーパスI-JAS入門―研究・教育にどう使うか』(2020、くろしお出版、共編)、『ICT×日本語教育―情報通信技術を利用した日本語教育の理論と実践』(2019、ひつじ書房、編)、『文章を科学する』(2017、ひつじ書房、編)他。

「2021年 『データ科学×日本語教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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