学校英文法プラス 英語のより正確な理解に迫る (開拓社言語・文化選書 30)

  • 開拓社 (2012年3月24日発売)
3.00
  • (0)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 26
感想 : 1
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784758925303

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  英語のジョークを取り上げて、1つの英語をどう解釈するかを取り上げた本。parsingという、いわゆる英語をきちんと解釈するための文法事項が取り上げられており、学校英文法を補完するものとして役に立つ。具体的には「英語を正しく理解するのに役立つものでぜひ知ってほしいもの(たとえば、ネクサス、作用域と焦点、接続詞as)、興味深い言語現象(たとえば、前置詞=小動詞、than one can help)、また文法学習で見逃されやすい事項(たとえば、修辞条件のif節)、あやふやに理解されがちなもの(たとえば、二重制限関係詞節と連鎖関係詞節のちがい、what he has to say)などに絞ってある。」(p.vi)
     あとは個人的に勉強になったところをメモしておく。まずno more than, not less thanあたりは、ギリギリ説明できても、それ以上複雑になるともうよく分からなくなる。さらにnot later thanとno later thanが区別なく使われるという事実を取り上げ、「英語を母語とする人びとにとっては、われわれ英語を学ぶものが大騒ぎするほどに、noとnotのちがいを意識してはいないようである。」(p.49)ということらしいが、それでもやっぱりその違いは気になって仕方ない。
     ネクサスのところで「教職員のみなさんには本当にいろいろ世話になった」みたいな文がI've had so many kindnesses shown to me by the faculty.(p.60)みたいにパッと頭から出てくるにはどれくらいの英語力が必要なのかと思う。形容詞を並べる順番についてはよく「客観的なものから主観的なものへ」と言われるが、例えば形状と色はどっちが客観的なのか、とかよく分からないから、結局覚えざるをえない気がする。(と言っても、「文体上の理由から、一緒に並べる形容詞の数は最大限4個とされている。」(p.75)らしい。)で、その「配列順序の記憶の助けとして次の英文を暗記すればよい」(同)として、"Very soon a train should come."だそうだ。つまりvalue, size, age, temperature, shape, colour, origin, materialらしい。副詞の「相関用法」と「独立用法」は、言われてみれば確かにそういう区別があるよな、という感じで面白い。例えばJohn wasn't too clever to leave early.(p.87)の解釈は、いわゆるtoo-to-構文として「ジョンは頭が良すぎて早く出られない、ということではなかった」(notがtoo clever to leave earlyを否定、要するにジョンは早くは出発しないくらいの頭の良さしかなかった)と解釈するか、「ジョンは早く出発してしまって、頭が良すぎるわけではない」と解釈するかで2通り生まれる、というのは、よく考えないと分からない。やっぱり否定語+比較とか修飾する系の語が絡むと途端に難しくなる。他にも He is very clever and is not proud either. (p.124)みたいな文を、「彼はとても頭がいいが、だからといって高慢ではない」と訳さないといけないというのも盲点かもしれない。あとonly=that and nothing else, even=that in addition to everything else, also=in addition to what has been mentioned already (p.91)というパラフレーズは分かりやすい。命令文は取り上げられることが少ない気がするが、「副詞+with Oの命令文」(pp.97-8)という形で項目立てされているのを初めて見た気がする。例えば"In with you."とか、"Up with the President."といった表現。こういった感じで、気づいてはいるけど、体系的に学んだことがない、というものが載っているのが面白い。他にも「先行文から読み下すwhen節」(p.115)なんて、そういう文が出てきて、訳す時に先生からチラッと言われるけど、あるいは小説を読めばよく出てくる表現であるにもかかわらず、まとめて習った記憶はない気がする。同様に、「補語になる関係代名詞のthat」(pp.132-3)というのも、目的語は定番なのに、あんまり習った記憶がない。例えばHe behaved like the brave soldier that he always was.みたいな文。
     という形で、英文法マニアの気質がある人には面白い
    高校英語の教師なら読めば納得するところはたくさんあるのではないかと思う。英語を正しく読むための、でもなかなか体系的には学べない知識を教えてくれる。(17/11)

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

1936年,富山県生まれ。富山大学文理学部文学科卒,出版社勤務の後,公立学校教諭,富山商船高専助教授を経て国立高岡短期大学(現在,富山大学芸術文化学部)助教授,同教授,同名誉教授。著書: 『王様とタカ』(共著),『ブレーメンの音楽隊』(共著),『親ゆびトム』(共著),『わらしべ長者』(共著),『パイプスじいさん』(以上、学生社)、『英語ジョーク快読のススメ―ジョークがわかれば、言葉も文化もわかる―』、『学校英文法プラス―英語のより正確な理解に迫る―』、『英語の法助動詞』(以上、開拓社)、『英語聖書の修辞法と慣用句』(英宝社)など。

「2016年 『英語仮定法を洗い直す』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中野清治の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×